音楽放談 pt.2

SEO強化をしていこう。

音に宿る希望 ーThe Novembers

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最近土日は家で酒を飲みながらYoutubeとかアマゾンプライムで映画を見て過ごしている。

 

昨日は某ポッドキャストでも話題に上がった『スカーフェイス』という映画をみたり、久しぶりに本を買ってみたり。

 

KINDLE版だけど。

 

いずれにせよ、自分でも薄々気がついていたがこうやって一人で興味のあるあれこれをしながら酒を飲んでいてもさして病むことはないし、たまには人とわちゃわちゃしたいと思うけど、元々人といると気を遣って疲れてしまうタチなので、無理しなくていいのは快適である。

 

配信コンテンツも多くなってきているので、それで結構楽しいんだよね。

 

 

さて、そんな配信コンテンツの中にはライブ映像ももちろんあるわけで、昨年10月のアナログフィッシュなんかは配信とのちにDVD化もされて、もちろん買ったさ。

 

普段のライブとは違うロケーションで、無観客だからこそ却って音質も拘った映像作品ならではものが出来上がったのは数少ないポジティブなトピックかもしれない。

 

私が好きなアーティストの中では、The Novembersも近しい試みをしている。

 

彼らは大谷資料館という自然環境も生かした文化施設でのライブを観光、生ではないが配信と合わせて前日Blue-rayもリリース。

 

アルバム『At The Beginning』のツアーができなかった分、その再現ライブとして行われたものだ。

 

この大谷資料館(おおや、と読むらしい)は栃木県にある施設らしいが、彼らが栃木出身ということもありロケーションに選ばれたのだろう。

 

また最新作はインダストリアル的な色が強い楽曲が耳を引くわけだが、その音がこの地下洞窟でどのように響くのか、という話である。

 

ちなみに白状すると、私は配信時は忙しくてみることができなかったのでこの映像作品としてリリースを心待ちにしていた。

 

嬉しいことにBlue-rayだけでなくCDも付いていたのでそちらも愛聴している。

 

先行で買ったのでハイレゾ音源もDLできるが、聴ける環境がないのが悔しいところだ。

 

 

そんな映像作品だが、結論からいうとめちゃくちゃいい。

 

映像だけでなくCD版の音源もめちゃくちゃいい。

 

アルバムの曲順に演奏されるわけだが、冒頭の"Rainbow"は小林くん一人による弾き語りなのだ。

 

これでもしっかりハマるのは、そもそも彼らの曲自体がいいということに他ならないだろ。

 

そこからの2曲目から凄まじい重低音と轟音展開満載、アルバムの世界観も本領発揮といったところか。

 

 

彼らの大きな転換点、というか一つの集大成となったのは『Hallelujya』(2016年)だろう。

 

それまではArt SchoolやSyrop 16gの系譜に位置付けられそうな、いわばオルタナ系鬱ロックとも言える世界観だった。

 

ちゃんと聞けばそんなこともないんだけど、彼らのビジュアルイメージもあって私はそんな捉え方をしていた。

 

なので、初めて彼らを見たライブでは正直ちょっとしんどいなと思った記憶なのである。

 

Nine Inch Nailsが大好きな私なので、別のその手の世界観がそもそもダメというわけではないのだけど、日本語では言ってくることの直感性もあったし、彼らの出立やファンの子たちを見てう〜ん、と思ってしまったのが彼らとの出会いであった。

 

しかし、その後なんだかんだライブでめちゃよくみる機会があったのだ。

 

それこそBack Drop Bombのトリビュートアルバムに参加しているしライブにもでるし、Mouse On The Keysとの対バンライブやったりと、私が好きでよく聞いていたアーティストとよく共演もしていた。

 

そうなると聞くとはなしに聴く機会も多くなり音源もきいてみようかしら、なんて思っているうちに気がついたらアルバム全部買っているし、一度単独も行ってみようとなっていたのだ。

 

その単独がまさに『Hallelujya』 のツアーファイナルだったと思うんだけど、めちゃいいやんけ、となり以来ただのファンとなっている。

 

その後調べている中で小林くん同い年やん、ということも知り、勝手に親近感も合わせてインタビューなんかも読んでいる。

 

Boom Boom Sattelitesの中野さんとやっているThe Spellboundももちろん聴いている。

 

また図らずもBo Ningen、Lillies and Remains、PLASTICZOOMSとも親交がありイベントで共演したり共同開催したりということもあり、すっかり大ファンになっていたりする。

 

『Hallelujya』はそのタイトルからして、ある種祝祭感もある曲から始まり、彼らのルーツの一つでもあるラルクっぽい歌メロもあり、全体的にポップでありながらこれまでの彼らをちゃんと感じる作品で、なんか変わったぞ、しかもいい意味で、と誰しも思っだろう。

 

実際それ以降メディア露出も増えたし、RIDEのオープニングアクトを務めたり昨今のマイブラブームでもしばしば登場するなど、少なくともこの界隈ではすっかり中心的な存在になったと言えるだろう。

 

別にタレント的な側面だけでなくて、ベンジーのバンドでもサポートギターやってたり、ベースの高松さんのリリーズでのサポートはじめ、他のメンバーもバンド外の活動もかなり活発である。

 

ドラムの吉木さんも自身のファッションブランドから派生した音楽プロジェクトもやっったりと、活動もいい感じに広がっている印象だ。

 

当時のツアードキュメンタリー/ライブDVDはクラファンを使ってリリースに至った作品だが、そのドキュメンタリーも日本のオルタナ音楽を聴いている人であればしびれるメンツが登場している。

 

 

と、まあそうした周辺的な情報はともあれ、それ以降の彼らがどんな音楽を展開するのかというのも注目点だったわけだが、音楽性としてはルーツを引き出した点はこれまでと同じベクトルながら、まさかのインダストリアル風味、かつAKIRAのようなサイバーパンク風味も出てきた音楽で、それまでとはまた違った色を見せたことが驚きだったわけだ。

 

業界的には録音環境や音響的な部分でもかなり反響を生んだようで、すでに彼らが違う次元に至っていることを示しつつ、それを当然のように受け止められる環境があったのは私もびっくりした。

 

偉そうに言って申し訳ないが、大きくしたスケールがさらに拡大したような感じで、やっぱ突き抜けたなと思ったのですよ。

 

そこへきて『At The Biginning』はさらにそれを推し進めて、元々あったメロディアスさも狂気的な部分もありつつ、さらに音はスケールアップしていた。

 

