音楽放談 pt.2

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アンティピカルな精神で ―Back Drop Bomb

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日本のロックシーンは2極化が著しい、という話を聞いた事がある。

日本でロックという言葉がどういう風にとらえられているか、というのを考えると、自ずとその意味するところはわかる気がする。

私もロック好きです、という事あるんだけど、そうするとやっぱりB’zが一番出てくるよね。

別に彼らを否定するつもりはないけど、要するにロックはああいう音楽をさすと思っている。

ただ、最近ではホルモンなんかも割とオリコンチャートにも出てくるし、あるいはアジカンみたいなのも結構人気にもなっているから、多少門戸は広がったのかもしれない。

もっとも、そもそもそんなにジャンルなんて考えて音楽聴いてない人の方が多いんだろうけど。

ほんとに気をつけないといけないな、と思うのが、自分としてはあまりに普通だし、仲のいい友人と話すときでもそれで通じるからついそうしちゃうんだけど、やっぱりそこまでガッツリ音楽を聴いている人って少ないんだよね。

もちろん聴いて入るんだけど、そのほとんどはスタイルがどうのというよりももっと単純なレベルでの善し悪しの判断らしいんだよね。

だから私はこうしてわざわざブログに書いている訳である。

この音楽が良いです、好きなんです、てね。

寂しいとか、いわないでね。


話を戻すと、海外ではインディというものが一般化しており、もはや本質的な部分がかなり薄くなってしまっている例が少ない状況であるという。

場合によってはインディといういタームそのものが重要であって、その方がメジャーよりもクールで売れる、という場合もあるようだ。

それに対して日本のインディというのは、あくまでメジャーの下位概念であり、精神的な部分についてはあまり海外のそれとは共有していない、という認識が強いのではないかと思う。

しかし、本質的なインディはやはりいるもので、実は掘り込んでいくと相当面白い世界が広がっているという話はよく聴くのである。

しかし、そうした連中は本当に成功に対する野心もなく、純粋に音楽的であり、またそうしたバンドをメディアも取り上げない状況にあるため、探そうと思ってもどこから手を付けてよいのかわからない、という事もしばしばである。

今のような時代ではそういう人は余計に表に出る事を嫌いそうな気もする。

だからこそ面白い音楽が出ていそうなんだけどね。


で、90年代終わり頃、インディ系バンドを中心に行われていたAirjamというイベントがあった。

日本においてインディという概念が広く知れ渡るようになったきっかけになったとか、そんな話を聞いたことがある。

私は残念ながら話に聴いたくらいで、実際どういうものだったかはよくわからないんだけど、当時その最中にあった人は本当によかったなあ、と言った体で語る場合が多い。

Wikipediaなどを見ても記述がないので、知っている人は是非詳しくレジュメしてくれるとありがたいです。

それはともかく、当時イベントの中心にいたバンドといえば、今は解散したHi-Standardである。

私は今に至もまともに聴いた事ないんだけど、音楽的にはいわゆるメロコアパンク系であるという事なので、そんなにこないかな、と思っちゃうからつい手を出さないんだよね。

でも、元メンバーの灘波がKyonoのワグダグに参加したり、自身がやっているUltra Brainも、音楽性は結構嫌いじゃないので、やっぱり聴いてみると面白いかもしれない。


そんなAirjamに参加していたバンドの一つにBack Drop Bombもいた。

YouTubeでも映像が見れるんだけど、今ほどぶっとんだ音楽性でもない感じが面白い。

もちろん良いんだけどね。

そんなBDBも今月11日にはベスト盤が出る。

インディ時代の音源も含めたDVDとの2枚組という豪華仕様で、ファンとしては是非手に入れたい一品である。

しかし、実はまだすべてのオリジナルアルバムをきた事がある訳ではない。

1stとなる「Micromaximum」という奴が、店頭でもなかなか見つからなくてね。

是非ベスト前に、と思っていたらもうこの時期に。

なのでAmazonで発注したので、明日来る予定である。


と、今ではすっかり大好きであるBDBであるが、私が最初に聴いた彼らのアルバムは、「Breakdawn」という奴。

多分ファンの間でも賛否の別れる、ちょっとした転換作でもある。

それまでは英語詞ですべて(厳密にはすべてではないけど)唄われていたが、今作から日本語詞も大々的に取り入れており、ここら辺でやっぱり難しさが出ているのは確かかもしれないと思う。

