名前、それはとても重要なものである。
特にこの日本においては、「名を残す」「名をなす」などという言葉あるように、己を示す一番の札である。
まだ侍の時代には、命をかけた勝負の前には名を名乗るというのが一つの礼儀ですらあった。
それほどに名前というものは重要である。
名前はいろんなところにつけられていて、名詞というのを昔国語かなんかで習ったが、世の中のあらゆるものには名前がつけられている。
かの哲学者、ウィトゲンシュタインも言ったらしいように、世界は言葉でできていると言っても過言ではない。
「およそ語りうるものは明晰に語りうる、語り得ないものについては人は沈黙せねばならない」とは有名な言葉だ。
しかし、一人の人が人生で何かに名付ける機会なんてそうあるものではない。
それこそ子供が生まれた時くらいのものだろう。
活動的な人であれば、もっといろんな名付けの機会もあると思うし、歴史上初の発見をした人であれば歴史に名を残せる名付け親になれるわけだ。
私も何かに、名付けてぇな。
さて、長ったらしい前置きをして見たけど、今日のテーマはかっこいいバンド名である。
名前は最初に耳にするもの、何より名は体を表すというように、音楽性とかいろんなものを暗に反映しているものである。
好みはあるだろうが、その中でもかっこいいなとか、なんか好きだなと思う名前って、ありますよね?
今回は私のかっこいいと思うバンド名をただ並べていくという、それだけのものである。
あくまで私が聴く音楽の範囲に限られてしまうし、人により基準は違うだろうが、各々かっこいいバンド名を考えて見てくれ。
結構楽しいから。
と、いうわけでまずはこちらから。
私の大好きなバンド、Nine Inch Nails。
日本語にすると9インチの爪というなんとなくキザな感じもあって、いかにもトレントらしい。
NINというシンメトリーなロゴにもしやすいしね。
私がまだ小学生の頃に、なぜか彼らの名前を何処かで聞いたことがあるような気がしたんだけど、それが年にすると94年頃、まさに『Downward Spiral』のリリースされた頃である。
私が彼らを聴き始めたのは高校生になった2000年前後だが、何かの縁があったのだろう。
今年のソニマニが、楽しみだ(涙)
続いてはこちら。
Queens Of The Stone Age、日本語では石器時代のオカマということらしい。
彼らの荒くれたイメージや、悪ふざけ感もあるバンドのイメージにもぴったりだ。
名付け親は助手ではなくプロデューサー的な立場のクリス・ゴスらしいが、素晴らしいネーミングだ。
今年のサマソニに来る。
2年連続で見られるなんて(涙)
お次は日本から。
ご存知YMO。
Yellow Magic Orchestraの略だが、当時最先端の楽器(楽器ですらなかった)だったシンセサイザーを使った音楽で世界を踊らそう、というコンセプトの下に集まった3人は、今では伝説である。
西洋コンプレックスの強い時代にあえてイエローを謳って、魔法のような音の出る楽器でいろんな音を奏でる、というバンド自体のコンセプトも見事に表している。
素晴らしいネーミングだ。
ちなみに細野さんはこの前にははっぴいえんどをやっていたんだけど、このバンド名もひらがな表記にすることでそこはかとなく日本語っぽい感じになるし、何よりこのバンドの音楽は日本語によるロックの礎を作ったと言われており、実際いまだに彼らの影響モロだろうなというバンドが出て来るくらいである。
名は体を表すの、まさに好例だろう。
素晴らしいセンス。
続いてはこちら。
トレントも影響を受けているDepech Mode。
調べると、ファッション雑誌から拝借したというバンド名だけど、彼らが出て来たのはちょうどポストパンク、NWと言われる一群が一挙に現れた時代なんだけど、この時代のバンドのセンスってなんとなくキザだよね。
嫌いじゃないけど、
モードという言葉時代がファッションっぽいし、彼らの独自の美学を見ればなんとなく納得だ。
パンクによって音楽が若者たちの手に戻った時代なので、どこか自意識の強い(キザな)名前が多かったのだろうか。
そんなパンクにとって代わられたものの、いまだに存在感の衰えない存在自体がプロヅレッシブなこのバンド。
プログレといえば彼ら、King Crimson。
自らキングを名乗るそのふてぶてしさ、しかしクリムゾンである。
ん~、この名前は最高だし、他のプログレバンドが懐メロに走る中で、いまだに新しい試みを続ける彼らこそ、やっぱりキングだ。
ブライアン・イーノとも仲良しだ。
名前として綺麗だなと思うのはこれ。
かのノエル・ギャラガーも憧れるThe Stone Roses。
日本語にしても「石の花」だぜ。
キザでもないし、なんか綺麗な名前だなと思う。
誰がつけたんだろうか。
まさかキングオブ・・・
最後はこちら。
原子の叫び、っていう響きがいかにもロックンロールだ。
私は彼らの熱心なファンではないし、たまにちょくちょく聴く程度である。
だけど、このバンド名はロック好きならつい引っかかるはずである。
私にとってロックを感じる瞬間はある種の衝動性である。
それを表す言葉がまさにこれだ。
Sonic Youthのサーストン・ムーアも「ロックンロールってのは赤ん坊の叫び声(Primal Sceem)1だ」と言ったとか。
私もそう思う。
と、そんな感じで紙幅も尽きたのでここまで。
他にもいっぱいかっこいいバンド名はあるけど、それぞれの音楽性もそこはかとなく出ていて面白いよね。
ジャケ買いならぬ名前買いだってありえるわけで、やっぱり名前は大事である。
ぜひみんなも、好きなバンド名に想いを馳せてはいかがだろうか。