友達は少ない。
彼女もいない。
人見知りなので特定の人としか話さない。
高校時代からそう言う傾向は顕著になり、まあ青春時代は暗かった。
一応部活をやっていたんだけど、そこでだけは、自分でいられたの...。
まあそれはともかく、そうして内なる世界を広げてゆく過程において、重要な意味を持ったバンドの一つが、去年再結成された筋肉少女帯である。
もともと大槻ケンヂは好きで、エッセイや小説なんかを読んでいたんだけど、その中でせっかくなので、と筋少を聞くようになった。
自分が高校の頃にはすでに活動休止しており、オーケンは特撮というバンドをやっていたね。
で、聴いたことのある人ならわかると思うけど、筋少の音楽はハードでメロディアスでありながら、その詞世界はめちゃくちゃ暗い。
自分が最初に聴いたのは、画像にも載せた「レティクル座妄想」である。
このアルバム中でも、過剰な自意識とコンプレックスを歌った"蜘蛛の糸"は、当時の心に、突き刺さったな。
「最近どうもみんなが僕を笑っている気がする」というあたりがまあ、来たね。
その他にも非常にトラウマティックな歌詞が、当時の自分にはドンはまりであった。
今聞くと少し痛い、そんあアルバムである。
ところで、筋少といえば、先日武道館ライヴをやり、大盛況であったようだ。
自分は行かなかった。
何故か。
結構磨り減っていて気力が完全になかったのだ。
そんなときこそ行くべきであったのに。
ともあれ、そんな青春の思い出と、いまだに引きずる過剰な自意識とコンプレックスを刺激する、そんな音楽である。
もし彼らに出会っていなければ、自分の人生はもう少し違っていたかもしれない。
暗い音楽が人生を肯定してくれているように響くこともあるのである。