昨日は久しぶりのTha Blue Herbのライブ。
全国ツアーの折り返し地点、東京では2Daysだ。
チケットは販売開始早々に買ったんだけど、開始時間が早かったので間に合うかしら、と不安だったが仕事は早々にぶっちぎって間に合わせた。
今年で25周年の、日本のヒップホップではこの世代でバリバリの現役は彼らとスチャダラパーとライムスターくらいと言われる。
もう50を迎えたラッパーの表現はどうなっていくんだろうというのはかつてのロックと同じ問題だろう。
日本に入ってから、そろそろヒップホップもそういうフェーズになってきて、彼らはその最先端にいる。
他の2組はエンタメ的な色も強いので、その意味では長く活動しやすい存在だと思うが、TBHはより硬派でメッセージ性も強く、本当にゴリゴリな世界観だ。
歳を取れば否定することよりも受け入れることを覚えるし、ムカつくやつの数以上に感謝したくなる人の数も増えていくので、それに沿うように表現も変わってきている。
それを迎合と取られてしまう世界では離れていくファンもいるだろうけど、彼らはそうはなっていない。
平気で2時間以上の凄まじまいライブを全国でやり続けている彼らは、練習してる、これは金儲けだとはっきり言う。
プロだなと毎回本当に思う。
ファンも古株のヒップホップファンもいるが、私のようなロックを中心に聴いている層もいる。
年齢も中年がボリュームゾーンだが、若い子もいるし、昨日は制服姿の女の子もいてびっくりした。
きっと各世代で響き方は違うだろうけど、そんな音楽をやり続けているわけだ。
私は多分13年くらい前から彼らを聴いている。
当時は3rdの頃だと思うけど、よく聴いていたのは1stとかシングルとかその辺りだったな。
個人的には戦いの音楽だったのよ。
それから年も取れば世界の受け取り方が変わるわけで、3rd以降の良さが年々染み渡るし、近作もアルバム、epいずれもどれも良いんだよね。
頭を殴られるような衝撃とかではなく、じんわりと染み込んでくる感じ。
ああ、確かになとか、そうなんだよなとか、そんな聴き方をしている。
ちゃんと歳を取ってるんだよね、そしてそれが明らかに良い方向で。
とかく歳を取ることにネガティブなキャンペーンの多い国だと思うけど、個人的にはそんなことはあんまりないと思ってなくて、もちろん若い子を見て羨ましいなと思うことも年々増えていくし、昔の自分を思い出してはため息が出ることもある。
だけど、それはそれとしてちゃんと受け入れながら、おっさんになっていくのも別に悪いこととも思ってない。
そんな心情にちゃんとはまってくるんだよね。
でも、そんな表現を若い子たちも聴いているのが面白いよね。
毎度のことながらライブは素晴らしく、時間の感覚が軽く吹っ飛んでいく。
色々考えながら、思い出しながら、噛み締めながら聴いてるんだけど、この情報量の音楽でそれがずっと続く。
気づいたらそうさせられてる。
カッコいいなと思うよな。
アナログフィッシュもそうだけど、やっぱり彼らも一緒に歳を取ってくれるアーティストなんだよな。
60過ぎた還暦ラッパーのBOSSが、どんなトラックで何を歌うのか、それも楽しみだよね。
その時私はまだ50にはなっていないけど、人生の終盤をいよいよ考えているか、何かの拍子にもう死んでいるか、それはわからないが、少なくともこれから先生きているうちはずっと聴いている音楽の一つだろう。
増えることはあってももう減らない、そんな段階にきたんだろうね,彼らは。
年末も楽しみだ。
この曲、いい曲だよな。