音の強度もガッツリ増していて、彼らの充実度が伝わってくる思いだ。

 

コロナ最中のリリースとなったのでライブはなかったわけだが、その分気合の入った映像作品となっている。

 

重低音がまた素晴らしく、小林くんのシャウトも健在。

 

私この1年でスピーカーも買ったんだけど、買ってよかったよね。

 

本当はもっと大音量で聴きたいんだけど、さすがに近所迷惑なのである程度の音量に納めているけど、これはやっぱり生で聴きたい音楽だ。

 

鼓膜だけじゃなくて心臓から震わせるような経験は、やっぱりライブならではだしね。

 

 

ちなみに、この作品は正味1時間くらいの割と短尺ではあるんだけど、流石にBlue rayにしただけあって映像も綺麗で迫力満点。

 

ケンゴさんのギコギコや高松さんの5連符?など、見どころ満載だ。

 

またライブ本編以外にも、メンバーによるライブ見ながらの座談会も収録されており、その様子も面白い。

 

割とちゃんと回そうとする小林くん、演奏が始まると話聞いてないケンゴさん、淡々としている高松さんと吉木さんという感じで。

 

直近の活動状況も語られているので、ファンなら必見である。

 

彼らも10年以上のキャリアになるバンドだけど、お互いの距離感を見ていると絶妙だなと思うよね。

 

 

結局作品について全然書いていないけど、音楽もやっぱり体験だなと改めて思った次第だ。

 

7月にはツアーもあるので、そのチケットは無事ゲット。

 

久ぶりに生でみるかれらを楽しみにしつつ、このライブ映像で期待値を高めておこう。

 

 

元々鬱っぽい世界観を提示していたバンドが、キャリアを重ねる中でこんな時代でも希望のようなものを感じさせる音楽を展開するなんて、誰が想像したであろうか。

 

今という時代ほど、力強い言葉や音が救いになることもあるだろうし、こんな環境下とはいえリアルで、体で体感できることも嬉しいことだ。

 

ツアー楽しみ。

 

 

私にとっての幸福は、コミュ障ではあるがこうした音楽に素直に救いを感じられる感性を持っていたことかもしれない。

 

とりあえず、ライブ本編を楽しみに待ちつつ、楽しませてもらおう。

 

6000円とちょい高めではあるが、その価値は十二分にある作品である。


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ライブだからこそ伝わるあれこれ -アナログフィッシュ

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今日は久しぶりのアナログフィッシュのライブだった。

 

3月のKyoto To Tokyoはチケットを取ったにもかかわらず、緊急事態宣言のせいで開始時間が変更、元々仕事の都合で到着ギリかと思っていたのだけど、1時間半くらい早まったのでこれは間に合わない・・・と断念、配信でみられたものの、やっぱり現場に若くはない。

 

良いライブだったんだよな、本当。

 

なので、ライブ1年弱ぶりという有り様で、それはもう、楽しみだったさ。

 

今回は赤羽Renyという会場で、私は初めましてだったが、バンドとしても初めましてらしい。

 

駅から徒歩数分圏内で、商店街的なところのど真ん中にあってびっくりした。

 

会場自体とても綺麗だったのも驚いたが、入ってさらにびっくりしたのは、椅子がガッツリ並んでいる!

 

まあ、その方が仕切りはしやすいものな、でもやっぱりスタンディングの方がいいなと思いつつ、思い切ってゆっくり見ることに。

 

 

さて、今回のライブだけど、結論からいうとめちゃくちゃ良かった。

 

なんだろうね、何回もみているんだけど、毎回感動するんですよ、彼らのライブには。

 

序盤から"Fine"も演奏され、健太郎さんの腕ぐるぐるも炸裂したり、Ryoさんもコーラスに参加したりと、メンバーもずっと楽しそうだ。

 

22年目のバンドなんだけど、メンバー同士のこの距離感ってすごいなと思ってしまう。

 

仲良いよな。

 

健太郎さんの腕ぐるぐるをじっと見守っている時の下岡さんと州一郎さんの表情がまたなんともいいんだけどね。

 

今回は新曲も多く披露されて、以前からやっていた"YAKISOBA"始め、アナログフィッシュ的ディスコファンクな"Saturday Night"もめちゃくちゃかっこよかった。

 

そのほか曲名はアナウンスがなかったけどギターのアルペジオも鮮やかな曲もあって、新しいこともとりいれつつ従来的な良さもありながらで、アルバムが本当に楽しみ。

 

また旧曲もアグレッシブな曲よりも優しい感じの曲が多かった印象だが、中でもやっぱり”抱きしめて”は本当に名曲だ。


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シンプルな言葉とシンプルなメロディの曲なんだけど、今という時代にもガチッとハマるんだよな。

 

"YAKISOBA"についても、"Copy & Paste"の延長的な曲かなとも思うけど、何気ない、何もないような日常を描写しながら、良い日だったと歌われる。

 

ほんの些細なことを彼女に連絡しようか、まあ会ったときに話せばいいかみたいな本当にどうでもいいような逡巡とか、妙にリアルなんだよな。

 

座っているのでどうしてもテンションも一気に上がらない分じっくり聞くわけだけど、"No Rain No Rainbow"も、歌詞の何気なさに対して間奏がかなりエモーショナルなところもなんでこうなんだろう、なんて考えながら、自分なりに情景を浮かべてみるとバーっと流れていく街の景色とかやりとりとかが浮かんで、そうやってあっという間に意識もされないまま過ぎていくものと、その中でぽんと浮かぶ印象的な瞬間との対比がなんか見えたような思いで、いつになくグッときてしまった。


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元々大好きな曲なんだけど、歌詞が印象的な分演奏に十分耳が行ってなかったけど、改めて聞いてたらすげえいいなって改めて思ったり。

 

 

こうして下岡さんの曲が日常というところにグッとフォーカスしている一方で、もっと感情にフォーカスしたような健太郎さんの曲が違うベクトルでとても救いに響くのがこのバンドの凄さだろう。

 

"アンセム"とか"スピード"とか、"Fine"もそうだけど、大きい曲っていう意味だと健太郎さんの曲の方がスケール感はあるんだよな。


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どっちが良い悪いではなくて、ひびき方が違うっていう話ですね。

 

しんみりしみるのが下岡さんの曲だとしたら、イエーみたいな感じて元気にしてくれるのは健太郎さんの曲である場合が多い。

 

