音楽放談 pt.2

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a life is worth living -Maximo Park

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何に価値があって何に価値がないかは人それぞれだし、国や時代、文化によっても違うだろう。
 
それらも含めて価値観というものは醸成されるわけだから、当然としてば当然か。
 
他人と話をしていて面白い瞬間は、そうしたいろんな価値観に触れることが一つあげられる。
 
私にとって大切だと思うものが他人にとっても大切であることは少ないし、私にとって価値があるものが他人にとっても価値があることはもっと少ない。
 
もちろん視点を変えれば同じような目線であることはしばしばあるけど、そういう考え方自体あまり受け入れられにくいため、結果違うと断じられることの方が多いのが実際だけど。
 
 
私が好きな歌の歌詞のジャンルで、最近改めて思ったのはそうした価値観に紐づくようなものであるということだ。
 
まあ、どんな歌詞でもそうした価値観はすべからく反映されるものだと思うから、その意味では全て何かしらの価値観に紐づいているとも言えるわけで、今更そこだけを切り出すこともナンセンスかもしれないが。
 
ともあれ、自分の中でなぜか不意に思い出す曲や歌詞の一節というのがあって、それってなんでだろうかと思うわけだが、その理由を自分なりに考えていくと、普段何気ない瞬間に感じていることや、何かしらの価値判断をしている時に思い出すことが多いから、多分自分の何かしらの価値観のところに紐づいて感じられるんだろうなと考えるわけである。
 
 
で、そんなふとした拍子に思い出される歌詞の一つが、Maximo Parkの2ndアルバム『Our Earthly Pleasures』の1曲目に収録されている"Girls Who Play Guiter"の「a life is worth living」というもの。
 
生きる価値のある人生、という訳になるけど、この言葉がふと思い出されることがある。
 
歌詞の全体を見ていくと、主人公はある女の子で、ギターを引いたり、バーで飲んで酔っ払って、たまに怒ってみたいと、その暮らしぶりはいってしまえば特になんということもない。
 
イギリスの普通の若者の暮らしぶりってこうなのだろうか。
 
そんな彼女の人生を指して「生きる価値のある人生」と歌うわけである。
 
 
このアルバムでは他にも印象的な一節があり、終盤に収録されている”Nosebleed”という曲のサビ前の
「He changed looks for you, but you changed your life for him」というものである。
 
この曲の歌詞の全体としては、何かに打ちひしがれるこれまた女の子を見ながら、君をそんなにしたのは誰なんだ?みたいな哀れみを持った視点で歌われるのだけど、恋愛とか人間関係についても見られる難しさみたいなものを感じるのである。
 
私は自分を変えられないので、服装すら相手に合わせて変えることはできないけど、世の中には必死に誰かに合わせようと腐心する人は少なくない。
 
それは決して悪いことだと思わない、むしろ私のような人間にとってはありがたいと思うところもある。
 
反面、そうして相手に合わせてばかりではそのうち息苦しくなるし、その関係が終わった瞬間にその人に残るものってなんだろうかと考えた時に、なんだか切なくなるのである。
 
まあ、変わらない奴はいつまでも変わらないから、擬似的にでも変わってみる方が結果得るものがあるのかもしれないけど、それが誰かのためすぎると、その瞬間に見失ってしまわないかと思うわけである。
 
 
最近考えることが何かとウェットで悩んでいることの方が多いから、ついそうした歌詞や曲に耳が惹かれてしまうんだけど、一方で視点を変えて見るとまた違ったものを感じることもある。
 
日本ではイマイチ人気のない彼らだが、私は1stの頃から好きで、新譜が出ればちゃんとリアルタイムに聴いている。
 
シングルのカップリング曲はDLで買って、自分で編集して聴いているくらいだ。
 
このバンドの何がそんなに好きなのかと考えるわけだが、一つは音楽的なところ、メロディーや言葉のリズムが気持ちいいので、それはまず大きい。
 
そして次に大きいのが、彼らの曲の背景にある肯定感みたいなものかもしれないと思うわけだ。
 
アルバムにより歌詞のテーマなどは異なるにしろ、日常の何気なさとか、日陰にいるような景色を拾ってきて、それを憐れむのではなく光をあてるような視点があると感じるのである。
 
私は根本は性善説者なので、人に騙されないように気をつけて生きているわけだが、ともあれそうした精神性がつい響いてしまうのかもしれない。
 
 
否定ばかりしても楽しくないから、できれば健全な肯定をできる人生でありたいよね。
 
"Girls Who Play Guiter"