音楽放談 pt.2

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Tha BossとLillies and Remains

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今週は週の半ばにライブ2連ちゃん、一つはTha Blue HerbのMC、Tha Bossのソロ2ndのリリースライブ、もう一つはLillies and Remainsのこちらはシングルのリリースライブである。

 

TBHは先週末にイベントで観たばかりで、まさかの同週になるのだけど、その時は持ち時間50分と短かったので、この日のためのプロローグと思っている。

 

一方のリリーズは昨年末のライブは行けなかったので、1年ぶりくらいになるだろう。

 

新しい曲は出てくるが、アルバムがなかなか見えてこないのがもどかしいところもあるとはいえこうして活動してくれていることが嬉しい。

 

 

まずはTha Blue Herb、Bossのソロ2ndのリリースライブなので、当然だが客演の出演も期待させる。

 

前回の1stの時もそうだったけど、個人的にちょっと懸念なのは、前回のように客演のファンがわけのわからんことをすることだ。

 

ここで言ってしまうと、案の定ライブ中カメラを向ける奴らはいたし、なんかそれを残念に思う自分がいるんですよね。

 

中盤過ぎくらいに、それを見越したようにBossが「俺らのライブじゃカメラ向けるやつなんかいねぇ、今日の動画も写真もプロにちゃんと頼んでるから、お前らはプロの観客として俺らを盛り上げてくれ」というMCをしたんだけど、私の目の前にいた撮影隊はバツが悪そうにその後は取らないかと思いきや、ZORNが出てきたらまた写真も動画も撮ってた。

 

ZORNが見てもガッカリするぜ、なんかそういう自分が支持するアーティストへのリスペクトみたいなものを欠くようなことは個人的には残念だと思うんだけど、まあ仕方ないよなとも思う。

 

 

それはともかく、ライブはやっぱり最高なんですよ。

 

新作を軸にしたセットリストにしつつも、過去の曲の配し方も、客演とのエピソードをキチンと踏まえたものになっている。

 

もちろん大型予想はできるところはあるにせよ、その繋ぎを過去の曲で見事に表現するのはさすがだ。

 

めちゃくちゃ練ったんだろうな。

 

客演はほぼアルバムの曲順に倣って登場。

 

まずは三重からのJEVA、まだまだ若手だ。

 

彼の曲のリリックでも語られているけど、これから世に出ていくことを夢見るようなところと、目の前の現実が交錯したようなバースが素晴らしい。

 

目立ちたがりのBossなのに、彼らにキチンと見せ場も作っているところが、今のフェーズを感じさせる一方で、曲になれば簡単には譲らない。

 

この大人気なさが最高なんだけどね。

 

 

続くはShingo★西成。

 

例の掛け合いもしっかりやりつつ、ピースフルな雰囲気が楽しい。

 

見た目のいかつさに反して絶妙に緩いラップを披露するShingoに対して、Bossは硬派に攻める。

 

そのコントラストもよくて、思わずニヤニヤしてしまう。

 

 

続くは今や盟友となったYou★The Rockだ。

 

前回のライブでは自分のバースをトチってしまったのはもはや語り草だが、今回も要所要所に怪しいところはあったものの、かつてありえないほどピースフルな曲を見事に披露。

 

今回のライブでもプチやらかしをかますのだが、それもご愛嬌か。

 

私は地味にこの曲好きなんですよ。

 

 

そして4人目はBossが現役チャンピオンと認めるチルドレン、Zornだ。

 

ほとんどのラッパーに、お前らなんか大したことねぇよと言い放つBossが、はっきりとお前らが今のチャンピオンだと正面切って認める存在だ。

 

私もライブは初めて見たけど、多分最初は緊張してたんだろうなと思った。

 

彼とはこの客演の曲だけでなく、『新小岩』で共演した”Life Story”も披露。

 

まあ、盛り上がるよね、かっこよかった。

 

かつて憧れら人に真正面から称賛されて、こうしてライブでもゲストとして自分が登場するというのはどんな気持ちなんだろうか。

 

MCでは「もう引退してください」と冗談めかしていうと、Bossは「それはやだw」というやりとりがまたよかったし、そこにKREVAも絡めて「KREVAさんも同じこと言ってましたw」という会話がよかった。

