今日はレピッシュの単独へ。
ライブ自体人生で2回目で、しかも12年くらい前のサマソニのクロージングで出演した時以来だ。
元々そんなにライブ本数が多いわけでもない上、悉くタイミングも合わなかったり、気づいたらソールドアウトしてしまっていたりと、縁がなかった。
ちょうど前回のクラブチッタなんかそうですよ。
そんな中、今回はチケット先行で取れたので久方ぶりとなったわけだ。
私はこのバンドのリアルタイム世代ではない。
高校生の時に、当時オーケンのエッセイからバンドブーム期のバンドをあれこれ聴くようになったのだが、その時の一つであった。
聴いてみたけどピンと来なかったバンドも沢山あった中で、筋少、人間椅子とこのレピッシュはその後も長らく聴いている。
レピッシュはベースはスカパンクで、例のズッチャズッチャいうリズムが特徴的で、基本的にアッパーな曲が大半を占めている。
しかしファンク的だったりパンク的だったり時にはニューウェイブだったりガレージだったりサンバだったりと、様々な音楽を内包しており、ミクスチャーロックの先駆けのような存在なのである。
そうしたノリの良さも耳に楽しかったが、何よりその歌詞が当時の私の心情だったり価値観だったりにブッ刺さったのだ。
社会人になった今でも不意に頭の中にその曲が流れ出すくらい、私にとってはある状況だったり感情だったりと紐づいているんだろう。
さて、会場はZepp Shinjuku、歌舞伎町のど真ん中にある比較的新しい会場で、ライブフロア自体は音もいいし広くて段差も適宜配されており観やすいのだが、とにかく地下深くに降っていくので帰りがダルい。
それは仕方ないとして、客層はまさに彼らのリアルタイムからのファンという年季を感じる。
先日の筋肉少女帯と同世代のバンドだが、彼らほどフェスなどにも出ていないので新規獲得はオーガニック程度しかないのだろう。
それでもチケットはソールドアウトしているんだから大したものだ。
しかし、みんな元気だな。
ライブは時間通りに開始。
入場曲がオケでかかっている段階ですでに盛り上がっている。
今回セットリストは割と初期の曲も多く、内容的にはベスト的な内容だった。
割と早々に"Control"も披露され、客席もmagumiもジャンプしている。
私もこの曲は大好きなのでテンション上がるよね。
改めてライブで聴くと確かにスカ要素が1番大きいものの、それだけでないのがよくわかる。
"room"なんかも、私が最初に買った『Wonderbook』というアルバムのラストに収録された曲だが、そうしたスカとかパンクではないこれまた独特な曲で、歌詞もなんだが理想の世界を描こうとするような世界観で、聴いた当時から好きな曲であった。
中盤には"パヤパヤ"も演奏されたのだが、この曲も楽しくていいよね。
なんか社会人になった今だからこそ響くんだよ、レピッシュの曲は。
そしてファンク曲を集めたゾーンもあったのだけど、アルバム『Q』収録曲多め。
"混沌とした時代"なんかは本当に今の時代にも十分通用するだろ。
そして"Love Songs"、この曲大好きなんですよね。
彼ららしい皮肉たっぷりのリリックが本当に素晴らしい。
さすが人気曲らしく結構ライブでも定番曲らしい。
それにしても、この頃の曲ってそれこそレッチリ的なファンクでベースラインがめちゃくちゃかっこいい。
彼らはアーティスト支持も高いらしいが、トータルの作品性がやっぱり高いのよね。
今日は"歌姫"なかも演奏されたけど、この曲ってこんな演劇的な曲だったんだと思ったり。
高校生の頃はまだそんなにたくさんの音楽を聴いていたわけでもなかったから何気なく聴いていたけど、今こうして聴くと演劇的なのよね。
彼らはポコチン・ロックとか自分達で称しながら、ちょっとコミックバンドのようなイメージ訴求も結構多いようなんだけど、歌詞も音楽自体もめちゃくちゃクオリティ高いんだよ。
独特すぎるのだよ、だから時代に対して普遍性を持っているし、ライブで聴くとそれがすごく顕著に表現されるので、改めてそんなことを思ったんだが、それを作ったのはもう30年くらい前というのがすごいよな。
本当にもっと評価されていいバンドだと思うのだけどな。
ともあれ会場は大盛り上がり。
おっさんおばはんが元気いっぱいに遊び散らして、Magumiはクラウドサーフしてやってくるし。
マジで楽しかった。
アンコールはダブルであって、そこで"美代ちゃんのxxx"も演奏されたけど、この曲もいいんだよな。
スカというジャンル自体が非常に陽気な音楽なのはあるけど、そもそものバンドとしてのキャラクタなんだろうな。
上田現さんは残念ながら病で亡くなってしまい、ドラムの雪好さんも体調の問題で脱退している。
しかし他のメンバーは変わっておらず、Magumi、恭一さん、Tastuさんの3人をメンバーとして、あとはサポートでやっている。
この世代のバンドはこういうの多いよな。
そういう関係値も随所に感じるところだが、なかなかハードな状況に出会いながらもこうして音楽をやっている。
ちなみにMagumiはBack-Tickの櫻井さんとも仲がよかったらしく、その意味でもなかなかの心情だろう。
今日はBack-Tickから祝い花も届いていた。
バンドも35周年とからしいので、それだけあれば歴史もあるものだ。
そんなことは関係ないくらいずっと楽しいライブでしたね。
また音源も聴きなおそう。