音楽放談 pt.2

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冷めた空間のBGM ーAphex Twin

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寒いですね。

今年は暖冬と言う予報もかつてはあったが、蓋を開けてみたら実に寒い。

私は南関東にほど近いところに住んでいるのだが、数日前に降った雪は未だに溶けきらず道ばたに固まっている。

雪の風景をいいと思えるのは振っている最中とその後半日と言ったところか。

なんだか年々寒くなって行くように感じるのは年を取ったせいだろうか。

もうじき高校生と10歳も離れる年齢になると思うと、さすがに凹む。

私事ながら、来月引っ越しをする事にしたのだが、考えてみたら今の家に来たのは大学に入ってから、つまり高校を卒業してからずっとで、実に8年の月日が流れている訳である。

そりゃ年もとるさ。

なんだかしみじみしながら部屋の片付ける土日が続く。


さて、こんな冬には敢えて騒がしい音楽を聴こうとはなかなか思わない。

むしろ冷たい肌触りの音楽が気持ちよかったりする。

アンビエント系、テクノ系エレクトロニカ系、ポストロック系などが概ねそこに該当するだろう。

Massive AttackBoards Of CanadaTortoiseなんかを好んで聴いているのだが、その仲間として私の中で入ってくるのは、御大Aphex Twinである。

彼のキャリアの中でもとりわけ1stの「Selected Ambient Works」は実にハマる。


リリースされたのは92年という訳で、既に20年も前である。

私がまだ小学生の頃になるのだけど、このアルバムは当時テクノという音楽に置ける一つの革命と位置づけられていたようだ。

テクノと言えば、Kraftwarkのようなポップなダンスミュージックというのが一般的なイメージだったとか。

ところが、このアルバムと来たら全く踊れないのである。

なにせ冷たく、静かで、なんだか不安げなビートが耳を覆うのである。

これを聴いていると抜群に頭が冴え渡るような感覚がするので、夜には好んで聴いてる。

不思議とくらい感じはしないんだけど、この冷たさが心地良いですね。


ところでAphex Twinといえば、以前にも一度記事にも書いた「Come To Daddy」おジャケットのような非常に悪趣味な側面がある一方で、このアルバムのジャケットのようなシンプルでスタイリッシュな一面もあり、実に独特である。

ある種人間の暗部をさらけ出すような部分も在るので、実に興味深い。

一昨年だかのサマソニでは久しぶりの来日公演があった訳だが、そのときも背景ではスクリーンで様々な映像を同機させていたのだが、初めは悪ふざけのように自分の顔をコラージュした奇妙な映像だったのだが、終盤は戦争の血まみれの映像や、整形の映像かなんかも差し込んでおり、はじめはけらけら笑いながら観ていた聴衆が終盤にはすっかり黙ってしまったのが実に印象的だった。

一言で言って悪趣味なのである。


こんな悪趣味な男の作る音楽なので、聴いていて楽しくない人は全く楽しくないだろうと思う。

どう考えても万人受けする音楽ではないし、ハイにさせてくれる音楽でもない。

でも、こんな季節に聴くにはこういう温度の冷たい音楽も悪くない。

むしろこんな音楽の手伝いを借りて、寒さに同化してみては、いかがだろうか。

・・・人に者を奨めるのは難しいな。