音楽放談 pt.2

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Into The チャオス -Black Dice

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最近なんだかクサクサしているなと自覚があるんだけど、そう言うときになぜか私の中で響く音楽がある。

ご存知NYが誇るアヴァンギャルドなトリオ、Black Diceである。

来日が期待されて久しい彼らだが、アルバムも前作からすでに6年が経過している。

いつ出すんだ!と思いつつも、昔の音源を引き続き聴きながら待っている。

彼らの音楽は、一言で言えば意味がわからない。

個人的にはポップだと感じるんだけど、まあ売れる類の音楽ではない。

あるレビューでは「意味のない音楽」という表があったが、言い得て妙だと思ったものだ。

ヴォーカルもないし、メロディも特にない。

どこか猥雑としてガチャガチャしているが、そこはかとない安らぎに近いものを感じる瞬間がある。

そんなわけで、いくつか彼らの楽曲を紹介しよう。

世界の中の誰かに届いたら、嬉しいな。

まあ、誰にも届かなくていいんだけど。


まずは一番好きな曲を。


現在の最新作『Mr. Impossible』から”Pigs”。

何か喚いているけど何言っているかはよくわからない。

キャッチーながらも狂気を孕んだこの曲は、聞いているとなんだかむやみにテンションが上がってくる。

この時点で言っておくが、この曲は彼らの中ではかなりポップな部類だ。

これがダメなら、多分ダメだと思う。


続いてはこちら。


ダーティな1曲"Snarly Yow"。

2枚目か3枚目のアルバム『Broken Ear Record』の1曲目を飾る曲だが、都会の猥雑さを見事の表現していると個人的には感じている。

新宿あたりを歩いているときにはぴったりのテーマ曲ではないだろうか。

アルバムのジャケットも刺激的で挑発的ながら、全体的に攻撃的でかなり激しい曲が多いので、ちょっとやさぐれたときには特にぴったりだ。

ちなみに、私が持っているのはなんと悪名高きCCCD

一体誰がこんな音楽をコピーするのか、と不思議に思ったものだ。


こうして独自のアヴァンギャルドを展開している彼らだが、初期は実はあるバンドのもろフォロワーであった。


といっていい感じの音源が見つからなかったけど、彼らはBoredomsのフォロワーな音楽を展開していた。

デビュー当時はトランシーな音楽だったし、曲展開もモロBoedomsだったのですよ。

すごいぜ、ボア。

この曲も、彼らの音楽を電子楽器のみでやってやる、的な意気込みを感じないだろうか。

世界に誇る日本おオルタナティブは、NYの若者たちに火をつけたのだ。


ところで、私はなぜ彼らを聞くようになったのかと言うと、聴き始めたのは確か2005年とかその頃。

LCD Soundsystemを始めNYの音楽シーンが当時注目を集めていたんだけど、Animal Cellective、Gang Gang Danceらと共にアヴァンポップとして名を馳せていた頃に、雑誌でその名を見かけて聴いてみようとなったのだけど、その当時の最新作に手を出したのが出会いだった。

『Lord Brown』というアルバムだったけど、その1曲目がこちら。


"Kokomo"という曲だが、この出口のない感じ。

ずっとこれだ。

このアルバムは彼らの中でも暗いと言う評価が多い。

最初にこのアルバムを聞いた私には比較が成り立たないので当時はピンとこなかったけど、確かに今にして思えば暗い。

暗いし、近作の中では一番混沌としているかもしれない。

でも、このアルバムを聴いていると頭が空っぽになってちょうどいい。


そのあとのアルバムは再びポップな感じへ。


『Repo』から"Ultra Vomit"。

なんだこれ?と思いつつも、なんだかつい聴いてしまう。

そんな魅力を感じないだろうか、だろうか。


彼らの音楽の魅力って、意味不明なところだと個人的には思っている。

そこに立ち向かうことの無意味さを突きつけられるような感じがあって、あれこれ考え込んでしまうときには非常にいいのである。

彼らの音楽を聴いた多くの人は、多分意味がわからないとかいうんだろうけど、そういう奴に限って別段その意味のわからなさを掘り下げはしないし、ほとんどの物事を理解などしていない。

そういう人にイライラすることが多いけど、そんな時に彼らの音楽は本当にいいんですよ。

どうでもいいじゃん、という気分にさせてくれる。

そしてむやみにポップなので、楽しくなってくる。

やっぱりわけのわからないものって、面白いんですよ。

自分がぶっ飛ばされる感じがして。


私は粛々と、彼らの新譜と来日を、待っている。