いよいよ年の瀬で、そろそろ個人的年ランキングをつけなくちゃ、というタイミングである。
1位は既に決まっているが、それ以下はなかなか難しい。
まあ、次回の記事ではまとめられればと思うが。
で、このタイミングで書くのは昨年出たアルバム。
Maximo Parkの現時点での最新作『Quicken The Heart』である。
音楽背自体は大きく変わる事はないが、アルバムごとに異なったカラーを出しており、しかも曲は基本的に良いのでクオリティは高い、しかし今ひとつ話題にならない、そんなバンドである。
本国ではかなり人気もあるのだが、日本ではぱっとしないというのは実際である。
とはいえ一部私のような割と熱いファンもいるのも事実。
XTCとか好きならハマると思うけど。
で、このアルバムなのですが、最近改めて聴いているとやっぱり良い曲は多いし、売れない理由は特に見当たらない。
確かに派手な曲はないのだが、どの曲もシングルカットできるくらいポップだし、ロック的なダイナミズムもあるからライブでも楽しそうだし。
とはいえ、私自身このアルバムの第一印象は、悪くないけどぱっとしない、であった。
前2作はのっけからわくわくさせるような展開もあり、特に2ndは個人的には非常に素晴らしいと思っているのだけど、それはやはり曲順も非常に関係あるだろう。
毎回同じものを作れと言う噺ではもちろんないのだが、このアルバムは中盤にさしかかった辺りの曲が特に粒が良い。
"Calm"以降かな、場所的には。
曲調もバリエーションがあるし、一本調子でないのはいかにも彼等らしい。
では何故売れないのか、と言えば、何故だろうか。
やはり第一印象のパッとしない感だろうか。
なんでぱっとしないのだろうか、というと序盤の曲や、ややくぐもったような音質に依るかもしれない。
どうしてもっとクリアな印象にしなかったのだろうか。
それが野暮ったく感じられる原因にも思われる。
それがいつもこのアルバムを聴くともう事である。
後半になると耳が慣れるのか、それも気にならなくなるけど、やはり序盤はずっと気になるのである。
彼等はクレバーでスマートなバンドである。
インテリジェンスを非常に感じる、上品さがある。
そういうのはバンドのパーソナリティとしてすごく良いと思うし、そんな彼等だから多分意図もあったのだろうとは思う。
なんかそれを外したのかもしれない。
曲は良いので、やっぱり勿体なかったな、とか思ってしまうのである。
そんな彼等も、今新作のレコーディングに入っているらしい。
多分来年には出ると思うので、楽しみである。
基本的に曲は良いし、音楽性も好みなので、何のかんの言っても待っているアーティストである。