音楽放談 pt.2

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小休止163「パンチライン」

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最近またジョジョを読んでいる。
 
スマホアプリで無料で読んでいたんだけど、それだとどうしても進捗が遅く、つい我慢できずに昨日は第5部の文庫版を丸っと買ってきてしまった。
 
コミックスは全巻持っているんだけど、第5部までは実家にあるのである。
 
6部以降は全て今の家にあるんだけど、なんだかんだ好きなシリーズは前半の方が多いのだ。
 
やっぱり3部は鉄板だし、4部も味わい深い。
 
5部のスタイリッシュさとダーティな感じもとても好きだ。
 
どうしてもスタンドのキャッチーさとビジュアル的なかっこよさから、それ以前の1部2部はあんまり。。。と昔は思っていたが、改めて読むとやっぱり面白いのである。
 
時代的なものをやや感じる絵柄だが、実にウィットにも富んでいるし、勢いもあるし、バトルシーンも面白い。
 
やっぱりこの漫画はとても魅力的だ。
 
 
そんなジョジョといえば、注目の一つがその台詞である。
 
作者の荒木さんの哲学も反映されているであろうその人生訓にあふれた台詞はまさに名言満載で、人によって選ぶものはそれぞれだろうし、どれが一番なんて決めかねるほどに溢れかえっているわけだが、その中で個人的に実に印象的でシーン含めて大好きなのは、第5部のブチャラティvsプロシュート(このバトル自体が名作だ!)の中でのブチャラティの一言。
 
「覚悟はいいか?俺はできてる」
 
このセリフとシーンには痺れたね。
 
人が100%の力を発揮するために必要なものは、度胸でも勇気でもなく覚悟だと思っているので、まさにそれを表すようなこのシーンは大好きですね。
 
ブチャラティもプロシュートもかっこいいしな。
 
 
さて、音楽を聴いていても印象的な歌詞ってあって、それが響くからずっと好きいうものあるし逆もしかりだろう。
 
ヒップホップではパンチラインと呼んで明確に重要なポイントとして評価される。
 
言葉が重要な音楽だし、情報量も他のジャンルと比べて多いから、よりその中で際立たせる一節というのが重要視されるのだろう。
 
今日は個人的に印象的だった歌詞をいくつか挙げてみよう。
 
 
まずはこちら。
 
[ Try save myself, but myself keep slipping away ](自分を救おうとするけど、自分は逃げ続ける)
by Nine Inch Nails "Into The Void"
 
私がNINを熱心に聞くようになったきっかけの曲である。
 
大学受験の頃に勉強が嫌になって逃避している時に、当時聴き始めだったこのアルバムの歌詞を見ていたんだけど、その時に刺さったのがこの曲だったんですね。
 
全体としても当時の自分の状況にいかにもハマったような感覚があって、半ば自虐的な気分でこの曲を聞いていた。
 
そのおかげ、かどうかはわからないが、大学は第1志望に受かって今に至るんだけど、今でもたまにこの曲が頭の中に流れてくる。
 
幸いトラウマ的な思い出にはならず、むしろ私にとっては一つの勇気をくれた1曲といってもいいだろう。
 
それにしても、NINの曲で勇気って、と多くの人は思うかもしれないが、世の中にはいろんな人がいるのである。
 
 
続いてはこちら。
 
[ 恋人のことも本当にはわからない、友達のことも本当にはわからない、同じ世界に住む誰のこともわからない、もつれ合い溢れ出す憎しみと愛]
 
by アナログフィシュ”City OF Symphony”
 
このブログではしょっちゅう登場しているこの曲だけど、自分にとっての人生観とか人間観とか、そういうものを本当に見事に表現してくれたなといつも思う。
 
曲を聴いて貰えばわかると思うけど、だからこの世は空虚なんだなんていうシニカルなメッセージじゃなくて、だからこそ大切にするべきことや、愛おしいと思えることがあるというのが肝だと思っている。
 
同じであること、分かり合えることを前提とするからややこしくなるんだ。
 
大切なのは互いに受け入れることだと思うよ。
 
 
続いてもよく言及しているこの曲。
 
[ お前の力はお前自身で確かめろ。お前のための時代ならお前が変えろ。 ]
by The Blue Herb "時代は変わる pt.1"
 
