音楽放談 pt.2

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God Is Dead ―Hollywood

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今をときめくレディ・ガガの新作PVがアメリカで問題視されているとか。

レディ・ガガといえば、最近のJ-POPアーティスト、とりわけ女性の強さみたいのを表現しようと企図する連中がこぞってまねをしている人気者である。

アユやくーちゃん、黒木メイサ沢尻エリカにと、個人的には興味の欠片もない連中ばかりだ。

ネットの世界ではどの子も大人気みたいだが。

そういえば、一時流行ったテクノポップはアイドルとアニメのオタクの為の音楽になるつつあるね。

で、そのガガのビデオの何が問題か、といえば、十字架を口に入れたりとか、なんかそんな事をしている行為が神への冒涜だ、ということらしいのである。

私なんぞは無神論者、という訳ではないが、基本的に宗教は嫌いなので、その時点で理解できない部分もあるんだけど、ただ往々にしてそうしてすぐに神がどうの冒涜がどうのという連中ほど逆に神を冒涜する行為をしている場合が多い。

教会で神父に依る少女レイプが多いのはどういうわけだろうね。

それに、かつてニーチェが「神は死んだ」なんて言ったように、そいつらの崇拝する神とやらは単なる宗教を盾にした権力の事でしかない。

だから暴行するんでしょ。

その方がよほど冒涜ではないのか。

まして十字架にしろキリスト像にしろ、いずれも偶像でしかない。

そんなものを作り上げたのは神ではなく人間である。

神の声を聞いたと嘯いている連中であろう。

ひょっとしたらガガはキリスト教に対して否定的な見解を持っているかもしれず、その現れとして今回そういう行為をしたのかもしれない。

あるいは、むしろ敬虔だからこそ本質から逸脱する宗教行為を糾弾するためにこうした行為に出たのかもしれない。

いずれにしろ、いちいち問題視する側は、多分権力を笠に着たクソ野郎だろう。


キリスト教といえば、アメリカにおいては暮らしの中にすっかり根付いており、基本的な価値観がキリスト教的価値観である場合も多い。

従って、幼い頃から聖書を読むとか、週末はミサへ行くとか、そういうことが割と普通の事として行われているとか。

中でも敬虔なもの(正直でもありまた愚かでもあるだろう)ほど、そうした行為を大事にする。

それを強要される子供達の中には、それ故に反発するものもいる。

先のニーチェもそうだったとか。

アーティストの中でもそうしたトラウマ的なものを抱えたものは多い。

中でもしょっちゅう関係団体ともめていたことでも有名なのは、マリリン・マンソンだろう。

既にピークが過ぎた事は言うに及ばず、もはやどうなりたいのかもよくわからないが、昔は色々面白かった。

1stの時点で即行抗議を受けるような過激な歌詞と、トレントにより味付けされたインダストリアル・メタル風味のサウンドの強烈さにより、ある種の象徴にもなったしね。

邦盤の帯にも過激とか、怖いとか、色々なキャッチがあったけど、多くの日本人にとってはあまりピンと来なかったのではないかと思う。

単純にサウンドの過激さとキャッチーさと、反抗的な歌詞と、そして過激なヴィジュアルに面白みを抱いていただけで、何故そこまで忌み嫌われるような存在なのかはわからなかったと思う。

音楽を聴く上でも文化的な背景が大きく影響する、という好例だろう。

最近でいえばアーケイド・ファイアの2ndも、テイストは違えどそうかもね。


それはともかく、そんな過激な彼等は犯罪が起きるたびにスケープゴートに仕立て上げられる訳であるが、その事が実際的な影響をもたらしたのはコロンバイン事件だろう。

犯人の少年2人がすぐに自殺した事、さらに彼等の出で立ちがマンソンの音楽を彷彿させるものであった事(当時彼等はマンソンの曲を好んでいた、という話もあったが、実際はそうでもなかったそうだ)により、社会的に悪影響なものであるとして、一時期ライヴもできない、CDも売れないという、事実上の活動休止に追い込まれるに至る。

キャリア的にも、「Mechanical Animals」のヒットにより、目立っていたし、犯人が自殺してしまったことにより、どこに怒りの矛先を向ければ良いか、というときに格好の標的にされてしまったわけである。

そんな国民の八つ当たりからやっと解放されたタイミングで出されたのが、画像の「Hollywood」である。

個人的には一番好きなアルバムだし、曲も良いと思う。

アルバムとしてはちょっと長過ぎると思うが、それでもその評価に変わりはない。


全体的に恨み節全開なので、重いし暗いし聞いていていい気分の音楽ではない。

しかし、無闇にテンションが高かったり、反対にコンセプト性に走り過ぎな印象もなく、よく出来ていると思うよ。

好きな曲の多いアルバムでもあるし。

たしかジョン5参加のラストアルバムなんだよね。

セールス的には見事にこけたそうだが、まあ人気商売というのはそういうものである。

世間的なピークは2ndで、キャリアとしてのピークはこのアルバムで終わっている気がする。


常識とされる価値観にたてつくと、敵の方が圧倒的に多い。

それでも自分が正しいと思うのなら、その意志を貫き通すべきだし、ただ暴れるだけでなく相手の土俵で勝負する事も大事だろう。

元々ジャーナリストだったというマンソンだけに、件の事件のときには真っ向から立ち向かった。

私が彼等を評価している点は、その批評性にある。

ただFuckしか言えない馬鹿じゃないと思うから面白いのである。

もちろん曲もポップだし、高校生の私が聞くにはこれくらいがちょうど良かった。

最近はマイケミを攻撃してみたり、なんかかっこ良くない。

AV女優と絡んでみたり、離婚して落ち込んでみたり、よくわかんない映画作ってみたり。

いっそこのまま変人街道を驀進してくれれば、それはそれでおもしろいが、果たして今後どうなって行くのか。

とりあえずある程度期待していた新譜は今一だったので、正直これ以上音楽には望むべくもないだろう。

1回だけでいいから、ライヴが見れればそれで良いや。