だから良いんですよ、アナログフィッシュは。

 

そして、州一郎さんのドラミングもそれこそマスロックみたいなタイトでドライなフレーズもロック的なヘヴィーで激しいフレーズもニコニコしながら叩き出すし、コーラスでも支えていて良いバランスのバンドだよな。

 

サポートで入っているRyoさんも、今日は"最近のぼくら"ではいろんな楽器を試しながらずっとうろうろしていて、マラカスではしゃぎながら謎のフェードアウトをするなど三枚目を演じて見せたり、いい意味で演奏以外のところでもフィットしている感じがみていてよかったね。

 

歌詞が批評性に満ちた曲なんだけど、絶妙なポップ空間が生まれていた。

 

ちなみに、今日は下岡さんが"Sophiscated Love"の歌詞を間違える場面もあったんだけど、間のMCで自らそこに触れていたり、なんだかリラックスしたムードもよかった。

 

正味1時間半くらいのライブだったけど、本当によかったよ、本当に。

 

スピーカーでは得られない生の感情とか熱量とか、こういうのはライブならではだよね。

 

 

このライブは来週あたりで配信もされるらしい。

 

新曲も出来立てみたいな状態なので、DEMO的な側面もあるはずなので、是非リリース前のサンプルとして聞くのも面白いし、しのごの言わずに良いライブだったので、非常におすすめである。

 

普通にDVDで、ラフなミックスでも良いのリリースして欲しいな。

 

サブスクとかでライブアーカイブ見られるようにしたらいいのに。

 

 

ともあれ、久しぶりの彼らのライブで癒されたし、元気出たし、新しい気づきもあって、よかったよ、本当に。

 

今夜は気持ちよく酒飲んで寝よう。


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80年代、ベリークール -Post Punk/New Waveってかっこいい

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時代に漂うムードみたいなものはそこはかとなく存在している。

 

それは音楽だったり絵画だったり、様々な芸術活動にも表出されるわけだけど、そこに対してなんだかピンときて仕方ない、みたいなことはしばしば起こる。

 

今という時代も、後になれば何か思うのだろうか。

 

私は80年代の、いわゆるポストパンク/ニューウェーブと呼ばれる音楽がなんだか好きで仕方ない。

 

最近は少し遠ざかっていたけど、Spotifyでちょろっと聴いたらまた火がついたようであれこれ聞いてしまっている。

 

かっこいい。

 

ただかっこいいなと思ってしまったので、その気持ちをそのままに、好きな曲の動画をモリモリ貼っていこう。

 

まずはこちら。


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世界的にも売れているニューウェーブの代表的バンド、Depech Modeの1983年の代表曲の一つ"Everything Counts"。

 

打ち込みの入ったインダストリアル的な風味もあるサウンドで、歌詞的には資本主義的な価値観に対する批判も含まれているとか。

 

彼らは元々アイドル的なバンドとしてデビューしたようで、実際この頃はみんななんかキラキラしている。

 

しかし、バリトンな良い声は健在で、ちょうどこのアルバムあたりでは音楽的に目覚めており、徐々に宗教的なモチーフの曲なんかもリリースしつつ、世界的なバンドに上り詰めて行った。

 

日本ではイマイチ広がらなかったららしいが、何故だろうか。

 

ちなみに今も現役である。

 

 

続いてはこちら。


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こちらもインダストリアルロックの源流の一つと言われるKilling Jokeの1st収録"The Wait"。

 

ヴォーカルのJazz Colemanは当時ジョン・ライドンと並ぶ天才と言われていたとか。

 

かなりアグレッシブでメタリックな音楽と、やや呪術的なヴォーカルが絵も言われぬ魅力を放っている。

 

こちらもまだまだ現役で、数年前来日公演も数日にわたって行っている。

 

近年はよりハードロック的な音像になりつつも、反復を繰り返す展開で相変わらず独自性は持っている。

 

ちなみに、コールマンの見た目はジョーカーみたいだ。

 

 

少し爽やかな曲も。


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ご存知The Cureの"Friday I'm In Love"、この曲のイントロがもうたまらない。

 

明るいしポップなんだけど、なんとなく胸を締め付けるような切なさ見たいなものがあて、さらにヴォーカル、ロバート・スミスのちょっと泣きそうな弱々しい声がそれに拍車をかける。

 

歌詞自体は恋愛におけるとても幸せな瞬間についてだと思うけど、この曲は本当に素晴らしい。

 

ギターのメロもこれぞ80年代と言いたくなるような風味満載だ。

 

見た目は変なメイクしているが、爽やかすぎるだろう。

 

実はこの曲は90年代のアルバムリリースだが、バンド自体は80年代からやっているので、よしとしてくれ。

 

この曲、大好きなんですよ。

 

 

ちょっとキテレツなこんな音楽も80年代初だ。


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This Is New Waveとも言われるDEVOのRolling Stonesのカバー"Satisfaction"。

 

全員お揃いのつなぎを着たファッション性からして非常に特徴的だ。

 

メンバーを没個性化することでバンドとして個性が際立つという逆説的な存在で、バンドでありながややコミカルなステージングも見ていて面白い。

 

日本のPolysicsというバンドがかなりわかりやすくオマージュしているので、一部では有名だろう。

 

彼らも良い年だがまだまだ現役、最近ではおじさんが揃いの衣装でポップな音楽合わせてぴょこぴょこ跳ねたりみんなで更新する振り付けがなんだか可愛いともっぱら評判である。

 

かなり癖のある音楽だと思うが、トータルな意味でのポップ性は抜きん出ていると思う。

 

 

続いてはこちら。


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ポップ職人と名高いAndy Partrig率いるXTCの80年の名盤『Black Sea』収録の"Respectable Street"。

 

デビュー当時はDevoにも通じるキテレツなキーボードと変則的なメロディで、どちらかというとパンク的な色の強かった曲調から、徐々に影響源であるビートルズ的なポップさを出すようになっていくが、このアルバムはキャリアの中でも一番ロックっぽいアルバムではないか。

 

私は一時XTCにどハマりしてずっと聴いていた。

 

初期の破天荒な感じもかっこいいんだけど、このアルバム以降のメロディアスな曲も最高で、どのアルバムも本当に大好き。

 

ちなみに、アンディは飛行機恐怖症かなにかでツアーができなくなってしまったので、このアルバムからしばらくしてツアーはしないアルバムアーティストなっていくため、ライブ映像も初期のものしかない。

