先週の日曜日には新木場で開催されたnutralnationへいってきた。
出るバンドがかなり上質だったので、一日中、かぶりのストレスもほぼなく見られるであろうという目論見もあり、実際タイムテーブルを見てもばっちりだった。
この日はしょっぱなから見ていったのですね。
まずトップバッターはenvy。
ポストロック/ハードコア系のバンドで、海外でも高い評価を得ている。
音楽的にはMogwaiあたりが近いのだろうけど、もっとコア。
詞の世界もなんとなく陰鬱というか。
以前友人から音源は借りたので聞いたことがあったのだが、ぶっちゃけ私はだめなタイプ。
取り留めのない轟音押しの音楽ってだめなんですね。
とはいえライブを観たら少しは評価が変わるかしら、と思っていただが、結果的にはやっぱりだめだという確信を得るにいたりました。
一言で評するれば文学少年の鬱屈した世界、て感じ。
エヴァンゲリオンのシンジ君的な感じかな。
鬱屈した音楽は別に嫌いじゃないけど、この音楽の中には自己帰結的なものしか見えなくて、世界を変えてやるとか、外に向かう力が感じられないのですね。
詞を聴いてもそう。
また、ヴォーカルがささやきパートとスクリームパートに分かれるのだが、全部同じメロディーなんだもの。
特にスクリーム。
あれを延々聴くのは私にはできない。
とはいえ、これにガッツリ嵌る人もいるのはわかるがね。
で、次はにせんねんもんだい。
これは完全に初見。
名前は知っていたが、音楽性に関してなどの情報は一切持っていなかった。
なんとなくイメージで少年ナイフ的なものをイメージしていたのだが、まったく違った。
人力ミニマルテクノ、てやつですね。
とにかくドラマーの子がめちゃくちゃがんばっていた。
ベースはクールにワンフレーズをひたすらはじく。
ギターはたまにうねりを上げる。
あとはちょかちょかしている。
昨今話題のFactory Floorに通じるものがあり、個人的には悪くない。
ただ、もう少し展開を持ってこれるともっと変わるのに。
ちょっとストイックすぎだが、今後に期待だ。
次がペトローズ、事変でギターやってた人のバンドとかで、音楽的にはまあ大人ミュージックやね。
テクニックもあるからちょっと変則的なプレーもお手の物。
曲も落ちついたラウンジ風とでもいおうか、南国風でもあり、まあ悪くはないけど、あまりに落ち着きすぎている感がないではない。
大人、やな。
して次はmouse on the keys。
ライブは2回目ながら、今日の目的のひとつ。
退廃的というか、ビジュアルも含めて実に味のあるバンドである。
曲名はわからないが、ドラマーがとにかくすごい。
なんだか音響がうまくいっていないようであったが、演奏は言うことなし。
キーボードの不穏さとドラムのアグレッシヴさの対比もすばらしく、やられたぜ!て感じでしたね。
次はDE DE MOUSE。
以前LITEのライブでゲストアクトとして参加した程度なので、ちゃんとライブを観るのは初めて。
オリエンタル風味豊かな独自のダンスミュージックが評価が高く、新譜も好調のようで、客の数は明らかに増えていたい。
まあ、彼はビジュアル的にもなかなかのイケメンであるから、そのあたりから女子人気が高かったのもあるだろう。
ライブはダブルドラムを従えた編成だったが、まあよかったね。
曲もさることながら、なによりドラマー二人も含めて楽しそうなのがよかった。
非常にピースフル。
ちょっとふざけてみたり、カメラを回したりと、ドラマーも大忙しだ。
最後には卓の上にのぼり、キーボードをおりゃ~~~と引いてみたり。
いかんせん腕力のなさは否めなかったが、すばらしいライブでしたね。
しいて欠点を挙げれば、彼のMCの時の声のなんとも・・・こう、ね。
まあいいや。
そして次は80KIDZ。
ぶっちゃけあんまり好きじゃないので、外で飯を食って、待ったり後方へ。
そして次は伝説のバンド、WIREである。
なぜ彼らをここで呼んでしまったのか甚だ疑問しかない。
ロックの歴史において、オルタネイティブという意味では非常に存在価値の高いバンドながら、セールス的に成功したわけでもなく、また日本での知名度も高いわけではない。
今日の客層を考えても、明らかに客が減るのは否めない。
また、LITEともかぶっているため、これはキツイだろうと思ったら案の定、この日一番の客入りの少なさ。
かわいそうになってくる。
いい年の中年パンクロッカーは、それでもがんばっていた。
私もLITEを観るために中座する予定であったが、LITEのステージは狭いので完全に入場規制、ていかあふれてるんだけどね。
なのでWIREをフルフル観た。
曲はかなりアグレッシブな曲を選んでおり、彼らなりに盛り上げようというガッツが見えた。
いろんな意味で。
最後のほうにはLITEからあぶれた連中が戻ってきて若干密度は増したが、最後までさびしかったのは仕方ないか。
でも、もう少し観客も答えてやれよ、と思ったのは私だけだろうか。
かっこよかったよ。
WIRE終わりにLITEへ向かうと、若干人のいりも減っており中へ入れたので、数曲聴く。
アンコール含めて4曲ほどしか聴けなかったが、それでも相変わらずの鉄板ぶり。
やはり彼らの音楽は好きですね。
箱が狭いからいつに増して音が強力に感じられたが。
私の中でライブ定番バンドになりつつあるのであった。
そして最後はtoe。
さすがにかなり密度は高めだが、それでも7割ってとこかな、という印象。
CDで聴くよりもアグレッシブになっており、またメンバーが本気なのかふざけているのか、やけに全力感を顔で演出している。
演奏そのものはさすがという感じなのだけど、それと反してどこコミカル。
これがこのバンドの味のだろうか。
終盤ヴォーカル曲の前にMCが入ったのだが、酒のせいかまあグダグダ。
適当っぷりが半端ではない。
しかし、演奏ではばっちり見せてくれましたけどね。
CDだとすごく穏やかないんしょうだったが、ライブだとやはり印象が変わる。
だからライブは面白いのだよね。
この日はあいにくの雨ながら、余すところなく楽しめたので、実によかったです。
新発見というよりは安心と信頼の、みたいな感じだけどね。
またライブへいきたいですね。