音楽放談 pt.2

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声も楽器です ―Neon Neon

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最近聴いている音楽は割と冷徹な印象の曲が多いように思う。

冷徹というといささか語弊があるが、暗いという事は(個人的には)ないと思うが、そうかと言って気分が高揚するような類いの音楽ではなく、むしろ自分を自己の内面へ向かわせるような音楽とでも言おうか。

例えばJoy Division、は暗いか。

Four Tetのアルバムでも『Rounds』とか、かな。

また、冷たくはないけど静かな音楽も好んで聴いてる。

ちょうど昨年にいつの間にか出ていたBroken Social Sceneの一人、Brendan Canningのソロとかの温度感。

といって日本ではほとんど出回っていない様なので伝わらないだろうが、ともあれそういう静かな音楽はなんだか心地いいのである。

まあ、疲れているのかもしれないね。


日本ではおよそ音楽と言えば歌謡曲を指すので、音楽そのもののフィーリングよりもそっちばかりがイメージされるだろうが、言葉は時に邪魔なのである。

そんなものない方が心地いい場合だってある。

声そのものを否定しないが、やはり意味内容の伴う言葉はそれ自体が重い場合があるのである。

その点洋楽というのはありがたい事に、英語が達者でない者からしたら声も楽器の一部として鳴るから言葉の重たさはないんですよね。

それこそJoy Divisionなんて言葉がダイレクトに入ってきたらなかなか聴くのにしんどい。

それは言葉のわからないものの特権だろうね。

訳のわからないJ-POPがしばしば海外で人気になるのは、そういう理由もあるように思う。


そうして言葉が重くならずに癒しを与えてくれる音楽の一つに、Super Furry Animalsがある。

イギリスのサイケデリック系のロックバンドなのだが、既にキャリアは20年近くになるだろう。

あまり派手な音楽ではないし、大きく売れることもないし、音楽性的にあまり大衆に寄りすぎる事もないためまだまだ認知度は低いが、一部ではRadioheadとも並び称されるほどに評価を受けているバンドである。

私はこのバンドを聴くようになったのは割と最近なのだけど、このバンドの曲の何が魅力かと言えば、その圧倒的な包容力ではないかと思う。

音楽もやや緩いポップスなのだけど、その独特の緩さと、時にギアアップした曲なども非常にいい調子なのである。

そして多くの人が感じているだろうが、このバンドのヴォーカル、グリフという人の声がなんとも優しいのである。

時に能天気なほどヘロヘロ声で歌う事もあるし、そっと人に寄り添う事もできる、そんな声を持っている。

そして更にメロディラインも非常に穏やかで、疲れた時に聴いていて癒される度はべらぼうに高い。

そろそろ新譜の報せがあっても良さそうなものだ、と期待しているバンドの一つである。


そんなファリーズのグリフであるが、彼はこのバンド以外にも掛け持ちしているものがあり、その一つがNeon Neonというユニット。

エレクロ系でファリーズとはかなり音楽性を異にするものなのだが、それでもなお彼の声は存在感を持っている。

でも、このユニットではどちらかと言えば彼の変態的なところがよく出ている。

変態的、というと少し誤解を招くかもしれないから、おとぎ話的なと言うべきかもしれない。

スーファリのライブでも謎のマスクを被っていたり、ウサギ耳のジェスチャーをしながら人参をかじり、ペッペペッペと吐き出したり、謎のパフォーマンスをするのだけど、そういう側面が非常に良く出ている。

曲はいずれもダンサブルでサイケ臭も漂うグッドフィーリングでご機嫌なのだけど、ヴォーカルメロディと声は紛う事なき彼のものなので、そこに人なつっこさが必ずあって、いずれにせよ聴いていて心地いい。

日本では一部音楽雑誌で取り上げられた程度なのでファリーズ以上に認知度は低いのだろうけど、個人的には非常に気に入っている。

エレクトロ系にある冷たい感触は全くない。

むしろゲーム音楽みたいな感じで単純に楽しい音楽だし、グッドメロディもあるからね。

残念ながら歌詞カードがないので英語のわからない私にはどういう歌詞なのかがわからないのだが、それでも十分に楽しめる代物である。


私は割と甲高い声をしており、自分の声ははっきり言って嫌いである。

バリトンの渋い声か、あるいは彼の様にアルファー波出まくりの穏やかさにはあこがれがある。

いい声ってのは、いいですよね。

別に婦女子でなくともいい声に癒されることはあるのである。

楽しい気分になりながら、ほっと優しさも見せる、そんな素晴らしいアルバムなので、どこぞで見かけた人は是非一度聴いてみて欲しいアーティストですね。