音楽放談 pt.2

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キャリアの昇華でネクストレベルへ ―Back Drop Bomb

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大分季節も変わって、すっかり温かくなっている。

ていうかちょっと暑い。

夏は目の前か、と思うと嬉しいような苦しいような気分になるのはいつもの事だ。

暑いのは嫌いだけど、一方で夏という季節それ自体は決して嫌いじゃない。

なんだか活気があって、そのエネルギッシュな空気はやっぱり悪くない。

それに夏フェスとかもあるから、そうした音楽イベントについては私は大好きなので、それだけでも高揚するところはある。

後はそれにつき合ってくれる彼女でもいれば申し分ないのかもしれないが、それはまあ一旦置いておこう。


さて、最近また勢いづいているなと個人的に感じているのはBack Drop Bombである。

オリジナルドラマーの有松さんが復帰後のEPも非常にアグレッシブでチャレンジングな楽曲が並んでいたが、その後に出たフルアルバムも期待を裏切らない良作であった。

いつもの”Intro”はディスコチックなもので、ちょっと『Venometeoric』の時のような感じかな。

でも、何か吹っ切れたような感じでいいですよね。

全体的に抜けのいい楽曲が多くて、特に前半は集大成的な感じがする。

そしてこれらを聴くと『breakdown』から『The Ocracy』まではかなり実験的な取り組みだったのだろうなと言う気がする。

ここのところライブでも1st~2ndの曲を中心にセットを組んでいる事が多いし、件の『Veno~』の曲は私が行ったライブではいずれも演奏されなかった。

『breakdown』からは”アンティピカル”くらいかな。

いい曲、カッコいい曲も多いので個人的にはもったいないと思うし、もっと聴きたいと思うが、一方で初見のファンでもわかりやすく乗れるのはやはり初期の楽曲だと思うし、それは今の状況から観れば仕方ないところもあるだろう。

そういう影響もあってか、新譜では初期のテイストの強い曲が多いのかもしれない。


それにしても、EPでも収録されていて、映画「闇金ウシジマ君」でも使われた”Road”はやっぱりカッコいい曲だよね。

イントロからコーラスに至るまで、彼等特有の色々詰め込みまくった展開も健在だし、ハードなギターやポップなメロディとハードさもあるヴォーカルラインもコレゾって感じの楽曲で、やっぱりいいですよ。

ライブでも乗りやすいしね。


で、このアルバムで一番耳を惹くのはやはり終盤のメロウな曲だろう。

彼等はこれまで静かめな曲はあったけど、こうも明らかに穏やかで、やや悲しげなフィーリングのある曲はなかったと思うし、こういう曲もやはり書くようになったのかというのは大きなバンドとしてのメンタリティの変化ではないかと思う。

一時日本語詞もやっていたが結局英詩に戻しているが、この辺りの曲では日本語詞も盛り込んでいて、彼等なりの今と言う時代に対するリアクションとして作ったのだろう。

もちろんこれらの曲に限らず、Futureという言葉もよく使われるしね。

まあ表現する側としては、言いたい事は山盛りな時代だと思うし、こういうところにアーティストとしてのスタンスって明確に現れるからな。

それこそAA=なんかはハードコアパンクを出自にしているから元々社会性のある歌詞を書いているし、『#3』はまさにというアルバムだったしね。

Takaはそこでもヴォーカルをやっているから当然影響は受けるだろうしね。

そういう色を出すと、受け付ける受け付けないが明確になるから、商業的な観点でいえばリスクでしかないし、だからこそヒットチャートには政治色のある曲は乗ってこないし、世に言うメーッセージソングと呼ばれるものはほとんどが「がんばろう」「諦めないで」「夢は叶う」みたいな意味があるようでまるでないものに終始するのだろう。

それ自体は否定しないけど、音楽表現というものの一面的な価値しか映さないし、言葉の感性はリスナーの側にも育まれなくなって行く気がする。

ま、それはそれでいいのかもしれないけどね。


ともあれ、彼等もAirJam世代で、既に20年近いキャリアを誇る中で相変わらず音楽的な一定の枠組みに納まらずに好き勝手やっている。

その中でこういうクオリティのアルバムを作り上げてくるし、テンションも凄まじい。

ハードだけどポップで攻めてるけどうるさいだけじゃない。

抜くとこはキチンと抜いているからアルバムとして聴いていても疲れないし、ライブに行っても楽しい。

今になってむしろもっと評価されてもいいバンドだと思う。

元気なおっさん達である。

と、正面切って行ったら殴られそうだけど。