 

是非70年代の彼らと80年代後半以降の彼らの対比も見てみて欲しい。

 

 

続いてはこちら。


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Echoe and The Bunnymenの『Ocean Rain』収録の"Killing Moon"。

 

実は彼らについてはそこまで詳しくないんだけど、他のバンドと比べて少し影のあるような印象で、当時はこういったバリトン系ヴォーカルが多かったようだが、局長含めてムーディさは随一ではないだろうか。

 

特にこのアルバムは全体にウェットな空気も満載で、こんな梅雨の時期に聴くのもおすすめだ。

 

ギターの音色がちょっと民族音楽っぽいような感じもグッドだ。

 

 

続いてはこちら。


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ご存知Joy Divisionの"Dead Souls"。

 

当時冷却装置と評された音楽性だが、同時代の他のバンドとこうして改めて比べてみるととても無機質に感じるね。

 

ただ、そのサウンドに対して歌詞は非常に詩的であったり、またヴォーカル、イアンのパフォーマンスも肉体的であったりと、彼らなりにパンクバンドだったのである。

 

しかし、このバンドって演奏は素人が聞いても上手いとは思えないし、洗練されて無さがあるんだけど、音楽の魔法とでもいうべきものが漲っている。

 

当時20代前半、Sex Pistolsに当てられてバンドを始めたばかりの若者で、まだまだ円熟なんて遥か遠いところだったであろうキャリアなので当たり前だけど、いまだに多くのバンドに影響を与え続けるだけあって、絵も言われない魅力を持っている。

 

先ほど書いた歌詞については、まあ暗い歌詞なんだけど、魂の慟哭ともいえる表現は、大学時代に私の心を捉えて、今も呼び続けられているような思いだ。

 

後にNew Orderというバンドに化けることでも知られているが、音楽性の転換にも驚くばかりだ。

 

 

長くなってしまったので最後はこちら。


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Gang Of Four の2ndアルバム『Solid Gold』収録の"Hell With Poverty"。

 

1stのジャギジャギした鋭い音楽で一気に世に知られた彼らの2ndは、スピードも落として腰も低く、重低音の響くドスのきいた音楽だったわけだが、世間的にはイマイチだったらしい。

 

でも、私はこの2ndが大好きで、アルバムの構成も非常に素晴らしい。

 

冒頭から重たい、不穏さのある展開で静かに始まり、確かに派手さはないだけど、徐々に盛り上がっていきラストがこの曲である。

 

ノイジーなギターに何気に羽まくているリズム隊、そして狂ったようなハイトーンのヴォーカル、思わず踊り出したくなってしまう。

 

酒を飲みながら聞いていると本当に最高なんですよ、この曲。

 

ベースだって、完全にダンスミュージックですよ。

 

ドスが効いてるだけで。

 

ギターのAndy GillもNew Waveの代表的な人で、他のアーティストのプロデュースなどもしており、先のPolysicsの曲もプロデュースしたことがあった。

 

バンドとしてはアンディを中心に再始動しており、オリジナルメンバーではないが活動もしていたし、ちょくちょく来日もしてくれていたんだけど、昨年亡くなってしまった。

 

いやぁ、まだまだ現役バリバリ感だったのでびっくりしたし、一度は彼の生のギターを見ておけば良かったと後悔したものだ。

 

見た目的にもつり目がちでとんがっている感じで、かっこいいんですよ。

 

今更ながら、ご冥福を祈るばかりだ。

 

 

と、80年代の中でも私の好きな曲、アーティストだけをざっと並べて見たけど、こうして聴いてさえ多様性が満載だし、どこか懐かしさを感じるような曲もあるだろう。

 

90年代の日本のJ-POPの中には明らかに影響受けてるだろみたいな曲も多くあるしね。

 

それはともかく、こうして違うアーティストながらそこはかとなく通じるフィーリングがあるように思うのは不思議なところだ。

 

センス抜群。

 

昔のアーティストでも、良い曲は良いし、色あせるものでもないので、是非聞いてみて欲しいですね。

 

最後に、そんな80年代的なサウンドをここ日本で展開しているこれまたスーパークールなバンドの音源を紹介して終わろう。


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本当はPVがあると良かったが消えてしまっていたね。

 

Lillies and Remainsというバンドだが、バンド名はBouhousの曲名からとられている。

 

 

彼らの音楽を聴いていつも思うのは、理屈じゃなくてクールな音楽だと直感させるということである。

 

是非色々聞いてみてね。

異常な普通の人

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ブログの下書きのところを見ると、途中まで書いて頓挫した記事が結構あった。

 

普通に話をまとめきれずにとっ散らかってしまったのでやめたものもあれば、個人的な感情が溢れすぎてブログとはいえ流石にこれはあんまり出したらいかんな、と思うものも少なくない。

 

別に見ている人も少ないから気にしなくていいと言えばいんだけど、そこは自分なりのモラルというかマナーというか、そういう側面があるのかも知れない。

 

ポジティブなものであれば、他の人から馬鹿かと思われても基本的にポジティブなので、別に憚ることはしないけど、ネガティブなものは見ていて必ずしも気分のいいものではないし、見る側にもそれなりの覚悟とかないと嫌なものしか残さないしね。

 

何よりやっぱりそれを撒き散らすことの下品さみたいなものもあるし。

 

かといって、あんまり溜め込みすぎるとやっぱり体に良くないので、たまにこうして吐き出しているので、まあアホが何か喚いていると思ってくれれば幸いだ

 

 

さて、昨日久しぶりにアマゾンプライムで映画を見ていた。

 

一つは密室ホラーとして名高い『CUBE』という映画。

 

昔『SAW』が話題になった時に、そこに先んじて公開されていて名前を見かけたけど、なんだかんだ見る機会、ていうか見る気があんまりないままに過ごしてきたんだけど、昨日は酒を飲みながらおすすめに出てきたので、とりあえず見てみようと。

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古い映画なので今更ネタバレも気にせずに書いてしまうが、ある日なんの接点もない6人が機会的な密室に閉じ込められて、そこからの脱出を図るためにあれこれするという話だ。

 

それぞれ個人的な問題も抱えている中で、それぞれの強みもあるのでそれを生かしながら協力していこうとするわけだが、ストレスもある中で徐々に破綻していき、協力よりも出し抜くような事態も起きてくる。