最初聴いた率直な感想としては、曲はかっこいい、でも詞と声が今一、であった。

多分彼らのアティチュードといった部分は好きなんだけど、それを日本語の歌詞にしてしまったときの感じが今一だったのね。

ヴォーカルの声もあんまり好きな感じじゃなかったしね。


でも、聞き込むうちに、詞の表現自体はどうしてもう~ん、という部分はあったんだけど、声は端に今まで聴いてた奴と違って耳に馴染んでいなかっただけで別に本質的に駄目、て分けでもなかったし、演奏だったりアレンジだったりがかっこ良くて、アルバムとしての流れもよかったので、それから他のも聴くようになったのですね。

そのすぐ後くらいに新譜が出て、しかもライヴもあったのでそれからはガッツリなんだけど。

このアルバムは音圧もそんなに強くないし、密度もかなり控えてある。

それに攻撃的な要素が非常に少なく、或る意味では一番聴きやすい内容でもある。

それでも友人に貸してみたら今一だったみたいだけど。

彼には初期の方がしっくりきたかもしれない。


それはともかく、曲単位で見ていくと、キャリア随一と言っても良いくらいの曲も結構あったりする。

"アンティピカル"”Like 8 Beat”"Boogie and Swerve""In Order to Find the New Sense""graySongzone""Twisted"などなど。

まああえて外しただけで、ぶっちゃけこれは今一、という曲ってないんだよね。

個人的な趣向で最初に聴いたものについ思い入れをしすぎる癖があるんだけど、それでも良い曲多いと思うよ。

耳に残るっていうか。

まあその理由は実は日本語詞の影響が強いのかもしれないけどね。


BDBの曲ってのは、わりとベースラインが最高にかっこいい奴が多い。

ドライヴ感のあるラインが本当にかっこ良くて、その上で複雑なギターが絡むというのが良いんですね。

「Venometeoric」もそうだけど、そういうベースラインが強いアレンジなのはこのアルバムから、という印象だな。

「Nipsong」ではもっとアグレッシヴなドラムとギターの印象がとにかく強いし。

路線的には混沌を極めるような方向に行っているが、すごく刺激的だね。

ミクスチャーという言葉でかつて括られていたが、今やその言葉自他が陳腐になってしまっているね。


彼らはトイズファクトリーから出しているので、一応メジャーレーベルと契約している訳である。

しかし、多分彼らは売れてない。

従ってレコード会社的にはおいしくないアーティストであるだろうと思われる。

彼らの音楽に対するスタンスは完全にインディのそれだろうし。

大体このバンドを知っている人はどれだけあるだろうか、という感じがするしね。

或る層を境に知名度はかなり変わるだろう。

それがやっぱり日本のロックシーン、ひいては音楽業界の現状って奴なんだと思う。

こういう人たちの音楽をこそ聴くべきであり、もっと広く知らしめるべきなのに、商業主義が過ぎているんだよね。

クソみたいな茶番を垂れ流してばかりでは、いずれレコード会社は淘汰されるんじゃないか、といいたいけど 日本ではそれはないだろうね。

なぜならそれほど音楽が求められてないからね。

体のいいものを量産できる限りは大丈夫なんだよ、多分ね。

そして本当に良いものはどんどんアングラシーンへ、ていう感じかな。


まあ、そんな事はどうでもよくて、重要なのは良い音楽が聴ける環境がちゃんとあるってことだよね。

最近海外系でも昔の奴にさかのぼろうとしても、音源が既に手に入らない場合が少なくない。

単にマイナーだから、という一点の為に。

もったいないよね。

とにもかくにも、BDBのベストはちょっと楽しみ、そして次作も早く聴きたいし、ライヴももっと見たいのですね。

4.29にフェス形式のイベントに出る事が決まっているので、とりあえず先行には申し込んだけど。

他にブラフマンやアシッドマン、時雨なんかも出るんですね。

或る層にはたまらないラインナップである。

ちなみに昨年BDBの初ライヴをみたのも4.29(Green Day)であった。

今年もBDB見れるといいな。