人は見た目が9割、という本が一昔前に流行った。
私は内容は読んでいないけど、第1印象って大事とか、内面が表に出てくる、みたいな話しだったような気がする。
いかにも外見至上主義的な受け取られ方をされていたけど、その視点は批判的なところに依拠している。
そう、人は見た目で判断するくせに自分がそうされる事をよしとしないし、そういう傾向の強い人は概して見た目に自身がないのみならず、残念ながらさして美しく、あるいはかっこ良くもない人が多い。
人の価値はそんな事では決まらないと言ったところで、じゃあどちらか選べるなら当然良い方を選ぶに決まっている。
残念ながら現実は残酷で、みんなの憧れるようなヴィジュアルで持って生まれてくる方が稀である。
だからこそアイドルがもてはやされる訳だが。
まあ、そうかと言ってその他大勢が不細工でしかないかと言えばそれはそれで美男美女と同じくらい実は少なくて、ほとんどは普通としかいいようのない無難な造形である。
正規分布というのはどの世界にも通用する法則である。
音楽の世界でも、やっぱり外見に可愛い、綺麗なこの方が注目されやすい。
全く同じ曲だったとしても可愛い事そうでない子であれば、そりゃ可愛いこの歌っている方を観に行くに決まっている。
もうそれは仕方のない事だ。
こうして女の子の事ばかり言及すると、「すぐ男はそうやって・・・」とかいう女があるが、別に男に置き換えれば積極的に観るなら不細工よりもイケメンだろう。
もうそれは仕方のない事なのだ。
とはいえ、見た目に良い方が広く受け入れられやすいとはいえ、深く入り込みやすいかと言えば必ずしもそうではない。
そこから先はまた違うものを観るようになるから世の中はちゃんと回るのである。
さて、大仰な事を述べてみたが、そんなヴィジュアルが故に日本でもにわかに話題になったのがComputer Magicという名義で活動している女の子。
いわゆる宅録で自分一人で作った曲をネットなんかにアップしていたところから話題になり、プレデビュー的に音源を発表。
ここ日本でも注目され、パナソニックのCMに曲が使われる事に。
水原希子を使ってかなりコンセプトを固めたCMだったので、多分みんな観た事あるはずである。
駅のポスターでもめちゃくちゃ水原希子だったからな。
ちなみに今はキューピーのCMに使われている。
そこから地上波にも一部紹介されるようになったのだが、その理由は何よりこの子がかわいかったからだろう。
ちなみにこんな感じ。
私もCD屋か雑誌かで見かけたのだけど、おやかわいい子がいる、と思い目どまりした。
ちょうどプレデビュー盤的な『Scientific Experience』がリリースされた当時だったけど、あちこちでポップが出ていたし、雑誌でも出てきていた。
音楽的な浮遊感のあるテクノで、ややドリーミーポップ的な色が強く、全て打ち込みで作られておりややチープな音触りではあるが、ポップな楽曲で売れるポテンシャルはそこそこあっただろう。
その後昨年夏頃だったと思うけど、本格デビューとてアルバムを出したのだけど、そこで大々的にキャンペーン。
テレビでも紹介されることになり、日本での初ワンマンも決定、となった訳であるが、ふたを開けてみたら思ったほど弾けなかったというのが実際だっただろう。
結局ワンマンだったはずが日本のインディ系アーティストが多数ゲスト出演、それはそれで異国間交流で良い事だし、むしろレーベルとしてもそういう機会を持って逆に海外で日本のアーティストを売り出す際の足場にもしたかもしれない。
ただ、肝心のライブチケットはどうだったのかあまりわからないが、ソールドアウトの報は聴かなかったので、存外苦戦したのかもしれない。
私はアルバムが出るちょっと前にようやくプレ盤を買って聴いたのだけど、率直な感想としては悪くはない、というもの。
大人しい音楽もドリームポップもシンセ音楽も聴くけど、なんか物足りないというか。
ポップはポップだし、全然悪くはないんだよ。
でも、もう一癖あっても良かったのではないかと言う感じ。
そういう意味では日本でCMに使われるのはわかるし、ちょっとオシャレ感醸し出したい女の子らにはより受け入れやすいかもしれない。
ただコアなリスナーに訴求するにはパンチが足りないし、大きく打ち出すには派手さが足りない。
数回聴いてもういいかな、となってしまったのが正直なところである。
1stについては聴いていていないのでどんな感じかわからないけど、今の状況を見ているとあの爆押しに答えられる内容ではなかったのかもしれないね。
また中古で安くなったら聴いてみよう。
いやしかし、それでもやっぱりかわいい子はつい観てしまう。
電車に乗っていても、向きの席や隣にかわいい子や綺麗な人が来ると嬉しくなるもの。
何故か私の周りにはおっさんばかりが集まってくるのが本当に不思議なのだけど、ともあれビジュアルから興味が始っても、そこから入り込んでくるアーティストに出会う機会に恵まれれば、それも一つの幸福である。
"Runnning"