私が小学生のときにパーンと"Escape"がヒットした事で一時期は誰もが知っているバンドであったが、その花火は実にあっけなく散った。
デビュー当時はポストMr. Childrenと呼ばれたりもしていたらしく、後年の歌の中で本人がそんな状況を皮肉っている。
個人的にミスチルは聴く価値はないのだが、Moon Childは気がつけば27歳を過ぎた今でも聴いている。
正確には佐々木収さんの音楽を、だけど。
少し前に赤坂Blitzのライブについては書いたのだが、結局Shibuya-AXにも行ってきた。
全開のソールドアウト公演とは違い、箱が少し大きくなった事もあってか、チケットはかなり苦戦したらしい。
恐らく実売数は6割かせいぜい7割行けば良いところだったのだろう。
まさかの1階前列は椅子が並べられているという有様。
びっくりしたぜ。
それでも後方は8割弱くらいの密度(フロアの柵より後ろだけで、ですよ)、ちらりと見えた招待客リストの多さから観ても、やはり2発目AXは重かったと言わざるを得ない。
恐らくある世代では"Escape"を知らない人はいないと思うけど、どうしても一発屋と呼ばれるバンドの現状はこういうものかもしれない。
とはいえ、好きなファンからしたらそんな事はどうでも良いのである。
全開オサムさんの体調不良もあり、演奏もなんだか乗り切っていない感じは否めなかったので、今回は是非リベンジしてほしいところであった。
結果から言えば、ライブは素晴らしかったです。
年齢的なものもあるから高音部ではやや声は出し辛そうだったが、歌はうまいし、変な踊りは健在、テンション上がりすぎて途中意味不明になっていたけど、前回よりも演奏も良かったし、MCも冴えていたね。
まあ、グダグダなんだけど。
結局セットリストは前回と大きくは変わらず、初めと曲順が少し違うくらい。
アンコールでもそれほど変わらないしね。
それはちょっと残念だったし、MCはもう少し少なくても良いから曲をやってほしかった、というのはやはりある。
なにせ次は何時やるかわからんしね。
まあ、オサムさんソロでムンチャ曲は結構やっているらしいから、そこに行けばオサムヴォーカルは聴けるのだけど、やはりMoon Childというバンドとして観る事に価値がある訳で。
ともあれ、やっぱり彼等の曲はいいな、と思ったのでした。
それにしても、今回のライブでは1stからの曲が非常に多い印象があった。
"Brandnew Gear""ラブソング""Over The Rainbow""Sweet R&R Music""Evertyhing To Love, Every Thing To Lose""Good-Bye Bye"とね。
2ndからは”アネモネ”"Wild Cherry""選ばれた場所"”Escape""Hallelujya In The Snow""Prelude?""微熱""ララバイ"、カップリングで"夏草の想い”てな具合。
ん、というより3rdの曲がないだけか。
結局2日間観ても"Star Tours""フリスビー""グロリア""Requiem For The Man Of Nomad"だけである。
やはり彼に取っては暗黒期の曲なんだろうか。
個人的には大好きなのに。
それはともかく、改めて聴いていると1stの曲はホントにキラキラしたポップな曲が満載である。
歌詞も恥ずかしくなるくらいの青臭さもありつつ、ただメロディは比較的王道な感じだよね。
2ndはよりロックな曲が多いから、ライブでは断然カッコいいのであるが、今回の客層もいわゆるJ-POPを普段聴いている人たちみたいだから、1st的な曲の方が乗りやすいのかな、という印象はあった。
だって、左右に手を振ってみたり、よくGLAYのライブとかで見かける手を前後にやる奴とか、そういうのがすごい出てくるんだもん。
しかもアンコール待ちの手拍子しながら「アンコール!アンコール!」ていうのもライブで初めてきいたな。
そんな具合に、いつもと違う客層に戸惑いつつもなんやかんや楽しめたのでよかったです。
曲はホントに良い曲多いから、これを機にまた見直しが進むといいのだけどね。