音楽放談 pt.2

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言葉のリズム ―Maximo Park

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音楽を聴く、といったときに、ほとんどの人は歌を思い出すであろう。

日本的な、いわゆる歌謡曲というのは日本人の音楽観にやはりつよい影響を与えている。

歌のない、いわゆるインストゥルメンタルのやつは、どうも敷居が高いように感じられてしまう人は多いだろう。

最近でこそ聴けるようになったけど、なかなか味わい方がわからなかったもの。

今だってわかっているわけではないが、でも楽しめるものね。

時には歌がないほうがいいじゃん、と思うことだってある。

でも、そうはいってもやっぱり歌モノは好きである。

人の声による言葉のリズムは、やはり外の楽器のだすそれとは違うのである。


ここ最近出てきたバンドの中で奇妙にすきな奴がある。

Maximo Parkというバンドなのだが、いわゆるポストパンリバイバルという流れで括られるバンドのひとつである。

FutureheadsやBlock Partyなんかと同じにね。

これら2バンドに比べて、マキシモが一番ポップに意識的な印象がある。

メロディはXTCが引き合いに出されるように、ひねくれていて一筋縄でゃ行かない印象である。

ライヴに行くとよくわかるよ。


画像は彼らの1stアルバムで、当時はポストパンク勢のなかでも頭一つ飛びぬけていると目されていた。

しかし、音楽的にはBlock Partyのほうが、時勢も相俟ってより評価を高めていくが、個人的にはやはりこいつらのほうが好きである。

パキパキとしたプラスチックな感触で、ヴォーカルも非常に演劇的、歌詞を見ても文学的で、非常にインテリジェンスな印象のバンドである。

やや変則的なドラムに始まる1曲目から、もうツボであった。

2曲目は彼らの名を知らしめた、今でもライヴでは一番の盛り上がりを見せる"Apply Some Pressure"である。

まさに真骨頂とも言うべき楽曲で、曲の展開もめまぐるしくなんだかバタバタする感じもあるが、聴いていて楽しい曲である。

このアルバムには捨て曲と呼ぶべきものはないし、アルバム通して聴いてもすごくいい。


彼らの曲は、ほとんどすべて口ずさみたくなるメロディがある。

また、とにかく一言一言が非常にはっきりしているので、言葉のリズムが非常に心地よいのである。

最近は、ともすれば何を言っているのかわかりにくい歌い方なんかが多い気がするが、それはそれでいいんだけど、やはり言葉に重きを置いた場合、やはりはっきりしている事は断然いいのである。

ただ、このバンドの面白いところは、非常にヴォーカルがはっきりしている一方で、他の楽器がそれを引き立てるのい徹するわけではなく、キーボードもギターもドラムもベースも、非常に主張してくる。

その節操のない感じもいいのである。

ライヴだと、各人のそういった凌ぎの削りあいのようなパフォーマンスもすごく見所である。


昨今の情勢から言うと、やや外れてしまいそのため今一注目されにくいんだけど、上質で楽しいポップソングを書くバンドである。

影もなく、でも思いはあり、歌があり、プレイがあり、センスも光る。

このジャケット、非常にシンプルにしてスタイリッシュでしょ。

ぜひ一度、聴いてみて欲しいね。


Maximo Park - Apply Some Pressure