 

そして最後に生き残ったのは、知的障害があるが数字には天才的にすごいいわゆるアスペルガーとかかな、というような話である。

 

彼らは巨大な構造物の中に、理由もわからず閉じ込められるのだけど、そうした理不尽な状況で人がどう行動するのか、するべきなのか、ということをメッセージとしては受け取れるのだろう。

 

彼をはじめ、状況を打開したのはしっかりと状況を冷静に捉えて、考えながら行動していった人たちで、言い方は悪いが体が強いだけの男は最後まで害悪でしかなかった。

 

どころか逆恨みして人を殺し始めるんだから、そりゃ胸糞悪いよね。

 

最後にはこいつも構造物に潰される形で死ぬのだけど、無慈悲な巨大構造物はなんの目的かもわからないけど今日も規則的にただ動き続けている。

 

『es』という映画があったけど、ある種の極限状態での人間の醜さと言われるようなところを描いた映画かなと思うから、『SAW』よりはそちらにベクトルは近い印象だったな。

 

別に見終わった後に何のカタルシスもないから、つまらないと思う人はつまらないのだろうな。

 

 

また、その流れでおすすめに流れてきたブラピ主演の『SEVEN』も久しぶりに見た。

 

一時フィンチャー映画をよく見ていて、中古で安かったのでDVDも持っているんだけど、この映画はキリスト教における7つの大罪を主題にしたシリアルキラーを描いたもので、広告でもアホみたいに煽られていたラストに衝撃の展開が!という類の映画である。

 

この手の映画ってその構造が面白いわけでもあるから、この宣伝文句を平気で使っていた番宣会社ってほんと頭悪いなと思うよな。

 

だって、DVDのパッケージでもデカデカと書いているから、自ずから何が待っているかって考えながら見てしまうわけだけど、なんと無く途中から多分こうなんだろうなということが推察できてしまうのだから。

 

ともあれ、映画自体は非常に面白いのと、個人的に最後の方の犯人と刑事の会話が非常にメッセージ性も高く、ある種現代的な殺人犯像の一つでもあるのかな、という気もする。

 

彼は異常性の高い殺し方をしているわけだが、話している口調は極めて丁寧で、ちゃんとものを理解して会話もできる。

 

ただ、根本の価値観が大きく違うので、よくよく聴いていくとこいつヤベェなとなるわけだが、外面的には極めて普通なのである。

 

そして、人の感情ってやっぱりままならないよねというところもあって、ショッキングな映画という意味では非常に面白い映画ですよね。

 

余談だが、犯人の名前はジョン・ドゥ、アメリカでは身元不明の遺体を表す際の名前だそうだ。

 

日本で言えば、名無しの権平というやつらしいね。

 

 

私は割と常識的だし、日常においては極めて倫理的な行動をとっていると思っている。

 

電車では結構さっと席も譲るし、人の嫌がることもしないし、常に周りを見ながら行動をしている。

 

でも、反面でそんなものはくそどうでもいいと思っているところがあるし、そうしている背景は自分自身にとってのリスクを避けるためにやっているに過ぎず、そうでなければ別にこだわる必要のないことだと思っている。

 

もし私の家族とかに害悪を及ぼす奴がいたら、法律とか関係なく徹底的ぶっ潰してやると思っているし、それが間違ったことだと思っていない。

 

正義なんてものはありはしないんだから。

 

 

最近こういうことをつい考えてしまうんだけど、世の中の正義警察を呼ばれる連中が、あちこちで人を批判して、過激に炎上という自体を起こしているわけだけど、こういう人って自分の頭で考えていないから、話にならないし、そのくせ自分のことになると過剰な防衛行動を取るんだけど、その場合も自分でなんとかしようとしないから嫌いなんだよな。

 

なんてことばかり書くとまたネガティブを垂れ流しちゃうんだけど、そんなくだらないことに力使わないで、もっと楽しいこと考えようぜって思うよね。


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Gold Experience -Ogre You Asshole

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今日は勇んでOgre You Assholeのライブへ。

 

前回は12月の2部構成で行われたときだったが、1時間ほどのショートセットだったのでどうしても物足りなさがあったのは正直なところだが、とは言え仕方ないかというところであった。

 

今回のライブは元々3月に開催予定だったものが延期されてしまって今になったわけだが、結果的に私にとっては好都合であった。

 

昨日は私の誕生日であったが、この1週間がめちゃくそ忙しかったので、せめてご褒美くらいあってもいいいじゃないか。

 

祝ってくれる人があるじゃなし、一人仕事終わりの重たい頭を抱えて酒を飲んで過ごしたのだ。

 

明日からしばらく引きこもるよ。

 

 

さて、最近のアルバムはある種向こう側感のある彼らだが、ライブではますますジャム感というか、シューゲイザーとはちょっと違うけど歌パートよりも演奏パートで好き勝手にやっており、ともすればファン置き去りのようなライブが常態化しつつある。

 

それでも彼らがすごいのは、その世界観に引きつける圧倒的なライブ力だろう。

 

音源とは全くと言っていいほど違う音楽をライブではやっている。

 

今回は会場はO-EAST、考えてみたらいつもリキッドだったので、このキャパで彼らのライブを見るのは初めてかもしれない。

 

まあ、どっちにしろ久しぶりのライブだ。

 

ただ楽しみ。

 

 

今回はセットリストもこれまでとかなり変えてきており、最初の曲が”他人の夢”である。

 

是非歌詞を調べてみてみて欲しいけど、彼らなりに今の状況を鑑みてのセレクトかな、とか思ったり。

 

彼らの音楽は、、元々社会性を感じるものではないと思うし、歌詞も抽象的というか観念的というか、そういうものが多いと思うが、文脈がハマると急に状況を抉り出すような感覚になるのは、彼らの作家性というものだろうか。

 

選曲についても、かなりそこは意識的だったんじゃないかなという気がするが、先にも書いた通り歌っている時間よりも演奏でぐんぐんしている時間の方がいつも以上に長かった。

 

それと同時に、いつもとは違う意味でのアグレッシブさというか音の強さみたいなものがあった気がする。

 

彼らの音源は穏やかでスカスカな曲が近年は特に多いけど、ライブは反面ノイズ的な轟音の渦巻くような音像が凄まじいわけだけど、そうした要素はもちろんありつつ、音の一つ一つがすごく主張してくるようなそんな印象だった。

 

