思ったよりも大変な状況になるつつある世の中で、取引先や友人の会社でも罹患者が出たという話を聞くと他人事ではないわけだが、私は相も変わらず満員電車で出勤して、元気に仕事をしている。
しかし、いつもよりも明らかに人口密度は低下しており、結構快適だったりする。
ちょくちょく友人と酒を飲んだりしているので、世間的には眉を潜められそうだが、一方で少しでも経済を回さないと病気以外で死ぬことになる。
その懸念がだんだんデカくなってきているように思う。
いつも深夜まで営業していた近所のスーパーも、最近は閉店時間が早まって私が帰宅する時間にはすでに営業終了状態だ。
でも、本当はこの方が健全なのかなとも思う。
図らずも3月、かつての震災後も街は静かで、駅の電気は少なくなって、街が静かで夜が早かった記憶がある。
いつの間にかまたギラギラしていたけど、こんなに働くのもよくないよね。
仕事がないよりはマシか。
さて、そうは言っても季節は春だ。
先週はまさかの雪だったが、毎年3月下旬には一度雪が降る。
そこから一気に暖かくなって空気も変わっていくのだけど、いつの時期もこの季節の変わり目はいいね。
こんな時期にぴったりだと個人的に思っている曲を勝手に並べよう。
家にいて暇ならチェックしてくれ。
まずはこちら。
NINE BLACK ALPS "SUPERMARKET CLOTHES"
UKの遅れてきたグランジ、Nine Black Alpsの”Supermarket Clothse”。
もうデビューして15年くらいになると思うけど、その間アルバムを5枚リリース、EPやライブアルバムも出しており、実はちょくちょく日本にもきている。
私は不幸にもそのタイミングに限って死ぬほど忙しくてまだ行けていない。
デビュー当時はヴォーカルの風貌も相まってNirvanaのフォローなどと言われていたこともあるが、実際はPixiesの方であるらしい。
音楽的にはグランジ的な音楽にUK的なメランコリックさを孕んでおり、曲は須くポップ。
直情的なギターはまさにロックな感じて、2ndくらいから聴いているがずっと好き。
音楽的に大きなデビューから変わっていないのだけど、曲そのものが素晴らしければそれでいい。
またきて欲しい、アルバムも待っている。
続いてはこちら。
The Coral - Reaching Out For A Friend (Official Video)
2002年デビュー、The Strokesなどと同時代のバンド、The Coralの昨年リリースされたアルバムに収録の"Reaching Out For A Friend"。
同世代のバンドの中では一番多作だろう、ベスト、EPも含めて10枚、割とコンスタントにリリースしている。
音楽的にはサイケロックとフォーキーな感じもありつつ、ヴォーカルはキャプテン・ビーフハーフっぽいしゃがれた声で、最近では本当にいい味わいが出てきた。
こちらはほとんど来日がない。
きてくれ、本当に。。。
続いてはこちら。
ちょうど今週新作もリリースされたが、タイトルでこの曲を。
イントロの野太いアグレッシブなベースラインから、憂いを帯びたピアノが絡む展開が最高すぎる。
不幸にもギタリストが昨年病気で、まさのこの時期に他界してしまったのだけど、彼らはそこから休止をせずにライブも音源制作も進めてきて、その命日の前日にアルバムをリリースした。
そちらは新メンバーの影響と、やはり音楽的にも大きな存在だったギタリストの不在もあってエレクトロ多めで全体に重たいアルバムではあったが、変わらずカッコよかった。
6月には単独も決まっているので、楽しみだ。
続いてはこちら。
The 1975 - The City (Official Video)
近年のデビュー組では一番の成功者ではないだろうか、The 1975の”The City”。
この曲のポップなフィーリングはいいよね。
「愛を見つけたいなら、それが街は街にある」なんて一節があるわけだが、ときめきだね。
そんなに熱心なファンというわけではないけど、どの曲もポップでいい。
続いてはこちら。
日本のアンダーグランド、本日休演の”けむをまこう”。
春眠暁を覚えず、なんて言葉もあるが、まさにそんな風景を感じる。
気怠い歌詞も逃避的でストレスに塗れる現代人、特に日本人的な生真面目さからたまには解放されたいものだ。
今日みたいな天気のいい日に、人気のない公園でぼけっと缶コーヒーでも飲みながら聴いていると最高である。
最後はこちら。
salyu × salyu「続きを」(from "s(o)un(d)beams")special movie
Salyuの色々なアーティストとのコラボ企画の際の名義、Salyu×Salyuの、Corneliusが音楽面を前面プロデュースしたアルバム『Soundbeams』のラストを飾る”続きを”。
作詞は坂本慎太郎だ。
かの震災前の曲だけど、その後の世界においてとても大きな意味を感じさせる歌の一つだ。
この完成っていうのは、むしろ今この時代にこそよりフィットするようになっているんじゃないだろうか。
Twitterで話題になっている100日後に死ぬワニという漫画なんかもそうだけど、日常が日常であることの奇跡みたいなものをより感じることは最近多いなと思うのだ。
"お〜 ただの空 ただの雲 ただの見慣れた町"
"お〜 ただの路地 ただの角 全てがなぜかまぶしい"
このシンプルな言葉の中にある含蓄、行間を読むとはこのことかと思うわけだが、多分誰にとってもそれぞれの景色がなんとなく浮かんでくるのではないだろうか。
毎朝の通勤・通学経路、行きつけの店、好きな遊び場、よく飲む友達、両親とか家族とか、気がつけば当たり前になっている人やものはいくらでもあるんだけど、それは危うい線上で奇跡的に成り立っているだけで、ふとしたことで崩れてしまうし、崩れる瞬間は驚くほどあっけない。
だから感謝しようとかそういう話ではなくて、せめて楽しんで生きるのが人生なんだろうな、という話である。
4月は多くの人にとって変化の訪れる時期だろう。
新しい日常、当たり前がまさに生まれ始める時期でもあるので、なんだか私は好きである。
是非素敵な音楽を聴きながら、楽しく過ごして行きたいものだ。