音楽放談 pt.2

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バンドの多様性の訳 ―Will Butler

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この頃日本のバンドの音楽をよく聴いてる気がする。

特に意識している訳じゃないけど、なんでだろうね。

日本にもいいバンドはたくさんいるから、単に色んなところにまたベクトルが向いているということだろう。

実際これまで聴いてこなかったバンドも色々聴いているのだけど、いいバンド多いのですよね。

とはいえ、不思議と売れているバンド達はポップで楽しい音楽が多いけど、今一ピンとこないのが多い。

ゲスとか、きのこ帝国とか、友達から貰って聴いたけど、なんかピンと来ないのだよな。

一方で下山とかOrgeとか、その辺りのややエクストリームな音楽は嵌ってしまう。

なんか精神性の問題なのだろうな。


さて、それはともかく洋楽も相変わらず聴いてはいるのだけど、こちらはこちらでやっぱりインディ色の強い音楽を好んで聴いている。

そんな中でも今やキングオブアメリカンインディといってもいいバンドがArcade Fireだろう。

グラミー賞も取っているし、大物アクトとの共演も話題、今やアメリカの代表と言ってもいいレベルのバンドである。

私も彼等は好きだし、2009年頃の単独公演はまさに彼等のすごさをまざまざと見せつけられて、本当にすごいライブだった。

それ以降単独公演はないのだけど、今やったらやっぱり埼玉とかになるのかと思うと、ちょうどいいタイミングで貴重なライブが観られたと思う。

新譜も軒並み高評価を獲得しているから、世間からの期待と注目に実力も伴ったバンドである。

ただ、個人的な好みとしては1stだったりするけどね。


で、Arcade Fireは大所帯のバンドだけど、キーマンはやはりヴォーカルでもあるWin Butlerだが、アレンジ、特にシンセについては弟のWillがやっているのだけど、その弟がソロを出したのですね。

バンドの音楽性は私の印象ではクラシックな楽団みたいな感じなのだけど、その中にあってシンセの要素は少し異色だと思っている。

そんな人がどんな音楽を作るのだろうかと思っていたのだけど、意外なほどのダンスミュージック、でもどこか独特のセンスが混じっていて、聴いて最初に思った印象は「この人は多分変な人だ」と言う事だった。

シングルカットされた曲をMVと共に聴いたのだけど、言われなければまさかArcade Fireのメンバーだとは思わないだろう。

バンドとは全く異なる音楽性で、非常に面白いよね。


こうしたバンドメンバーのソロ作品と言うのは別にそれ自体は珍しい訳でもないし、それこそサイドプロジェクトをやっている人もたくさんいるから、そんな作品は私もちょくちょく聴いているしね。

よくあるのはヴォーカリストのもので、Maximo ParkやStrokes、Nine Black Alpsも出しているしね。

Julian以外は割と真っ当というか、わかりやすいシンガーソングライター的な音楽で、才能ってすごいなと単純に思わせるものである。

Julianは、センスってすごいなって思わせる、まさに奇才って感じなんだよね。

で、一方でフロントマン以外のソロだと、Coralの弟とか、レッチリのジョンとか、Charlotte Hatheleyも1st時はそうか。

あまり表立っているポジションでない人が自身で作る音楽がどんなものかと言うのはフロントマンのそれより興味深いし、意外性の発見も多い。

Coralの弟みたいにバンドの音楽性を更に濃くしたようなものもあるけど、Willのアルバムは全くバンドとは違う感じだから、余計に面白いですね。


こういう色んなセンスを持った人たちが集まって作り上げる音楽と言うのは、所謂マジカルなんだろうね。

バンドの音楽の多様性もこういう要素に由来するんだろうね。

でも、そう考えるとRadioheadとかはかなり異常だよな。

Blurとかもそうかもしれないけど、圧倒的な才能が1人いる訳で。

もちろん彼等一人がすごいとは思わないけど、でも一人に詰まっている要素が尋常じゃないんだろうね。


ともあれ、こういうところまで食指を広げて行くと、やっぱり自分の中でも広がりが出来て面白い。

またあちこち広げていきたいね。