言葉にするのは難しい、ニュアンス的なところもあるんだけど、そんな感じがしたんですね。

 

緩急の付け方も見事だし、言い方が正しいかわからないがダンスミュージック的な演奏だった。

 

音源とはアレンジもなにも変わりまくっているので、曲によっては歌を聞いてようやく気がつくこともあるくらいなのだけど、曲間を見事につないでいく様みていると、めちゃくちゃ練っているなと唸らずにはいられない。

 

もっとも聞いている時はそんなことよりもとにかくずっと気持ちよくて、本当に時間という概念がぶっ飛んでいく。

 

本編は実質1時間半くらいだったんだけど、途中時間が飛んでたんじゃないかと思ったくらい圧倒いうまであった。

 

キング・クリムゾンか。

 

本編ラストの曲は新曲だろうか、彼らの近年の曲とはだいぶ様子が違ったが、歌詞が轟音の中で聞き取れなかったのでよくわからなかったけど、凄かった。

 

いやもうね、全部凄かったの。

 

 

その後アンコールでは、会場のサイドステージで演奏が始まり途中から徐々にメンバーが本ステージに写っていくというちょっと変わった演出。

 

サイドステージではスピーカーではなくアンプからしか音が出ていないので、迫力はもちろんだいぶ違うが、逆にこういうものかと思っていたら演出でおおとなんだかにやけてしまった。

 

曲は彼らの代表曲の”ロープ”のロングver、20分くらやっている。

 

プログレか。

 

しかし、最後まで最高でした。

 

 

ライブの価値っていろいろな側面があって、もちろん目の前で好きなアーティストのパフォーマンスがみられるという素朴な楽しみはある。

 

他方で、やっぱり馬鹿でかいスピーカーで爆音で聴くからこそ体中に響いてくる音がリスニングではなくそれとは異なる体験になるのはとても大きなところだと思う。

 

重低音は心臓に響いてくるし、ギターノイズは頭を掻き回してくる。

 

途中、ギターの人の風貌も相まって一瞬Bo Ningenばりのノイズをかましてきてグラグラしてしまった。

 

これって家でスピーカーで聴いていてもえられない経験だし、会場だからこそなんだよな、やっぱり。

 

久しぶりに忘我の境地にもなれて、最高に楽しかったな。

 

その余韻に浸りながら酒を飲んでこの文章を書いているが、芸術は須く生で体験するべくものだと改めて思ったね。

 

 

変な配慮なんてしなくてもいい世の中に、早くなるといいね。


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伝えたいことは、特にない

私は今日誕生日であったのだけど、祝ってくれたのは両親だけである。

 

今年36歳、友達もいないわけではないが、嫁も彼女もいないし、SNSでも誕生日などは非表示にしているので、私の誕生日を知っている人の方が圧倒的に少ないのである。

 

自分で非表示にしていながら、いざ何も言われないとそれはそれで寂しい気持ちにもなるのは、歳を取ったということかもしれない。

 

日中は相変わらずプレッシャーを感じながら仕事をして、懸念の一つも無事片付いたので、やることはあったけどもう切り上げて今は酒を飲んでいる。

 

公表しているのに誰からもリアクションないよりは、とか思ってしまうあたり、私は幾つになっても根本は変わっていない。

 

今更それ自体をどうこうは思わないけど、昔思っていた以上に人は成長しないのかもしれない。

 

とはいえ、ここ5年で年収で200万は上がったし、ネットで調べる平均年収と比べても高いので、結構ちゃんとしてるんだろうなと思いつつ、幾分年上とはいえ友人の方は高いのは知っているから、それが自信になることもない。

 

この年で独身で、せめて稼ぐくらいガッツリでないとただのボンクラじゃないのか、なんて考えは旧世代の価値観であってほしいものだ。

 

 

ともあれ、別にそんなことは毎年珍しいことでもない。

 

去年の今を思えば、全く違うことをやっているけど、どっちにしろ少なくともこの会社では前例のなかったことを手探りでやっている状態は同じだ。

 

去年のそれは一定成果を出して、今うちの会社では当たり前になっている。

 

全て自分の成果だとは思わないけど、対外的にちゃんと売っていたのは私一人だったし、それを思えばよく頑張ったのではないだろうか。

 

多分社内で一番語れると思う。

 

そして今やっている業務も、一応前例はあるにせよ、ちゃんとした型化はもちろんなされていないし、実質1回しかやっていないものを一番その分野のわかっていない私がやっている。

 

それでも、一気にレベルは上がったはずだ。

 

連休前くらいからやっていたけど、この1ヶ月を通してだいぶレベルも上がったはずだし、色々の側面で私自身のレベルも上がっただろう。

 

ストレスも負荷もなかなかだったが、いい勉強にはなったよね、実際。

 

 

そうは言っても、幸せかと言われれば最近はそんなことも考えなくなった。

 

食うには困らないし、昨季の結果から年収で20万くらい上がったし、正直自分が思っていたよりはちゃんと評価してもらえたのは素直に嬉しかった。

 

まあ、どの部署を見通しても、私のような動き方をしている人はいなかったし、でも見えにくいと思っていたのでこうして評価されたのは嬉しかったよね。

 

他がどうかは知らないけど、私は私の強みも出せただろう。

 

最も、入社したときはほぼ孤軍奮闘、昨季の半年は同じレイヤーの仲間がいたが、今はまた実質一人だ。

 

別にいいけど、ここ数年ずっとそんな感じだ。

 

まあ、私にはその方があっているんだろうなと思うけど。

 

 

取り止めはないけど、ここ数年こんな感じだ。

 

昔は40には死んでもいいやと思っていたので、そこからはあと4年の猶予はある。

 

最近前々職の人と久しぶりにやりとりしており、端的に言えば戻ってきてくれと言われているが私にはその気はない。

 

多分退屈してしまうと思うから。

 

なので、空いている時間に知っていることをあれこれと伝えているが、それでも割と感謝してくれるなら、今更ながら恩義に報いているのだろう。

 

私の知識は偏ってはいるが、多分そんじょそこらの同業者よりは深い考察も思考もしているので、結構役に立つはずなんだよね。

 

でももう数年前のトレンドだから、とっくに廃れているところもあるだろうが、本質は変わらない。

 

こんな何年ごしでも声をかけてくれること自体が嬉しいところもあるから、できることがあれば全然協力するよってね。

 

お世話になった人たちだから。

 

