音楽放談 pt.2

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時代を作る ―Klaxons

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今年は実に充実の新作が出そろっている。

Vampire Weekend、These New Puritans、LCD Soundsystem、!!!、Foals、Liars、そしてBroken Social Sceneと、いずれも力作どころか傑作ばかりを出してくる。

トレントも新ユニットで音源を出してるしね。

日本人でいえば、AA=の2ndだろうか。

あとは友人に借りたGARIの新譜が個人的に非常に良かった。

まだまだ一年の半分を過ぎただけなのにこのペースは困ったものだ。

8月にはArcade Fireも出すみたいだし、Maximo Parkもリミックス盤だが出すし。

また、麗しのCharlotte Hatherleyも年内にEPを出すらしい事がアナウンスされている。

相変わらずNine Black AlpsはCDが出る気配がないが、ともあれ次から次へとありがたい事だ。


そんな中、出る出ると言われ続けて気がついたら随分経ってしまったが、今年ようやくリリースが決定したのがKlaxonsである。

デビュー盤はリリース当初は世界的に色物的な扱いであったが、年末を迎える頃にはすっかり評価が一変していた訳であるが、当時日本の某音楽誌のみ彼等を猛プッシュしまくっていたのが早懐かしい。

たしか去年の段階ですでに新譜は一度完成したのだが、彼等の事情によりお蔵入り、再度一から作りなおして、ようやく完成したそうだ。

今回はロス・ロビンソン(だっけ、コーンとかの人だ)と組んで、評価はかなり高いようだが、果たして。


Klaxonsといえば、ニューレイヴというタームでもって自らを定義づけた事でも話題になった。

当時は既にレイヴと言う文化が完全にアンダーグラウンド的な、というかアウトオブデイトだったそうだが、彼等のこの働きかけ(?)により、ちょっとしたムーヴメントのようになった。

Justice とかDigitalismなんかもこの文脈であったし(音楽性はあんまり関係ないのがムーヴメントというものである)Hadouken!もその一派と見なされていた。

他にもShitdiscoとかもいたんだけど、大半は今や何処で何する人ぞ、と言う状態である。

その台風の目にいたのが彼等なのだが、その景気となった1stは、今聴いても十分楽しめるし、そもそもレイヴと言うものを普段聴かない私のようなものにはなかなかピンと来ない部分はあるが、どちらかと言えばギターの音が耳に入ってくる。

当時確か本人たちも、ギターロックだよ、みたいな発言があった気がするが、ライヴで観てもいわゆるレイヴ的なイメージとは異なる。

だからこそニューレイヴなのかもしれないけど。


音楽自体は非常にジャンク感覚あふれる何とも奇妙な音楽だった。

だけど、至極ポップであり、一本調子でないためにアルバムとして聴いても楽しめる。

シングルカットされた曲などは申し分ないし。

ライヴでも定番の"Atlantis to Interzone"なんかはイントロから一気に上がるから。

彼等のデビュー年のサマソニで初めて観たのであるが、そのときのこの曲の盛り上がりはすごかった。

その日は他にも良いアクトが出ていたし、ライヴの出来では圧倒的にLCDの方が上だった。

だけど、一瞬の爆発という意味では彼等は圧倒的だったな。

ジェイミーはたしか足を怪我していたので、車いすで出演したのだが、それでもよく動き回っていたし。

とにかく無邪気な印象だったな。


彼等はポップミュージックを作る、と言う事に非常に強くこだわっている。

人を楽しませる事、人に何が与えれるかを大事にする、と言っている。

実際、彼等はリアーナと"Umbrella"を共演したり、いわゆるポップアーティストとも積極的にコラボしている。

Block Partyのケリーとは若干もめていたみたいだが(ほとんどケリーの因縁のような形らしいが)、基本的には友達も多いらしくそういうところからも彼等の音楽が割とナチュラルにそういう指向性を持っていると言う事がわかる気がする。

2ndについては音楽的な新機軸はないらしい。

しかし、本人たちも言っているが、むしろ毎回新機軸がないといけないという風潮自体がちょっとどうなの、という部分もある。

それこそ現代最高のバンドはRadioheadで、彼等は毎回アルバムごとに新機軸を打ち出してくる。

従って、最高たるには変化してなきゃ、みたいな。

それは難しいことだから、それが出来るレディへやっぱり最高、みたいな。

それってやはり変な話で、別に音楽性自体が発明となっているようなバンドに取ってはその発明品を研ぎすます事が悪い事な訳はないし、むしろ普通である。

レディへは確かにすごいけど、全部が全部レディへである必要はない。

同じ事ばかり繰り返すのは確かに退屈だが、そんな奴はアーティストと呼ばれる連中の中にははなからいないだろう。


ともあれ、何が言いたいのかさっぱりわからなくなってしまったが、Klaxonsの2ndは楽しみである。

1夜限りのスペシャルギグは発売当日にソールドアウトしたようだ。

去年のサマソニでのライヴと良い、根強いファンベースは揺るぎないし、それだけ彼等の1stは素晴らしかった、ということの裏返しでもあろう。