音楽放談 pt.2

SEO強化をしていこう。

小休止216「秋口だけど春と修羅」

先日足を運んだRAYというアイドルに絡んで、SNS上では色々の意見が飛んでいる。

 

それは彼女たちの新曲に端を発しているようで、何せあのdowny青木ロビンがアイドルに曲を提供するなんて、ちょっとした事件である。

 

私も偉そうに言えるほどではないが、復活後は結構な頻度でライブにも足を運んでいるし、過去のアルバムもさかのぼって聴いて、聴くにつけ凄まじい音楽をやっているバンドだというのは知っているし、恐ろしくストイックな集団なので、本当にアイドルに提供するような音楽ではないのだ。

 

加えてバンドメンバーがナンバガにノベンバ、54-71とインディロックの中でも極北みたいな人たちが集まっているのだから反響がないわけがない。

 

出来上がった曲を聴けば、どこを切っても青木ロビンの曲で、これマジか!?とびっくりしたものだ。


www.youtube.com

ファンからすれば、普通にdownyとして聴きたいくらいである。

 

強いて言えば、歌詞はちょっと女子が歌うことを意識したんだろうとは思うが、それでもアイドルに嘔吐とか歌わせちゃんだから。

 

意外なことに、本人たちもそれなりに楽しんでいたようなので、それはそれでよかったが、受け取った子たちはこれからこの曲をどう自分たちの曲にしていくか、とても大きな課題なのではないだろうか。

 

downyだ!て言わせないためにどうするのか、ハードルが高すぎる。

 

 

ともあれ、このとてつもない人材を持ってきたばかりに、色々の批判も出ているらしい。

 

量的にどれくらいかまではわからないが、プロデューサーの人も頻繁にコメントを出しているので、それなりの量だったのだろう。

 

私もみた批判的な意見の中には、00年代前半くらいのオルタナ音楽にハマった層を明確にターゲットにして、その層が好みそうなテイストを若い女の子のアイドルを使って発信して、それで金儲けをしているという批判である。

 

文化的盗用のような言葉も飛び交っていて、要は作っている人がかつての自分たちのアイドル的な存在で、その人の作ったという大きな盾+若くて可愛い女の子という、伝統的に何かといえば性や経済の消費対象とされている対象を使っていることに対する嫌悪感みたいなものをどうしても覚えてしまう、と言うことらしい。

 

出てきた作品そのものは確かにいいと思ってしまうが、その思ってしまう感覚そのものがいかにも狙ってさせられているように感じる、と言うことらしい。

 

 

個人的にはその感覚はよくわかるし、私もそういうことを感じることは少なくない。

 

少し軸は違うけど、私はわかりやすいエンタメや、ディズニーランドみたいなものはどうも苦手なのである。

 

理由は、ここが盛り上がりどころですよ!ここが楽しむところですよ!といちいち言われているような感覚がどうも居心地が悪いのだ。

 

観客なんか置き去りで、好きなことを遠慮なくぶつけてくるような表現の方が好きなんですね。

 

それこそdownyの音楽なんてその極みみたいなもので、歌ってはいるが言葉は不明瞭だからシンガロングなんてない、変拍子満載で聴き込んだファンですらどう乗ったものか迷いながら自分なりのリズムを探すようなライブ、陰鬱としてシリアスな曲は、明るさとかそんなものよりも自分に向き合わせられるような類で、わかりやすいものはかけらもない。

 

そんな彼らが、表層を愛されてなんぼみたいなアイドルに楽曲を提供して、それに反応するファンがまんまとそのアイドルをみてお金を落とすようになる、というのが許せないのだろう。

 

 

私も昔はそう思っていたけど、最近はそうも思わなくなった。

 

楽曲提供についても、そもそも作っている本人が楽しんでやっているようだし、何より閉じた世界であるよりも、もっといろんな人の耳に触れて欲しい存在なので、その気っっかけがアイドルでもいいではないか、と思えるようになっている。

 

また、アイドルの子たちは金儲けの道具にされている、という見方も、その側面はあるにしても、これも結局当人たちがどう感じるかである。

 

