昨日はやることもなかったので急遽ライブイベントへ。
ミツメが主宰するもので、出演者の中にcero、Orge You Assholeがあったし、ミツメも聴いたことがなかったので、せっかくだしというわけだ。
最近バンド主宰のこういうイベントが増えているけど、気に入るバンドの気に入っているバンドは気に入る場合が多いから、非常にありがたい。
ceroについては数年前にSynchronicityだったかでみたきりだった。
その時は『My Lost City』が出てそんなに経ってない頃だったかと思う。
”マウンテン・マウンテン”を1曲目に演奏していたと記憶している。
その時はそのゆるい感じの音楽でのほほんと聴いていただけだったし、アルバムも未聴だったので聞くともなく聴いている感じだった。
その後改めてアルバムも聴いて、『Obscure Ride』もリリースして、すっかりブラックミュージック的なバンドとして完全に地位を確立しつつ、まだまだ発展途上とあって、改めてライブ見たいと思ったわけだ。
で、今回は1発目がceroである。
持ち時間は30分か40分くらいと短いセットで、知っている曲はなかったけど、こんな感じだったけ?と思ったものだ。
ここ最近私もいわゆるブラックミュージックをあれこれ聞くようになって、よく言われる黒っぽさという感じをなんとなくわかるようにはなってきたけど、確かに彼らの音楽は黒っぽい。
アレンジとかカティングギター満載な感じとか、上物の使い方とかもそういう要素があるのだと思うけど、ノリというか、というのがブラックミュージックっぽい。
バンドメンバーだけでなくサポート的に入っている人含めたらメンバーよりも多いくらいだけど、そんなに密度高くない音なのにいい感じに迫力満点に迫ってきたね。
思わずおののてしまった。
これは近々アルバムもまた買わないとな。
それにしても、なんかおしゃれなバンドだよな。
続くは目当てのOrge You Asshole。
新譜を出してからのライブは見ていなかったし、”Rope”以外の曲が盛り上げどころになっている、という話だったので、一体ライブ表現はどうなっとるんやと思ったわけであるが、結論からいうとこれまたぶっ飛ばされた。
新曲も旧曲も変わらず素晴らしいし、演奏についても割と淡々と刻むリズム隊の上でギター2人がフィードバックしたりカッティングしたりで遊んでいて、ディレイっていうのかな、エフェクトもかけまくりなのでサイケデリックな音像も含めて素晴らしかったね。
彼らの単独を初めて見たのも、考えて見たらちょうど1年くらい前のLiquidだったのだけど、その時の感想は音の渦がブワーーッと押し寄せてくるような感覚だったんだけど、それはさらにパワーアップしているし、途中から頭がグワングワンしてきてどっか飛んでいくかと思った。
彼らも40分くらいで終わったのだけど、やっぱりフルセットでみたいよね。
ツアーも回るから、やっぱりチケット買おう。
ここでイベントから離れて彼らのライブアルバムについて。
強引な語り口だ。
彼らのライブアルバムは、くだんの3部作の後に出されたのだけど、ライブアルバムながらそのコンセプトが注目を集めた。
普通ライブアルバムというのは、ライブ録音の音源をまとめたもので、公演日が入っているから行ったライブのものだとちょっと記念盤みたいに勝手に思うのだけど、彼らのものは違った。
あくまでライブで響いている演奏を再現するというコンセプトで、もちろん改めて録音しているのだけど、それをライブのフロアで聞くようにまとめ直されたものである。
実際彼らの音源とライブはかなり印象が違う。
音源ではどちらかといえば密度少なめな音の間を楽しむようなところもあるけど、ライブでは音の洪水状態だ(あくまで私見だけど)。
それを再現するという試みが面白いし、何より面白かったのは彼らのインタビュー。
「自分たちのライブって聞いたことないから、どんな感じかわからない」といった旨のことを言っていた。
確かに演者たる彼らはフロアにはいないし、後から音だけ聞いてもその臨場感などはやはりわからない。
現場にしかない温度感ってやっぱりあるしね。
せめてそれを再現しようという試みのライブアルバムというのが非常に面白いし、実際なかなかうまくいったと思う。
3部作の総決算的な位置付けでも聴けるからその意味ではちょっとしたベスト的な内容だし、実際当時の彼らの一つのアーカイブにはなるだろう。
その上でライブ的なアレンジをしっかり楽しむことができるので、非常に好盤である。
実際ライブ録音だと中にはしょぼくなってしまうのもあるから、それよりはこういう試みもいいと思う。
おすすめな一枚だ。
で、イベントに戻るけど、ラストはミツメ。
彼らの評価は色々読んでいたし、聴いてみたいなと思っていたけどその機会がなかったのでこういう時にチャンスというわけ。
音楽的には非常に今時のバンドっぽいなと思いつつ、曲もいろんな幅があるし、やる気があるのかないのかわからないヴォーカルのいる一方でギター暴れているし(音的に)。
晴れた日にゆっくり音源も聴いてみたいね。
彼らも1時間くらいで終了である。
・・・一つ忘れていた。
ceroの後に井手健介と母船というバンドが出てきて、彼らが実に面白かったのだ。
曲的にはアングラフォーク的というか、それこそ水木しげる的な感じもある独特な感じで、なんだか知らんがやたら惹きつけられた。
何者だと調べてしまったからな。
したら変わった経歴の人だった。
このバンドたちの中では知名度も高くないと思うし、今後もおそらく大きく売れる音楽性ではないと思われるが、地味に存在感を発揮していくのではないだろうか。
何気にミツメより先に彼らの音源を買いそうだ。
実はこの日はリキッドの2Fも使って、そちらでもライブがあったようなのだけど、私は移動がめんどくさくて結局1Fのところにずっといた。
もう少し元気があればよかったが、己の体力の低下を最近つくづく感じる。
実際先週末から胃が痛くて、23日は1日まったり過ごして療養したもの。
24日は少し酒も飲んだけど、今も本調子ではないしな。
ともあれ、ライブってやっぱり楽しいよね。
今年のライブ納めはTha Blue Herbの単独になりそうだ。
31日は、プロレスでも見に行こうかな。
もう年末だね。
"Rope"