音楽放談 pt.2

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すれ違いの人生の果てに -Sabaku

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私は人とのコミュニケーションなどにおいて、悩んでいるというか、途方もない気持ちにさせられることが昔からよくある。

それを殊更に感じるのは、やはり何かしらの課題に臨む場合だったり、問題を解決しようとしたりする、つまり仕事的な場面である。

何を感じるかといえば、これは何も伝わっていないな、という感覚である。

日常的にも何となくすれ違いを感じることの方が多いけど、それはあんまり気にしていない(子供の頃は気にしていたのでこうしてひねくれてしまった経緯はあるわけだが)。

この仕事的な場面でのすれ違いとか伝わらなさって難しいなと思っていて、なぜかと言えばその時に確実に解決しなければいけない問題なり課題なりはあるわけで、それに対するやり方だったりを自分なりに考えて方向性を定めようと画策するのだが、それがうまく伝わらないのだ。

単に言葉が足りないだけの時もあるし、ちょっとした勘違いによることもあるんだけど、切ないなと感じるのはわからないとか、あるいはそもそもそれがいいと思わないといった否定以上にスルーされることである。

なぜその人がそうするのかはその時々、人により異なるのだろうけど、そうすると自分が正しかったのかそうでないのかもわからず、ただ何もなかったかのようにされるような気がして。

前職はそのショックが結構大きくて、それが転職の大きな契機の一つにもなったのだけど、今の職場でもそれをよく感じる。

こうしてよく感じるということは、きっと自分の説明の仕方とか、伝え方に問題があるのだろうと思って言い方や切り口を色々工夫しては見るだけど、なかなか上手くいかないことの方が多い。

それがわかる瞬間て、なんかえもいわれぬ虚しさみたいなものを覚える。

今日もそんなことがあって、幸いその人は理解しようと努めてくれたので、一定の解決を見たし、彼の言葉によって改めて自分の話し方やそれにまつわる色々を反省させられた。


人の頭の中はわからないし、言葉で表される表現が同じでも本当にそこに含意されているものが同じ認識のものとは限らない。

自分の中で理路整然と連なっていると感じられるものでも、客観的に見てそうかわからないし、正しさは尺度が違えば変わってくる。

皮肉なのかなんなのかわからないが、よく頭がいいとか頭の回転が早いとかいわれるけど、実際問題は伝えられていない、相手にわかるように説明できていない時点で頭悪いと思っているからね。

中には相手の方が明らかに頭が悪い時もあるけど、大半はこっちの言葉の問題だ。

難しいなと思って今日も途方に暮れてしまった。

別に私の考えが絶対に正しいとは思っていないし、それで上手くいくかどうかもわからない。

だけど、それすらも判断できないというのは、やっぱり切ないし、つい誰か理解してくれるような人のいる環境に身を投じたいと考えてしまう。

最近特にその言葉に気を使っているせいもあって、結構疲れてしまい、休日は1人でゆっくり過ごすのが気楽で楽しいのだ。

つい厭世的な気分にもなって、誰もいないところへ行きたくなる。

よくない兆候である。


そんな時にふと頭の中に流れたのが、Zazen Boysの"Sabaku"という曲だった。

当時賛否両論を呼んだ(と記憶している)4枚目のアルバムのラストを飾る曲だが、このアルバムは全体的にそうした虚しさとか寂しさというフィーリングが充満しており、この曲でははっきりと言葉で「割と居合なほど、とても寂しい」と謳われる。

砂漠のどっか真ん中あたりにいる感じ、という漠然としながらその情景ははっきりと思い描くことができる。

ザゼンの曲は割と観念的な歌詞が多く、単語に何かしらのイメージを持たせつつ、それをつなげることで案に意味を紡ぐような印象があるけど、このアルバムはテーマから歌詞の内容から結構具体的な感じだったと思う。

私はそんなに熱心なファンというわけでもないし、そこまで聴き込んでいるわけではないけど、このアルバムについては歌詞も割と覚えていたし、アルバムを情景的に捉えていた。

1曲目の"Asobi"もどこかそうしたすれ違いというか、噛み合わさなみたいなものが謳われていると感じていたし。

本能寺で待ってても誰も来てくれず、ただ寺とともに焼け落ちるのを待つ結果になりそうだ。

余談だけど、大学生から社会人になりたてくらいの頃までは、私は真っ黒な球体のようなものの中にいて、その球体越しに世界を覗いているような、そんな感覚にとらわれていた。

音は常に不明瞭で、誰もそばには近づいてこない。

世界は把握できるけど、向こうから自分の姿は見えない。

彼らに見えているのは球体の外側だけで、そこには私はいないのだ、なんていう感じだね。

いつの間にかその感覚はなくなったけど、思い返せば人は分かり合えないのが当たり前だ、という割り切りを覚えてからかもしれない。

昔は分かり合えると信じていたんですね。

今はもうそうは思えないし、そう思わないことで生きていられるようなところもある。

だから、他人同士でちゃんと通じ合えているのだろうな、という姿を見かけると、素直に羨ましいと感じる。

どこで間違えたのか。


ともあれ、メンバーチェンジもしてすっかり新譜のリリースの久しいZazen Boysは、ついに新しいアルバムの制作を開始したというニュースが流れたばかりだが、さらになんと向井の前のバンド、Number Girlがまさかの再結成とな。

ライジングサンへの出演を機にらしいが、メンバー含めて伝説と化しているようなバンドの再結成に、その界隈のファンは湧き上がったわけだ。

ましてザゼンの曲に比べて、ナンバガの曲はエモい曲も多いし、きちんとメロディを歌う曲が多い。

歌詞も割と青春時代のモヤモヤが爆発したようなものが多いので、これを今の向井はどう歌うんだろうかというのも興味深い。

一体どういう心境の変化なのかはわからないが、人は何かのタイミングで過去を振り返って、その瞬間の喜びや輝きなんかをまた感じてみたくなるのかもしれないね。

結局残るのは嫌な思い出よりも楽しかった思い出の方だと思うし、それが人生の宝なのかもしれないね。

"Sabaku"