音楽放談 pt.2

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音をサイエンス ―Dear Science

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う~む、そういえばマキシモらのプロデューサーは、ポール・エプワースという人だった気がする。

と、言うわけで、前回に引き続きTV on the Radioについて。

前回は1st、今回は3rd、つまり最新作である。

2ndは飛ばしてしまっているが、1stを深化させたような内容で、1st以上に聴く人を選ぶようなアルバムだったんじゃなかろうかと思う。

もっとこゆいのである。


で、3rd。

なんだかんだで全て聞いているあたり、実は不思議と好きみたいである。

前2作がこゆい内容であったが、3rdは発売前のインタビューなんかでもかなり聞きやすくなる、といった感じであったので、どないやねん?と思っていたのであるが・・・。

事実聴きやすかった。

曰く「ダンサブルなアルバム」という言葉通り、のっけからかなりアッパーな曲である。

なんか陽気なコーラスから始まって、歌部分は静かなものである。


で、2曲目は逆に曲は静かめなんだけど、ヴォーカルが結構気持ちよく歌っているし、サビの部分での盛り上がりも今までにない感じ

彼らはこんなに陽性な音楽であっただろうか。

ギターのテロレレロ、見たいなのも好きである。

彼らはミュージシャンのつても多いようで、結構ホーンなんかを導入しているんだけど、以前まではドローンな雰囲気をかもしていような感じであったが、今回はむしろ祝祭的ですらある。

おめでたい、て意味じゃないよ。


続く3曲目は早口でラップ調のヴォーカルが耳を引く。

要所要所に入るハンドクラップも非常に効果的に機能している。

これはライヴで確実にみんなやるだろう。

ホーンも曲を盛り上げるのに、特に終盤では非常に貢献している。

シングルにもなっている"Golden Age"は、割とTVOTR的なポップという雰囲気の強い曲であるように思う。

ベースやドラムなんかはかなり淡々としているんだけど、サビの部分に入るとホーンやギターなんかも入ってきて、一気に盛り上がりを増す展開は、確かにもっともシングル向きかもとは思う。


と、全体的にアップテンポな曲が続くのだが、これらの曲の中で唯一とも言うべきスローバラッド"Family Tree"は、このアルバム中一番好きな曲かもしれない。

ろうそくの火だけを明かりとするような、ぼんやりとした、でも温かな雰囲気に包み込まれるようで、聴いていてすごく心地よい。

全体的に楽しげな空気が通っているだけに、この曲の少し違う雰囲気が余計に際立つのである。


その後は再び曲はアップテンポに展開してゆく傾向にある。

前作までであれば、終盤ほどドローンな雰囲気を醸す傾向あるが、今作は最後までダンサブル路線を貫いている。

このアルバムは、彼らの聴きやすい、わかりやすい部分を前面に出したようなアルバムである。

彼らの過去のアルバムにおいても、前作"Wolf Like Me"なんかはかなり好きな曲なんだけど、そういうエキスをバンバンに注いだような楽曲群は、正直びっくりする。

こいつら、わかりやすい曲もこんなにかけるのか、と(偉そうに...)。

それでいて決して安っぽくないし、安易でもない。

はっきりってわかっている人たちの作ったアルバムであるといえる。


過去の作品は、あるとき不意に聞こうという気持ちにさせられるような感じであったが、今作は素直にもう一回聞こう、という気になる。

そう言う意味でも、彼らを最初に聴くのであればこれが一番いいように思う。

その上で、よりディープな世界観に浸りたいときに過去に遡ってゆくのがよいのではないか。

まあ、2ndは一番最後にたどり着けばいいのではないか、というのが個人的な感想である。


それにしても、やっぱり才能のある人、ていうのは、結構全般にその能力はわたるのだね。

もっとも、プロデューサーとしての高い資質があるのだから、それだけ状況を性格に捕らえる能力にも長けているのだろう。

D・シーテックは、Foalsにプロデュースを以来されたとき、彼らに「普通のヒットアルバムが作りたいのなら他へ行け」といったそうだ。

その言葉に表れているように、おそらく単純にヒットする楽曲を作ることも、やろうと思えば出来てしまうのであろうと思う。

それをせず、あくまで音楽的な質を高く維持したままで、俺でもなお多くの人に届きうるポップを作る、というのが彼らの評価される所以なのかもしれない。

まあ、万人に勧める気はないけど、少しでも興味があればぜひ聴いてみるとよいと思うよ。