それは表には見えてこないからつまるところわからないが、本人たちがその環境も利用してデカくなってやるぜ、と思ってやっているのなら良いではないかと思ってしまう。

 

あるいは心底楽しんでいるとかね。

 

大体金儲けの道具に、とか言われているが、残念ながらRAYというグループはまだそこまで売れていないだろう。

 

まだまだコアな世界にいる状態だ。

 

またメンバー個々のSNSやnoteを見ると、発信が得意な子もいればそうでない子もいるので、色々の苦悶もみてとれるが、楽しんでいる部分もあるのかなと思えてはいる。

 

逆に彼女たちを可哀想だとか、利用されているだけとか、そういう評価を下すことの方が逆にその若い子たちは搾取されているという枠組みの中に押し込めてあらぬ煙を立てているとも言えるだろう。

 

実際のところは本人たちにしかわからないし、受け入れられない人にはどうしても受け入れられないのも仕方ないが、いずれにせよそうした批判が出てくること自体も、ある意味ではいいことなのかもしれない。

 

オタクという人種は、自分にとっての聖地を犯されることを本能的に忌避するが、つまるところそういう頑ななオタクがその文化そのものを滅亡に追いやるものだ。

 

ただのヤドカリで終わるのか、ここからさらに存在感を示すのかは、つまるところ本人たちの頑張りだったり色々の環境だったり次第だ。


www.youtube.com

アイドル全然関係ないけど、リリックがマッチするかなと思って挟んでおく。

 

色々言う奴もおるけど気にすんな。

 

私としては、好きなアーティストが楽しんで仕事をしていて、それを受け入れる子たちも楽しみながら自分たちの物してやる、みたいな気迫がみられるなら、それでいいではないかと思う。

 

何なら提供側も、彼らの持つ最大限のポップネスを捻り出すので、出来上がった曲はなんだかんだいい。

 

その曲をきっかけに、バンド自体のファンも増えればいいことではないか。

 

私のように逆のパターンもあるが、そうした広がりを産む窓口になっていけば、その方がよいではないか。

 

綺麗事ではなく金がなければどうにもならないから、稼ぐことは大事だ。

 

売り物になる要素は最大限利用してやる、ていう貪欲さがないと、アート界隈でも生きてはいけないだろ。

 

ぜひプロデューサーの人にはただの趣味の発露だけじゃなくて、アイドルの子達も楽しめる環境だったり、クリエイターの人にもポジティブに還元されるような循環を作ってくれることを祈るばかりだ。

 

私は音楽が好きだし、Spotifyはプレミアムプランだし、音源も買うし、ライブも好きだ。

 

ファンとしてはできるだけお金は払うので、末長く素晴らしい活動をしてくれることを願っているのですね。

 

 

まあ、色々書いたけど、なんだかんだ若い子達が頑張っている姿って、おっさんになると尊くて仕方ないのよ。

 

職場では男でも女の子でも関係なくて、とにかく若い子達にのびのびとやって欲しい。

 

厳しい環境もあるし、しんどい思いをしないといけない場面もあるけど、せめてサポートはするから頑張ってみろって思うんですよね。

 

私はそんなにアイドルに詳しくもないし好んで聴くこともあまりないけど、RAYはすでに好きになっている。

 

曲もいいのだけど、あのライブとかみたら、やはり応援したくなってしまうよな。

 

泡沫のようなアイドルの世界で、生き残っていくこと自体も大変だろうけど、今まさに一つステップを上ろうとしているタイミングだ。

 

ぶっちゃけ音楽性的に、東京ドームでやるようなことはないだろうけど、Liquidroomあたりをコンスタントに埋めるくらいには十分なれるだろう。

 

この世界にはコアなやつがたくさんいる。

 

メンバーの中には曲を作ったり楽器をやるメンバーもいるようだし、鬼ほど音楽を聞いているドープな子もいる。

 

色々言う奴もいるけど、それだけ人の目が集まるようになったのだから、芸能としては成長の証だろう。

 

頑張って行って欲しいですね。


www.youtube.com

今はまさに大きくなりはじめの春の煌めきと、それをよく思わないネガティブな修羅のような環境にも晒されているだろう、とて。

 

でもやっぱり、downyかっこいいな。