学生の頃はエアコンも使わ真っ裸で部屋に横たわっていた。
夜中にバイトをしていたので、昼間はそうして寝ていたのだが、危うく死にそうになった事もあった。
それでも無闇に元気だったのは若さ故か。
時の経過とは儚いものだ。
さて、そんなお年を召しつつあるまだまだ若い俺は、最近は割と邦楽ロックを聴いている。
iPodに収録されているアルバム数も、ついに邦楽が上回ると言う快挙(?)。
何故かと言うと、単純に最近は邦楽アルバムをよく買っているから。
また友人から借りた音源も基本的には邦楽だったので、今はちょうどそういうタイミングなのである。
でも、改めて聴いてみれば、別に洋楽が特別かっこいい訳でもないし、邦楽がださい訳でもない。
日本の音楽だってまだまだ終わっていない。
当たり前だ。
AKBなんかがランキングにのぼるのを観て「日本の音楽が」とか抜かしている奴はそもそも音楽なんて聴いていない奴なんだろうなとつくづくに思うのであった。
さて、そうして聴いているアルバムの一つが、関西在住のインディ系バンド、スムルースのアルバム。
タイトルは『純愛サプリメント』という、これまたトキメキを禁じえない。
知っている人は知っている、でもあんまり知っている人はいないというこのバンド。
たしかメジャーデビューはしており、PVにたしか麒麟の田村を使って、流行のドラマ仕立てのものを出していたが、あまり話題にはならなかった。
このバンドの場合、そんな安易な事をするよりも、普通にやっている方が面白いものが取れるのに。
まあ、話題作りだったんだろうね。
で、そんな彼等の音楽は、売れてない割にはメチャクチャポップだったりする。
イントロから激キャッチーだし、メロディも素晴らしい。
歌詞は独特な表現が目立つのだが、しみる人にはかなりしみるんじゃないかな。
彼等の場合、大きく2つのパターンが観られる。
一つはハイパー幸せモードな曲。
これは実にポジティブで楽しさ満点。
もう一つは失恋系。
こちらは激しく女々しい。
後者ほど世間的には受けが良さそうだが。
ちなみにこのアルバムでも、名曲と呼ぶべき曲が多数収録されている。
割と素朴と言うか、朴訥とした表現もあって、所謂ラブソングづくしな曲ながら、視点があくまでパーソナルで、男の女々しさという奴を見事に表現していると思う。
それゆえ私には珍しく聴いているのである。
このアルバムでも、冒頭3曲は既に素晴らしい。
文科系のモテない女子にも好まれそうな優しい内容でもあり、もっと売れても良いバンドだと思う。
で、このアルバムのハイライトは終盤のシングル2曲だろうな。
’6月の天気予報’はキーボードのアレンジが実にすばらしい。
キラキラとした音色がすごく綺麗で、グッテイスト。
また’ストライドブルー’は完全は失恋ソング。
いきなり別れを切り出されて、ショックでぶっ飛ばされて、悲しみに暮れつつ自分なりに向き合って行くような内容。
イントロのベースラインがすごく良い。
曲も実にわかりやすいポップさ。
で、彼等の面白いところはアートワークにもある。
どうやらヴォーカルの徳田って人が色々手がけているらしいのだが、歌詞カードがゆるいマンガになっている。
ちなみにアルバムの内容とは全く関係がないようだ。
意味不明で、支離滅裂、だけどなんだか笑える。
彼等のバンドとしてのパーソナリティってこんなんなんだろうね。
こういうところも好きなのである。
最近はたと気がついたのだが、私はどうやら変わった表現をする人が好きらしい。
ACIDMANも系統は違うけど、独特な歌詞を書くし。
おっといけない、人間椅子を忘れていた!
日本語である分、より言葉がダイレクトに入ってくるので、必然そのないようであるとかが気になる訳だけど、そうなったときに同じような言葉で「あなたが好きです」を繰り返すだけに一体なんの面白みがあるのか。
ストレートな歌詞と言えば聞こえは良いが、ひっくり返せば皆が言っている事お反芻しているに過ぎない。
音楽には少なからずアートという側面もある訳であるから、ただの作文じゃいけないよね。
そこに意識的であるか否かも、アーティストとしての資質としても重要ではないかと。
もちろんメッセージありきであれば、伝わらなければ意味がないから奇を衒うような態度が必ずしも正解ではないにしても、今度は説得力がそこには求められる。
少なくともJ-POPと呼ばれる一群にそんな奴らはいない。
ま、そんなことはともかくとして、もっと売れても良いバンドだと思う。
普通に良い曲書いているので、よろしければチェックしてみてください。
合わない人には合わないとは思うけどね。
”6月の天気予報”