甘ったれたことばかり言っているやつらに叩きつけたい1曲でもある。
 
文句ばかり言うくせに他力本願な奴は大嫌いで、今の会社でも前の会社でも、必ずそう言う奴はいたからずっと突き上げてやったな。
 
実際私は仕事では余計なことは言わないし、なんの前評判もない環境から初めて全部結果で認めさせてきたから、この曲の哲学はまさに自分にマッチしたんですね。
 
 
続いては90年代のアンセムから。
 
[ 俺は俺自身でなけりゃいけない、ほかの誰かにはなれないんだから ]
 
by OASIS "Supersonic"
 
ライブ映像があったから貼って見たが、みんな若いな。
 
当たり前か。
 
ふてぶてしさ満載のリアムのヴォーカルによって歌われることでよりドカンと腰が座るような印象的である。
 
人生の始まりは自分を受け入れることから始まると思っているんだけど、それができれば怖いものなんてないぜ、というのは彼らを見ていると思うところでもある。
 
もっとも、今やリアムときたら・・・。
 
 
続いてこちら。
 
[  天ぷら お前だ 空っぽ ]
 
by The Staline "天ぷら"
 
この3語だけで構成される伝説のパンクソングだ。
 
見た目ばかり豪奢に着飾る上っ面野郎を相手に是非叩きつけておきたい1曲だ。
 
中学、高校時代にオーケンのエッセーでその存在を知ったんだけど、そこでも言及されており、短い言葉の中でしっかりと意味を持っているというこれぞというパンクソングだ!みたいな紹介のされ方をしていて、そのせいで私のパンクロック観、ひいては言語的な価値観までも影響されてしまった。
 
まだウブだったんですね。
 
一歩間違うとただの抽象的な言葉になってしまうんだけど、キャッチコピー的に状況をまとめる能力は、そのおかげでついたと思っている。
 
と言ってこのブログの記事はすべからくべらぼうに長いわけだが・・・。
 
 
続いてはこちら。
 
[ なんにでもなれそうな気がしてるのさ、なんにでもなりたいと思ってないのに ]
 
by Analoghinto "Grafity"
 
アナログフィッシュとHINTOのコラボシングルとしてリリースされた楽曲で、同じ歌詞、メロディで異なるアレンジで展開される意味でも面白い作品。
 
思春期のむやみな万能感と、それをどこへぶつけていいかわからない懊悩が表現されているような一節だと思っているんだけど、全体としてはとてもポジティブなフィーリングな曲である。
 
アナログフィッシュ、ヒントそれぞれのヴァージョンで収録されているんだけど、私はアナログフィッシュバージョンの方がさりげなさと、歌う健太郎さんの声と曲の世界観が非常にマッチしていて好きだ。
 
もっともヒントverの方がサビが明確にされていて、聴きやすさはあるかもしれないね。
 
それぞれのバンドの特徴も出ているから面白い作品である。
 
 
続いてはちょっと毛色を変えてこんな曲を。
 
[ 私にとってとても不幸なのは、昔とても幸せだったことでしょう ]
 
by スムルール "冬色ガール"
 
失恋直後の切なさの溢れる歌詞と、それに反して明るい曲調が実に素晴らしいバランスだ。
 
一時この曲がずっと頭の中になっていたな・・・。
 
この一節は曲の冒頭なんだけど、それだけで掴みはOKだ。
 
全体にわかりやすいポップな楽曲を多く持つバンドだが、残念ながら商業的に成功したかといえばそうでもなかった。
 
ヴォーカルの人の体調不良もあって今は活動休止中だ。
 
 
次もまた毛色を変えてこの曲から。
 
[ 息を吐くほど、年をとるほど、君を知っていくんでしょう ]
 
by Yogee New Wave "How Do You Feel ?"
 
曲自体もとてもいいのだけど、歌詞もどこか遠くいる誰かに当てた手紙のような書き方になっているんだけど、そこに非常にぬくもりというか、愛情というか、そんなものが漂っていて、実は挙げた一節の後の歌詞の方がパンチラインだと思うんだけど、そこは是非実際に聴いてチェックしてみてほしい。
 
彼らの肩の力の抜けた歌声や浮遊観のある演奏も相まって、実に素晴らしい。
 
この曲を夏の夕暮れ時に、静かな場所で聴きなら酒とか飲みたいなと思う。
 
 
と、まだまだ印象的な歌詞はいくらでもあるし、こんなもので事足りるとは思っていない。
 
いい曲の条件、というよりは、自分にとって意味のある曲ってやっぱり言葉の要素は大きいのである。
 
洋楽でも歌詞を読み込むことで味わいはますし、日本語の曲なら言い方ひとつでも伝わり方も変わるから、好きなアーティストにはきっと自分の中の何かに共振するものがあるはずである。
 
そんなことを考えながら聴くのも、歌のある音楽の楽しさである。