音楽放談 pt.2

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立ち位置の確立 ―Arctic Monkeys

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今年はかなり大物系のリリースが相次いでいる印象である。

NINは、何回でも登場させたいところだが、Arcade Fireも出したし、AutechreもEP出してたね。

他にもFour TetQOTSA、Vampire Weekendとか、非常に嬉しい限り。

年初ではHorrorsとかKlaxonsもでるという話があったが、未だに音沙汰がない。

個人的にはVelvet Teenも昨年9月頃に「ミックスが終わったぜ!」みたいな書き込みの後すっかり音沙汰がないのが気になるところだ。

今月末にはMIAは出るようだし、嬉しい事だ。

しかし、なんだか1月とか4月とか、それくらいに出たものは既に昨年のリリースだったかのような錯覚も覚えてしまう訳で、果たして何がそんなに私の時間を加速させているのかわからないが、ともあれ時間軸が少しおかしい。


それはともかく、すっかり大物入りを果たしたのはArctic Monkeys

リリースの度に話題になるが、大概玄人筋が褒めて一般層はガッカリ、という構図が目立つようになってきた。

3rd以来、すっかり腰を据えた割とどっしりとした音を作るようになっていて、1st、2ndを愛聴するような層には響かない作品をリリースしているのである。

既に5枚目となるアルバムを今年出して、しかもセルフタイトルという気合いの入り様。

彼等自信、インタビューで自信のほどを伺わせていたが、聴いてみるとなるほどという部分もありつつ、やっぱり初期のファンはダメだろうなと言う印象。

全体的にミドルテンポの曲が大半を占めており、ファストな曲はない。

所謂横道なロックンロールといった趣で、ここ3rd以降の路線の一つの到達点と観ていいだろう。


前作はもう少し穏やかな曲も多く、バランス的には一番良かったのかな、問い雨期もするが、殊ロックンロールという視点で見ると大人しい印象も強かったしね。

それに比べると、ある種吹っ切れ感というか、宣材写真でも観られる堂々感というかな、が感じられる。

彼等自身が楽しんで作ったのだろうなという事が聴いて取れて、それはそれで面白い。

またやっぱり3rdでQOTSAのジョシュと仕事をした経験が彼等、特にVoのアレックスにとっては非常に大きな経験だったのだろうね。

QOTSAの新作にも参加しているが、ギターリフや曲調など、明らかに影響を感じるんだよね。

デビュー盤であれだけ大々的に登場したので、周囲からの重圧や色々あったのは確かだろう。

ベースもオリジナルメンバーは脱退しているからその辺りもあるんじゃないかな、なんて勝手に思ってしまうが、いずれにせよ音楽業界で長く、自分を崩さずにやって行くかと言うときに一つのロールモデルになったんじゃないかな。


ともあれ、所謂ロックンロールな作風の今作は、内容としては充実作といっていいが、まあ商業的には難しいだろうなという印象。

しかし、彼等がそれで何かを気に病む事はないだろうし、ひょっとしたら次作以降はまた1st的な作品を作ってくるかもしれないかな、なんて思う。

自分達が好きなようにやっても周囲も含め成り立つような状況にはもうなっているだろうしね。

むしろ、若者のバンドだったのがこういった作品を通してもっと上の世代にも波及して行くようになれば、パイが広がる話だからもはや誰も文句を言わないし、ライブなどでもより幅広い層に訴求して行くことになるのかもしれない。

そこまで戦略的に動いているとしたらさすがとしか言いようがないが、多分そこまでは考えてないのかなとも思うが。


いずれにせよ、ここ数年でデビューしたバンドの中では一番の成功者はやはり彼等と言って間違いないだろう。

商業面、話題面も期待値も、作品クオリティも、恐らく長く名を残す事は間違いないし、自分がもっと年を取ったとしても彼らの音楽は聴いているんじゃないかな、というイメージができる。

強かなことである。