今月が会社の決算期だったので、今期の評価面談があったのだけど、割と頑張った甲斐もあって昇級、ボーナスも去年の1.5倍くらいにはなったので、とりあえずはよかったね。
これまでまともに評価してくれる会社にいたことがないので、3年目にしてようやく会社のことを信用できるようになったものだ。
とはいえ、やっぱり入社時にもう少し引き上げておけばよかったなと後悔しているけどね。
今年は家の更新もあったので大きな入り用だったので、これはちょうどよかったね。
久しぶりに服でも買おうかしら。
さて、今朝電車で会社に向かう途中、近くにいたおじさんが本を読んでいた。
何ともなくどんな本読んでるんだろう、なんて見てみると、おそらくAV関連(エロいやつではない方)の本だと思うのだが、彼が読んでいたページには「MDってどんな仕組み?」という小見出しが。
一瞬目を疑ったのだが、MDといえばあのMDである。
Mini Diskの略、かつてカセットテープに代わって音楽のポータブル化に寄与した例のやつだ。
私がちょうど高校生くらいの頃に普及して行ったので、出てきたのはざっくり18年くらい前だろう。
確か高校2年生くらいの頃にMDウォークマンを買って、通学中に聞いていたのはいい思い出だ。
当時音質なんてものを考えて聞いていなかったので、思い切り圧縮しまくって8時間分くらブチ込んでいたな。
しばらくはコンポでは聴けたのでたまに聞いていたんだけど、コンポ自体が壊れたので聞く手段を失い、今ではタンスの賑わいと化している。
・・・本当はもうどこにあるかわからない。
このMD、多分私の同世代+マイナス5歳くらいの人にとってはかなり思い出深いはずである。
ちょうど学生時分に流行ったものは思い出が付きまとうものだが、CDから写して、ぴこぴこと小さなリモコンを駆使して曲名なんかも入れて、それががその粗いディスプレイに表示されるのを見ては曲を覚えたものだ。
逆に今の20代前半くらいの子達には、なんのこっちゃという世界だろう。
とはいえ、すでにiPodすら淘汰され始めているこの現代において、まさかMDの仕組みを勉強している人がいるのは驚いた。
何か仕事の関係か、あるいはメディアの歴史みたいな本なのだろうか、なんて思ったわけだが、次のページの小見出しが出てきてさらに驚いた。
「MDは編集が簡単って本当?」
ん~、確かに簡単ではあるが、今それを知って何になるのか。
ちなみにテキストはそれほど専門的な感じでもなく、非常にチープなイラストが添えられているあたり、大して売れている本でもないし大手出版社でもないだろう。
しかしこのおっさん、読むの超遅い。
ともあれ、本の汚れ具合、イラストのテイスト、この小見出しを見ると、多分この本自体は古いだろうと推察。
それは次のページにようやくたどり着いた時に確信につながる。
「MDは広がっていくの?」
もう終わったよ!と思わず突っ込みたくなってしまったが、先にも触れたように時代はもはやストリーミングである。
あんなものにせっせと音楽をぶち込む時代はとうの昔に終わっているのである。
今後もっと普及して行きます、というような旨で締めくくられていたが、確かに一世風靡したとは思うが、もう少し頑張れる予定ではなかっただろうか。
実際iPodが出てこなければ、もう少し長生きしていたかもしれないとは思うがね。
時代は残酷だ。
そのページを読み終えることなく、おっさんは本を閉じて電車を降りて行ったので、結局その本全体のテーマがなんだったのかはわからないし、ましてなぜこの人があんな本をあえて読んでいたのかは永遠の謎である。
しかし、そうはいっても図らずもあの頃の思い出を思いこさせてくれるとは。
すっかり淘汰されたMDだが、最近カセットテープが一部マニアに支持されているように、いつの日か蘇る日がまた来るのだろうか。
ただ、人間というのはアナログは好きだがデジタルは最終的に好まない習性がある。
かのMy Bloody Valentineも、アナログテープでのリマスターLPをわざわざリリースしたらしいし。
スタジオにこもっているのでてっきり新作でも作っているのかと思ったら、またリマスターをせっせと作っていたという。
彼は間違いなく変人であると思う。
それはともかく、地続きだとあまり気にかけないけど、ふと振り返ると時代の変化を大きく感じるものだ。
考えてみれば携帯電話だって、いまやスマホが当たり前の時代だけど、私が大学の頃初めて買ったPCよりもはるかにスペックは高いしね。
改めて振り返れば、自分が大学時代から今に至るたかが10年かそこらだよ。
そういえば、私は大学1年の最初の実験レポートはグラフを含めて全て手書きで提出して、先生に驚かれたな。
「次回からはパソコンで作ってもらっていい?」と言われたので、友達にワードとエクセルの基本操作を教えてもらったものだ。
そんな私が今ではネット業界に籍を置いているんだから、どうなるかほんとわからないよね。
まあ、流石にプロダクトに関わっているわけではないけどね。
この時点だからこそ、あえて過去の最先端を紹介した本を読むのは、結構面白いかもしれないね。
この頃はこんなこと考えてたんだとか、そんなところがすごかったんだ、なんてことを見てみるのも意外な発見があるかもしれないし。
朝のおっさんも、きっとそんな気分だったに違いない、かな。