 

大人げなんていらないなと思ったよね。

 

 

そして最後の客演はあの人、RhymstarのMummy-Dである。

 

私は古いファンではないし、ヒップホップはそんなに聴いていないのでそこまでの熱量は共有できないけど、昔からのファンからすればたまらない瞬間だったろうね。

 

どこか気恥ずかしさを感じさせるMummy-Dの佇まいもなんか新鮮だ。

 

会場はLiquidroomだったけど、この規模でライブするようなグループでもないしね。

 

さらに今回はサプライズもあって、まさにこの日ソロデビューというMummy-Dは、その1曲目がなんとBossとの共演。

 

初披露となった曲はかつてと今の彼らありきの曲だけど、これこそがLife Storyだ。

 

曲自体は二人の対話みたいな曲だけど、人生の重さありきだよな。

 

ぶっちゃけそんなにライムスのファンて訳でもないけど、普通にテンションだがるよね。

 

よかった。

 

 

と、客演のところをざっと上げたけど、Bossはもうずっとかっこいい訳ですよ。

 

途中何箇所かトチったし、自身でそこで即興を挟んだと言っていたけど、でも時間にして2時間半、これをずっとやってのけるだけでそもそも凄まじい。

 

そしてなにより新たなアンセムとも言える”Yearning"、この曲は本当にいい。

 

彼のアーティスト人生を変えたという”And Again”は割と中盤に披露されたけど、新たなアンセムをちゃんと生み出していく。

 

「ないなら創る、居ないなら成る」というシンプルな言葉がTBH自体を表しているし、Bossの生き様そのままだ。

 

曲も最高で、思わず泣きそうになる。

 

若い奴にはまだわからないかもしれないけど、この歳になるとできないことも覚えてくるし、それでもなんかやってやりテェなって、おっさんは思うんですよ。

 

ラストまで今のBoss自身の思いを載せたようなセットリストで、最高ですよ。

 

そりゃもう、最高ですよ。

 

最高だった、それだけだ。


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日付変わって翌日は久しぶりなLillies and Remains。

年末のライブはまさかの日程勘違いによりいけなかったのよ・・・。

 

ともあれ、いよいよ新譜の期待も高まるタイミング、既に発表されたシングルもめちゃくちゃよかった訳で、期待値しかない中での単独だ。

 

これだけ期待させておいてどうなるのよとね。

 

今回のライブでは、Bassが高松さんではなく別の人に。

 

今話題?のRuby Sparksの人らしい。

 

まだまだバンドとしてはスウィングしきっていないかなと思いつつ、そもそも曲がかっこいいからライブで聴けばそりゃテンション上がるさ。

 

新旧織り交ぜたセットリストながら、さらりと新曲を披露。

 

どれもリリーズだ。

 

既に発表された"Neon Lights"もめちゃいい曲なんだけど、ライブでもやっぱりいい曲だった。


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この曲以外にも未発表曲も演奏されたけど、期待を裏切らない。

 

もはや新しいギターリフが浮かばないと冗談めかしてKENTはいうが、大丈夫だよ、余裕でかっこいいから。

 

時間的には1時間半くらいだったけど、ただ最高でした。

 

私はやっぱりこの系統が大好きです。

 

耽美的でナルシスティックでどこか儚くて、まさにロマンティック。

 

直感的にピンとくる感覚はむしろ稀有で、哲学で徹底叩きのめされたTBHに対して、美学でぶちのめされるリリーズ、どっちもそれぞれのカラーがあって、最高だったし、幸せだった。

 

そして終演後にはついにアルバムリリースとツアーが発表された。

 

待ってました、という訳でとりあえず申し込んでおいた。

 

実に9年ぶりとなる新作、楽しみしかない。


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と、50過ぎてまだまだ攻めていく先輩と、マイペースに自分を貫いていく同年代、どっちも私には響くんですよ。

 

音楽性も活動スタンスも全然違う二組だけど、刺激になったしシンプルに楽しかった。

 

TBHは8月にまた単独、リリーズは7月に新譜で10月にライブ、ただただ楽しみ。

 

追うものは追われるものに勝る。

 

最高だった。


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