もうすぐ今日も終わる。

 

明日はまたいつもどおりだけど、今日だっていつもどおりだ。

 

こうやって人生の時間は放っておくとどんどん過ぎていくから、何かのくさびを打つことは大事だよね。

 

外からのものは何もなかったけど、私は多分少しだけでも成長している。

 

運もなければ下駄もない、キャリアも今の会社の同僚と比べれば華々しさなんて全くない。

 

それでも、私は彼らよりも努力していると思うし、結果的に独自の成果も出している。

 

なめんなよ。

 

ともあれ、今日はゲロ吐くくらい酒飲んでから寝よう。

 

人は変われないけど、それは悪いことばかりじゃない。


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面白い漫画と共感できる漫画 -善悪について

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私が好きな漫画の傾向を考えると、、とりあえずある一つのベクトルが見えてくる。

 

私が中学生くらいの時に流行っていた漫画の一つがシャーマンキングという漫画だったが、話題になり始めたそのタイミングでコミックスも全部売っぱらった。

 

また、最近アニメがリメイクされているダイの大冒険という漫画も、当時リアルタイムでアニメも見ていたが、ストーリーなどは全く覚えていなかった。

 

懐かしさもあってアマゾンプライムとかで見ているんだけど、正直ストーリーというか、軸になっている価値観があまりに肌にあわなくて、つまらないなと思っている。

 

その理由は、主人公たちが絶対の正義で、それは果たされるべき絶対の価値観であるというような世界観に対する嫌悪感にも似た感情のせいである。

 

 

私は元々素直な子だったが、色々あってすっかりひねくれてしまった。

 

おかげでいわゆる勧善懲悪だったり、わかりやすいヒーローが正義でみたいな話には胡散臭さしか感じない。

 

私はプロレスも好きなんだけど、考えてみればその隙の理由もここに通じるのではないかと最近思うがそれはまた別な機会に譲るとして、いずれにせよストレートな漫画よりもひねりのある考え抜かれたストーリーの漫画はとても好きだ。

 

 

最近になって読んでハマってしまったのが、ヤンマガで連載されているらしい『マイホームヒーロー』という漫画である。

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先日のアメトークの漫画好き芸人でも名前が出てきていたが、漫画アプリに入っていたので暇な時に読んでみたんだけど、めちゃくちゃ面白い。

 

あまり語るとネタバレになるけど、物語は娘の彼氏を父親が殺害するところから始まるという非常にエキセントリックな内容である。

 

これだけ書くとさぞ懺悔に満ちた鬱々としたものをイメージするかもしれないが、この漫画の絶妙さは、その自体の重大さに対して全体にどこか間が抜けていると言うか力が抜けていると言うか、なんだかほのぼのしているのである。

 

絵の雰囲気のせいもあるけど、主人公はその父親と妻である母、そしてその娘である。

 

読み初めは設定だったり色々のところが意味がわからないところもたくさんあるにせよ、単純にその展開だけでも毎回唸らせられる。

 

そして、今14巻まで出ているけど、ストーリーが進むにつれて色々と明らかになってくる部分もあって、今改めて1巻から読み直すと色々の伏線にも気がつくのでまた唸るのである。

 

この話の面白さの一つが倫理観、法律を含むルールと正義というものの相克のようなところだと思っている。

 

明確に語られる部分と物語の構造的なところから感じるものとあるんだけど、その辺りの描き方が巧妙なのである。

 

最初に書いたが、主人公は殺人犯である。

 

にもかかわらず、読んでいるとこの主人公に感情移入してしまうし、なんなら主人公たちの幸せを願わずには言われないのである。

 

自分の家族を守るためだったらなんでもやってやる、という思いこそが人間らしさだろう。

 

この漫画タイトルの意味も読み進めていく中で、そこに込められた意味もわかってくるけど、この漫画は私の中の価値観に非常にマッチするところもあるので、めちゃくちゃハマってしまい、結局KINDLEで全巻買ってしまった。

 

その価値がこの漫画にはある。

 

先が気になって仕方ないが、新しいコミックスが出るのを歯を食いしばってまとう。

 

 

こうしていくつか衝動的に買ってしまった漫画あるのだけど、上記以外だと『あせとせっけん』というラブコメである。

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私が普段読んでいる漫画とは全く毛色が違うもので、フェティシズムから始まった恋愛漫画なので、大まかなストーリーはコンプレックスを抱えた女の子が自分を受け入れて幸せになるまでの物語であるので、非常に古典的なストーリーでもある。

 

別に何が新しいわけでもないし、他人からみればどういうことはないのではと思うような出来事ばかりだけど、とにかくずっと平和というか、穏やかな世界が展開されていて、絵も可愛らしい感じなので読んでいてほっとするのである。

 

青年誌なのでセクシー要素もあるものの、割と生々しい大人の恋愛という見方もできるだろう。

 

この物語では、主人公である麻子さんの個人的な問題が、ある男にであったことで少しずつ解かれていくんだけど、全てを乗り越えるわけではないくて、評価を見るとそこに対して批判的な見方をしている人もいるらしい。

 

だけど、現実にはなんでもかんでも乗り越えないといけないわけじゃないし、本当に嫌いな奴とは一生関わらない選択肢はあるんだから。

 

逃げるは恥だが〜というドラマもあったけど、実際そうだと私は思っている。

 

嫌いな奴とは極力かかわらない、どうしようもないことはうまく折り合いをつける方法を探す、それでいいじゃないか。

 

とりあえずこの漫画には心底悪い奴がほとんど出てこない。

 

そういう優しい世界もたまには触れていたいじゃないか、というわけである。

 

ちょうど先日最終巻も出て完結しているので、よかったらみてみて欲しい。

 

 

その意味だと、こちらも漫画アプリで読んでいるだけだが、すけべ心で読みはじめたのに図らずもだいぶ感動してハマってしまったのがこの漫画だ。

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2.5次元の誘惑』という、いわゆるアニオタ、コスプレイヤーを題材にした漫画である。

 

主人公は高校生で、廃部間近の漫画研究部にガチオタの女の子が入部、その子がコスプレイヤーとして有名になっていく中で主人公たる2次元にしか興味のない男子高生と、その周りの子達も成長していくというちょっと変わった青春漫画だ。

 

新しいタイプのスポ根漫画ともいえるかもしれない。

 

エロいシーンもあるので初めはスケベ心で読み始めたんだけど、読んでいくうちに胸熱になっているのである。

 

