音楽放談 pt.2

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小休止92「リスナー体力」

最近家にいる時にはiPodで収録曲を日がな一日、夜から朝に掛けてもずっと流しっぱなしにしている。

途中気を失っている場面もあるので、全てをキチンと聴いているかと言われるとそうでもない、というのが実際のところではあるが、しかしそうしてずっと音楽が流れているのをなんだか幸せだなと思うし、休日の使い方として贅沢だな、なんて思う当たりは安上がりで結構な事である。

そんなの音楽リスナーとしてどうかと思う、などと尻上がりな語調で批判する人もあるかもしてないが、平日は忙しくてあまり聴いている時間もないので、せめて休日くらい贅沢な使い方をしたいものだ。

何せ私は未だにCDを買っている男なので、レンタルや無料DLで安価に済ませた代物ではない。

中古新品は問わずだが、わざわざレコード屋まで足を運んであれやこれやと選んできているわけである。

いいじゃないか、それくらい。


そんな前置きはさておき、垂れ流している時でも基本的に全てアルバム単位で楽曲が巡るように設定している。

私は未だにiPod nanoの第5世代を使っているのだが、理由は一つでアルバムシャッフルという機能がついて売るのはこの型までだからだ。

厳密にはこのもう一つ後の世代もあった気はするが、市場に出回っている数が少な過ぎて今や希少機種と化している事、それにフルタッチパネルの走りではあったが今一使い辛いことにより、私は第5世代を愛用しているのである。

で、そのアルバムシャッフル機能をフル活用して毎日音楽を楽しんでいるのだけど、既に最近のものにはアルバムシャッフルという機能はないのである。

理由はひとえに市場のニーズがないからに他ならないからだろう。

音楽の聴き方が既にシングル、アーティストでもなく曲単位でしかないというのが今の世の中な訳で、そんな中でアルバムシャッフルなどという機能が求められるべくもない。


とはいいつつも、実際に聴いてみればそれなりに楽しみ方もわかるだろうと心の何処かで私は思っているのだけど、先日やっぱりそうでもないのだなということを痛感させられる出来事があった。

仕事で出張に行った時に、車移動だったので車中で我がiPodで素敵な音楽を流していたのだけど、同乗していた人がさして音楽には興味のないミーハーさんだったので、比較的ポップに寄っていて、しかもそれなりに売れているアーティストの曲を掛けていた。

すると、初めこそ普通に聴いていたのだけど、2、3曲聴いたところで「もう飽きた」と言い出したのだ。

アルバムを流していたので、もちろん同じアーティストではあるけど、そのアルバムにはアッパーなのからバラードから多様な曲が入っているものだったので、一体何を言っているのかさっぱりわからなかった。

飽きる理由がわからないのである。

しかし、どうもその人はヴォーカル、しかも声くらいしか聴いていないので、同じ声が聴こえてくるという事自体に飽きたらしいのだ。

意味が分からなかった。

その後インストとか色々流してみたが、最終的には興味をなくしスマホをいじり始めたのであった。


もちろん興味の問題もあるから、私の聴いている曲全てを良いと思うことはないのは既にわかっているし、世の中にはインストを音楽だと思えない不思議な人がいることもわかってはいるが、いくら何でもこの状況には恐れ入った。

インストが流れると、決まって「何時始るの?」とか聴く人だから、そもそも音楽にはさして興味もないし、彼の中では歌=音楽という構図が出来上がっているのも知っているが、それにしてもここまで射程距離が短いとは思いもしなかった。

この人も音楽プレイヤー自体は持っているし、それで聴いている姿も目にしている。

一応好きなジャンルとかも聴いた事があるけど、それに近しい音楽でもちっとも興味を示さない所を観ると、そもそも興味がないのだという結論にしか至らない。

私のようなギークには不思議で仕方ない訳であるが、一方でそう言うものかもしれない、とも思う訳である。

この人には音楽を楽しむ為のスタミナがないのだろうな、と。

考えて観れば、例えばマラソンを好んでする人からすれば長時間走る事は快楽な訳だが、私のような無精者からすれば意味が分からない訳で、音楽であってもそれは同じなんだろうね。

ていうか、世の中の全てはそういう性質があって、好きこそものの上手なれ、なんていう言葉もあるように、その分野に興味がない人にはいかな素晴らしかろうが興味がない事には変わりなく、よほどの好奇心でもない限りは受け入れられるものではないのだろう。


考えてみれば当然なのかもしれないが、改めてそんな事にハッとしたのであった。

でも、そう言う事に気がつくと益々ガラパゴス化しそうで怖いよね。

私自身も広く関心を持つ事を心がけたいものだ。