音楽放談 pt.2

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人々に力を -Power To the People

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4月もあっという間に半ばに差し掛かり、春の華やぎはいつの間にか初夏の賑わいに変わりつつある。

新入社員の子たちときたら、真新しいダークスーツに身を包み、なんだかキラキラしている。

私にもそんな時分があったのだろうか。

自分が新卒だった時のことは今でも割と鮮明に覚えていて、同期には大学生もいれば高校生もアイルという環境だったが、気がつけばその当時の奴らとは連絡を取ることもなくなってしまった。

みんな元気だろうか。

気がつけばすっかり社会人になってから10周年を迎えているわけである。

私が何かしたのアーティストなら記念イベントでもして見せるのだろうが、残念ながらただの社会人だ。

今年も粛々と仕事をこなすのだろう。

とはいえ、会社的にも非常に大きな転換期を迎えているので、実はイベントにあふれた1年になるかもしれないんだけどね。

ま、やることは変わらない。


さて、ここのところすっかり定着した言葉というか、表現の一つに「~力」という言葉がある。

昔から行動力、説得力など様々な言葉が存在しているけど、こことのところはすっかり広告的な文言としても定着している感がある。

おそらくきっかけは小泉総理の頃の「鈍感力」という言葉だろう。

それまでは使われていなかったようなものをくっつけて、とかくネガティブなニュアンスの言葉をくっつけることが一つの傾向と言えるだろう。

少し違うベクトルでは女子力という言葉がある。

よくよく考えてみれば意味のわからない言葉だし、暗に旧来的な女性観を含んでいるので、非常に非現代的な表現だと思うんだけど、この言葉をよく使うのは他ならぬ女性であるというのはある種の皮肉ではないだろうか。


それはともかく、他にも「~りょく」「~のちから」というのは相変わらずたくさん新しいものが出てきていて、この間書店で見かけて「?」と思ったのは「失敗する力」「逃げる力」という言葉だった。

新書のタイトルなので、広告的なニュアンスが大きいのは理解しているけど、それにしても意味がよくわからない言葉である。

そもそも失敗する、逃げると言う言葉は基本的にはネガティブな意味合いの言葉だし、力がないから生じる事態とも言える。

そんな言葉に力という言葉をつけて、それは実は強さなんです、とでも言いたいのだろう。

メッセージとしては否定しないけど、やっぱり言葉的な違和感というか、逆にものすごく商業的な匂いが強すぎて、そういうのは大嫌いである。


なんでこういう言葉が嫌いなんだろうと考えると、一つはこういう言葉を好んで遣う人ほど何かにつけ浅はかで、そういう人を概して好まないというところがある。

もう一つは、全てを肯定しているようで実は否定しているその背景だ。

物事は表裏があるから、考え方や価値観によって善悪は決まるし、それゆえそれらは相対的な価値観だと思っているんだけど、なんていうか、うまく言えないけど力のある奴がないやつを綺麗事で手のひらの上で転がそうとしているようなそこ汚い精神とか、そうして愉悦に浸るような顔が見えてくるようで、それが気持ち悪い。

もっともそれは私のごく個人的な価値観によるもので、世の中にはそれによって勇気付けられて結果的にうまくやっていける人もいると思えば、それはそれで大切なものなのかもしれないとは思うから、要するに宗教と同じなのかもしれないけどね。


自分が歳をとったなと感じるのは、自尊心を満たす手段が自分が認められること以上に自分と関わったやつ、とりわけ若い奴らが自分の仕掛けによって上がって行く姿を見る時であることだ。

そんな彼らの姿を見れば、別にそれがどんなものでも、結果的に彼らにとってポジティブに働くならなんでもいいか、というきもするんだけどね。

世の中のそんなクソみたいな妄言に惑わされずに、新社会人の子達には頑張ってほしいよね。