一応言っておくが、私はいわゆるアニメオタクではないし、残念ながらアニメのキャラに恋をする感覚はわからない。

 

もちろん好きな女性キャラクタとか、こういうタイプの女性好き、とかはあるけど、多分普通の感覚以上のものはなくて、リアルの女の子にしくはないと思っている。

 

そんな私の感覚からすると、いわゆるコスプレの世界のコアな部分にも触れているので、そういう世界もあるのかという興味関心もあるにせよ、出てくるキャラクタが尽く優しいのだ。

 

嫌な奴がない。

 

この漫画で主人公がよく発する台詞の一つが、「オタクは人の好きを否定しない!」という言葉だ。

 

私はジャンルは違うけどオタク気質なところはあるので、この点については非常に共感できた。

 

私は音楽が好きだしプロレスも好きなので、その辺りについてはついあれこれめんどくさいことを話し出すことがある。

 

相手は興味ないのはわかっていても、つい楽しくなってしまい後から後悔するのだ。

 

その時に、「そんなもの何がいいの?」と(笑)みたいな感じで反応する奴とは仲良くなれない。

 

「なるほど、すまんがわからんけど、取り合えず好きなのはわかったよ」くらいで言ってくれるとその人のことも好きになる。

 

別に肯定なんてしてくれなくていいし、わからないのは仕方ないとわかっている。

 

だけど否定だけはしないで、それをされると相手が思っている以上にこっちは凹むし、その人のことを信用できなくなるのである。

 

アニメオタクとかの人は、そういう思いに晒されやすいんだろうなとは思うけど、この漫画にはそんなやつは出てこない。

 

後ろめたさを抱えているキャラも登場するが、みんなそれを受け入れていくし、なんなら好きな人しか出てこないから、とても平和なのである。

 

ここでいう平和というのは、全てが肯定されていると言う意味ではない。

 

受け入れられているということが大事である。

 

こちらはアプリ内で読めるところまでしか読めていないけど、こういう漫画って読んでいて嫌な気持ちにならないし、先にも書いたけどコスプレのコアなオタク漫画かと思いきや、結構スポ根的な展開や人間ドラマみたいなものもたくさんあって、面白いのである。

 

表紙から美少女キャラのちょっとエッチな絵柄なので、書店で購入するにはいささか恥ずかしさもあるけど、この漫画は最近よく言われる自己肯定感だったりコミュニケーションというものを考えさせてくれるいい漫画だと思う。

 

世界平和ってこう言うところにあるんじゃないかと本気で私は思っている節もあるので。

 

 

最後に、なんだかんだ私の中で善悪の話を考える時に素晴らしいと考えると、やっぱりこの漫画の価値観や世界観は大好きだ。

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一部カルト的な人気を誇っていたネオ時代劇漫画『無限の住人』である。

 

アフタヌーンで連載しており、10何年も連載された大作で、数年前に完結している。

 

アニメ化は2回されており、実写でも木村拓哉主演で映画化もされているが、残念ながらいずれの映像化もこの漫画の本質を完全に欠如していると私は思っているので、是非漫画で読んで欲しい。

 

主人公は不死の体をもっており、腕を切られてもくっつくし、心臓を疲れても頭を疲れても死なない。

 

そんな彼をもう一人の主人公である、親を殺された少女が用心棒として雇い、仇討ちの旅に出るというのが大枠のストーリーなので、基本的なプロットはわかりやすい時代劇と言える。

 

この物語においても正義や悪について語られるところがあるのだけど、その価値観は常に中立で、おそらく見る人によっても感情移入するキャラクタも違うだろうし、だからこそ結末をよしとしない人もたくさんあるだろう。

 

この物語では、各々の立場や価値観から正義を考えているが、自信を正義と唱えるものは幕府の役人くらいのものである。

 

面白いのは、彼の言う正義には多分多くの人は賛同できないであろう反面、かといって共感的に感じられるキャラも普通に考えれば悪人なのである。

 

大体主人公の万次は百人の役人を殺したお尋ね者、敵討ちの相手も市井の道場を叩き潰しまくっているし、その構成員は人斬りに外道ばかり、幕府サイドも罪人の集まりを使役させていたり、役人が多くの人を理不尽な理由で殺していたり、誰がどうみても正義だといえる存在がそもそもいないのである。

 

だからこそ人間臭いし、世の中一筋縄ではいかないよねという話にもなるし、色々と考えさせられるわけである。

 

「自ら正義を語るものは世を滅ぼし、自ら悪を語るものが得てしてよを救う」というのは、この漫画の物語においても非常に重要なエピソードの中で語られる台詞であるが、ある種の真理だと思っている。

 

そうした絶妙なきびを映像作品では尽く落としてしまっているので、見る価値はない。

 

 

このような描き方や世界観だけでなく、漫画として絶妙な間があり、静かな展開も好きなんだけどね。

 

作者も元油絵を描いていた芸術学科出身だったと思うので、絵も綺麗でかっこいいのもあるけどね。

 

余談だが、この漫画の中での最強キャラはアダ的側の女性剣士であるが、理想の女性と言われるとこの人はかなり上位に入る。

 

蒔絵さんみたいなクールながら熱い感じ、大好き。

 

少し前の作品だけど、この漫画は私はことあるごとにおすすめしている。

 

もっと知られて欲しい作品である。

 

 

と、今回は急に最近読んでいる漫画をいくつか紹介してみた。

 

色々のエンタメ作品がある中で、そこに様々なメッセージだったりを忍ばせている作品は、ある種の芸術と同じ暗い価値のあるものだ。

 

また、別にWe Are The Worldみたいに分かり合う必要なんて私はないと思っているし、分かり合えると思っていること自体がエゴだから、それによって争いは加速すると思ってる。

 

大事なことは違いを許容することで、分かり合えない存在でも認めることしか平和はありえないと思っている。

 

そう言うことを感じさせてくれる漫画は、メインのテーマやモチーフによらず、私は好きになる傾向がある。

 

善悪なんて立場がかれば変わるし、強いて言えば一面的な正義や悪を自分の価値観ではない背景で語るような奴こそが悪だと思っている。

 

それも私の考え方でしかないので押し付ける気はないけど、優しさの正体は肯定ではなく受容にこそあると私は思っているけどね。

 

その観点で本当に救いがなくて読んでいて鬱になる漫画は、『軍鶏』だろうか。


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