音楽放談 pt.2

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アーティストはかくあるべし、か ―Liars

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うっかりしていたが、既にLiarsの新譜が出ていた。

いけない、私とした事が。

最近なにかと煩雑な事が多くてつい見落としていたが、これはさっさと買わないと。

今回は2枚組で、新譜とリミックス版がカップリングになっている。

そのリミックスをしている連中がクソ豪華である。

この人たちは思いのほか交友録が広いようだ。

かつてはカレン・Oとも親密だったりした訳であるが、まあそんなゴシップはどうでも良い。

ともあれ、これからまた色々と新譜も出される時期となってきたので、逐一チェックして行きたい。


もっとも、今回彼等の新譜をみすみす見過ごしていたのには、やはり雑誌での扱いは非常に影響があるだろう。

私は未だに紙媒体を愛して止まないのであるが、そこでは最近私が好んで聴く音楽は概ねインタビューもなければディスクレビューからも漏れている場合が少なくない。

Liarsの新譜も、確かどこも取り上げてなかった気がする。

かつてはポストパンリバイバルだなんだの動きの中で、NYという土地と共に注目を集めた彼等であるが、音楽性があまりにもコア向けになりすぎて、少しばかり敬遠されてしまったのであろうか。

実際「Drum Is Not Dead」というアルバムは、実に聴いていて心地よくないアルバムであった。

曲で観て行けばシングルでも行ける奴はあったけど、呪術的なムードがアルバム全体に漂っており、まず間違いなく売れないアルバムであった。

その次くらいにあたるはずのセルフタイトルアルバムは、個人的にはかなり大好きであった。

1曲目がとにかくかっこ良くて、彼等の他の音源にも手を出すきっかけにもなった。

もっとも、アルバム通して聴くと、やっぱりなんだか混沌として、ちょっと怖いムードがあったけど。


しかし、そんな彼等とて注目されたのには訳がある。

1stアルバムは、もっとポップでわかりやすく、ガレージリバイバルというか、ザラザラした音感が当時の状況の中でも浮く事はなかったし、むしろギザギザした荒っぽさが実に良く、曲はポップであったのでこれなら話題になるだろうと言える。

聴いてみると、粒ぞろいだしね。

しかし、それでもやはりバンドの本質は既にこの頃から見えていたといえるだろう。

1stのラストには、30分以上に及ぶトラックが収録されている。

アルバムの収録時間はおよそ1時間、つまり、アルバムの収録時間の半分はこの曲のために費やされているのである。

実際乗りの良い聴きやすい展開は前半20分かそこらで終了し、残るはひたすらドローンな30分、ほとんど展開しないミニマルと言うか、もはや嫌がらせとさえ思える。

はっきり言って30分ずっと聴いているのはさすがにしんどい。

ある意味Lou Reedの「Metal Machine Music」である。

もっともこっちの方が遥かに質が悪いけど。


ともあれ、バンドとしてはポップな曲を書く技量もあるし、やろうと思えばもっと売れる曲もいっぱい作れるだろう。

しかし、アルバムは枚数を重ねるごとにどんどん我が道を行く感じになっており、世間からは遠のいて行っているだろう。

それでも彼等は相も変わらずこういう曲をやり続けるんだろうね。

怖いものみたさも含めて、是非ライヴを観たいな。

サマソニ来ないかな、来ないか。