人は見た目が9割、なんていう本が一時期話題になったものである。
外見よりも中身は大事、と幼い頃から教えられた割には、現実社会ではやはり外見の良い奴の方が徳じゃないか、となって大体の人は切ない思いをする。
持てる男は辛いって?持てない奴のが辛いよ、実際。
まあそれはどうでも良いんだけど、やっぱり見た目っていうのは大事であるのは間違いない。
かの本がいかな論旨を展開しているかは知らないが、面白いことに人の内面というのはやはりそれなりに外見に表出するんですね。
服装だったり、口調だったり、あるいは人を見る目つきだったり、色々な部分にその人の価値観ていうのは出るんですね。
町を歩けばすぐわかるでしょ。
もちろんそれがすべてではないのは当然としても、やっぱり或る程度の人間性を測る指標にはなりうる。
音楽についても、好きなジャンルによって服装が別れる、というのは、ユースカルチャーとして長らく音楽が存在していたからであろう。
例えばロック好きは革ジャン、ヒップホップ好きはB服、レゲエ好きな奴はアフロ、とかね。
これらは非常に偏ったサンプルではあるけど、でもある種のトライヴ的な感じはあるよね。
そうした好む音楽による服装の趣味による差別的な意識も生じるらしく、海外ではエモ系の格好、全身黒尽くめにタトゥーとかして、メイクなんかしちゃっているような奴ね、ゴス系でもあると思うけど、そういうカッコしたカップルを、そのカッコであるというだけでぼこぼこにして、挙げ句の果てに殺してしまった、なんていう事件が起きて、国会巻き込んでの大問題になったこともあった。
ゴス系を好むこっていうのは、結構ナードな子が多いので、血気盛んなB系からは非常に絡まれやすいのだろうが、やっぱりある種の意識を表しているんだよね。
日本でいえば、ヴィジュアル系好きの子っていうのはなんとなくわかるよね。
いわゆるロックチックなものを好む傾向にあるし、得てして頭が派手である場合が多い。
あるいはアヴリルみたいなロックアイドルを好きな子も、かなりファッションもまねするのであからさまである。
そういう自分はどないや、というと、破れたジーンズに飾りっけのないジャケット、足もともはスニーカーという非常に変わった出で立ち、とよくいわれる。
別に変じゃないと思うけど。
気持ちとしては、90年代にリスペクトを表すとともにストロークス以降的なスタイリッシュさも欲しいわ、という結果だということにしている。
その企てはどうやら失敗しているらしいが。
それはともかく、自分の好む音楽があるのに対して、一方で好まない音楽というのもある訳である。
そうして好まない音楽については、やはり批判的になている自分がいて、狭量なことだと我ながら反省する。
その好まない音楽お一つが今のヴィジュアル系。
というのもも、今いる多くのバンドがもはや単なる焼き直しにしか思えないから。
XやLuna Sea、あるいはDir en Grayとかのね。
まああくまでイメージなので、偉そうなことはいわないけど、そういう指向の子って、どうもこう、殻に閉じこもっているイメージがあって、なぜか。
それこそゴスロリなカッコで町を闊歩する子を見るときの気持ちと似ているんだよね。
「私は好きだからこのカッコなの」とは言い条、その背後には自信にそう思わせる為に意図的に一線を社会と自分の間に引いているような、そんな印象をしばしば受けるんだよね。
まあ別に良いけどね。
そうしてカッコでつい敬遠してしまうバンドも結構いるんだよね。
何かの拍子にたまたま聴いて、やっぱり好きじゃない、となる場合もかなり多いしね。
でも、そういうのはやはり貴重な出会いの機会を逸する要因にもなる訳で、それは人生を損することにもなるので気をつけないといけない。
さて、ずいぶん長い前置きをしたんだけど、今日はそうしてカッコにより敬遠していたけど、聴いてみたらめちゃくちゃかっこ良かった上非常に自分好みで、今まで聴かなかったことを後悔したバンド、Horrorsについてである。
デビューしたのは確か2年前くらいだと思ったけど、今時か?ていうくらいの黒尽くめのゴスファッション、しかもヴォーカルがイケメンと来た日には女の子は黙ってない。
ヴィジュアルだけでも黄色い声援を獲得してしまっているバンドに対して、私は線を引いてしまったんですね。
馬鹿なことだ。
その年のサマソニに出たときに、Joy Divisionの"No Love Lost"のカバーをやっていたので足を止めたのに、それだけ聴いて通り過ぎていってしまったの私。
どうしてその時点でちゃんと聴かなかったのか。
少なくともJDをカバーするバンドである。
LCDしかりNINしかり、そういうバンドが嫌いだったことがあったか、否である。
そのメンタリティはやっぱり通じるところがあるんですよ。
で、先日ようやく買ったのですね。
きっかけは、今年2ndが出るということで再び彼らの名を目にするようになったんだけど、そういえば彼らに対する評価がやたら高かったのを思い出したからである。
ン~、よかったよ、カッコ、よかったよ。
音楽的には70年代くらいのガレージサウンド、ていうやつが基本なんだけど、所々にそこから逸脱しているんだよね。
オルガンの神経質な音がその役割を非常に強くになっていると思うんだけど。
で、ギターとか、ドラムとかを聴くと結構グランジぽくもあったりして、これは一筋縄ではないな、と思う。
個人的には、音楽性とかは全然違うけど、キーボードの入れ方とかがXTCっぽくもあるかな、とかちょっと思ったりしたんだけど。
初期のね。
まあiPodで聴きながら、アルバム単位でシャッフルにしているんだけど、たまたま次にXTC聴いたからそう思っただけかもしんないけど。
とにかく、まだ聴き始めたばかりなのであんまり詳しくレビューはできないけど、これはかっこいいですよ。
なんかやたら迫力あるし、ちょっと怖い感じもあるけど、サイコ的な空気もありながら、ムードも曲もナイスです。
どうしてもっと早く、ちゃんと聴かなかったのか。
特"Drow Japan""Sheena is a Parasite"はかっこいいよ。
PVも切れまくっていて。
ン~、これはセカンドも買っちゃうな。
Portisheadのジェフのプロデュースらしいし。
やっぱり見た目だけで判断するのはよくないね。