音楽放談 pt.2

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ロマンチスト ーThe Staline

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HMVで「スターリン」と検索したら、なぜかトップに来たのは月島きらりであった。

なんじゃこりゃ、と思ってよく見たらモーニング娘じゃないか。

そういえばこの子は独り立ちしたんだっけ?と思ったらこの間テレビに出てた。

オリコンで1位を獲得したそうだ。

良かったじゃないか、モー娘。

モー娘。って、一発で変換出ることに今すっごいびっくりした。


まあそれはいいんだけど、欲しかったのはスターリンである。

スターリン、知っているだろうか。

日本のハードコアシーンには欠かせないカリスマ、遠藤ミチロウの率いたバンドである。

過激なパフォーマンスの方が先に有名になったという逸話があるが、昔のハードコアシーンはとにかくむちゃくちゃだったとか。

今では信じられない。

ちなみに彼は、最前列の女性客にイチモツを銜えさせるなどといった破廉恥なこともしていた訳であるが、学園祭ライブで裸になったとき、わいせつ物陳列材で横浜県警だかに逮捕される、なんて事件も起こしている。

彼が裸になるのは茶飯事で、しかし学園祭ということもあり入念な注意をされたらしいが、まあ無理だろう。

しかし、そんなヒストリーも勲章のようなものである。

最高のネタだ。


さて、そんなスターリンであるが、音楽ははっきり言って抜群にかっこいい。

バンド名からも推察できようが、彼は社会主義共産主義を非常に強く批判している。

一方で、今も日本人の特性として顕著である傍観主義的な態度や、日和見主義的な態度にもその目を向ける。

”ロマンチスト”はまさに名曲で、カラオケに入っていることが多いのでよく唄うんだけど、この曲の歌詞は最高だね。

「吐き気がするほどロマンチックだね」という捻くれた感じが最高。

いわゆる~イストを徹底的にこき下ろしているのだが、上っ面だけをなぞって本質を見ようとしないような奴に対して唾を吐きかけるような攻撃性が最高。

流行とかにすぐ乗っかって、調子こいている奴に是非浴びせてやりたいね。

まあ、そういう奴にはこの曲のそういう部分は伝わらないだろうが。


このアルバムは後年でたベスト盤で、収録曲はもれなくかっこいい。

1曲目はINUのパロディ”ワルシャワの幻想”である。

「メシ喰わせろ」というギャグが素敵である。

あるいは”Stop Jap”における「おいらは悲しい日本人、西に東に文明乞食」というのもイカす。

どの曲もテンションが半端ではないので、こうも詰め込まれると途中で参っちゃう人もいるだろう。

しかし、これだけの熱量がベスト盤でも籠っているというのがすごい。

ちなみに彼らは、アメリカの超ハードコアバンド、Dead Kennedysのコンピレーションだかにも選ばれているという。

当時、まだ日本のロックの過渡期において、これはすごいことであると言う事実は、多分あまり伝わらないだろう。

どちらのバンドも、過激さの裏側には強かな知性がある。


私はみんながメロコアとか青春パンクとかいう意味不明なものにハマっていたときに、このスターリンにどんハマりしていた。

周りとの温度差が顕著になり始めた頃である。

友情だ青春だ純愛だなどといった空言に夢中になる連中が理解できなかった。

なんかたんなるお祭りを見ている気分だったな。

今にして思えば、単に鬱屈した、それも青春であったのである。

更に思えば、やっぱり素直に楽しんでおく方が後悔は少ない。

でも、当事者にとってはそれはアイデンティティの維持のためにもできないんだよね。


自分は他とは違うんだ!!とか、本気で思っていた10代。

今では違うつもりなくても浮いちゃう存在になっちゃいました。

どこに行ってもそうなのである。

大学でも、会社でも、変わり者としか言われない。

唯一バイト先では変わり者ばかりであったので、楽しかったな。

もっともそこでも変わり者を言われていたけど。


そんな青春の思い出もつまったこのアルバムは、しかしノスタルジーはない。

基本的な部分は当時から変わっておらず、そういう意味において私は間違っていなかったのだ、と思えるのである。

もっとも、あくまで自分の中では、と言う話であって、結局のところちょっとチャラくらいの方が青春時代は楽しいはずである。

妊娠させない程度に女の子とはやっておいた方がいいぞ!なんて、まあ半分は冗談だが、あんまり真面目に生きすぎると後世にいたるまで尾を引くことになる。

気をつけろ。


ともあれ、当時むちゃくちゃ激しくやりまくっていたミチロウ氏は、今はフォークギターで弾き語りをしている。

別にひよった訳ではなく、何か新しいことができないか、と自分の新しい表現を模索しているのだとか。

かっこいいな、かっこいい人はいつまでも。

そういうかっこいい年の取り方をしていきたいものである。