音楽放談 pt.2

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楽しむ人 ―Smashing Pumpkins

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オルタナ記念周年も一段落付いたような印象もするが、そんな中ですっかり90年代バンドも一区切り付いたのだろうか。

Nine Inch Nailsも復活アルバムは非常に良かったし、それに伴うツアーも好評だが、一方ですっかりサントラワークが板についたトレントは益々かつての面影をなくして行く。

Instagramかなんかに嫁と一緒に映った写真を上げていたが、黒斑のお洒落眼鏡なぞ掛けてしまって、「I Hate Everyone」などと歌っていた頃とはすっかり様変わりしている。

それでもトレントが幸せならファンとしては嬉しい限りだが、これから歌われる歌詞も益々変わったものになって行くだろうし、NIN自体も異なる在り方をして行くだろう。

でも、うまくキャリアを発展できたよね。

Sound Gardenはどうなったのだろう、Alice In ChainやRage Against The Machineなどもあまリ音沙汰を聴かなくなった。

そういえばザックがJack Whiteのライブに飛び入りしたらしいというニュースもあったが、レイジの新譜は都市伝説に終わったようだ。

Nirvanaもそろそろ出すものが亡くなってきただろうから、本当に古典の仲間入りであろう。


そんな中になって一人気を吐いているのが、みんな大好きスマパンことSmashing Pumpkinsだろう。

一時解散していたが、ヴォーカル・ビリーのソロを経て再結成、その後もアルバム作んない!とか言いながら今も音楽を作り続けている。

しかし、気がつけば相棒のドラマー、ジミーもいなくなって、既にビリーのソロプロジェクトとなってしまっている現状を見るに、果たしてこれはスマパンなのだろうか、という疑問は誰しも抱く事だろう。

それでも、昨年サマソニミスチル地蔵に遭遇した際、彼等に皮肉をぶつけたというからその精神は未だ健在だろう。


とはいえ、音楽的なことを言えば一定以上のクオリティのものを出し続けているとはいえ、かつてのスマパンを期待してしまうファンからは軒並み不評が続いている。

ビリーが「サイアミより・・・」「メロンコリーより・・・」なんて話を毎回するから余計に違うじゃん!と言ってファンがわななくのである。

そんな余計な事を言わなければ、今少し評価もされるだろうに。

まあ、正直言って再結成直後の『Zitguist』以降はパッとしない。

その後は脱アルバム宣言からフリーダウンロードで1曲ずつリリースして、都合44曲にしたる!と意気込んでみたものの、その計画は頓挫。

曰く「思ったより届いてない」とか。

うっかりさんだな、ビリーは。

その間都合13曲かそこらの曲を出したが、それは半ば宙に浮いたような格好になったので、私もまともに聴いていない。

その後アルバム『Oseania』を、サイアミ再び!的に世にはなったものの、1曲目のドラムが名曲”Cherub Rock”(綴りが違うかもですが)のようなだけで、アルバムは全然別物だった。

同じものを期待していた訳ではないが、そんな中途半端なトレースの仕方をするからいかんのよ。


で、昨年末頃に新しいアルバムを出したのだが、今回は「メロンコリーを・・」なんて言っていたのだけど、やっぱり全然違うものが出来ていた。

もっとも彼がそう言ったのはアルバムの特徴と言うよりは彼の創作時のテンションとか、そういう部分についてだったのだろうけど、ファンは必ずしもそうは解釈しない。

すっかり他のメンバーの存在が意識されなくなった今、ひたすらビリーの自己満足の追求する場として存在するスマパンという名前は、ファンにとっては「もう辞めてくれよ」という悲鳴の元にしかならないだろう。


とはいえ、そうした諸々から一旦距離を置いて新しいアルバムを聴いてみると、決して悪くないのである。

曲は全体的にポップさを強めて、魅力の一つでもあったある種の刹那さというか、そういうものが亡くなって純粋にいい曲として鳴っている。

収録時間も30分そこそこと短く、彼の作る作品にあってはかなり短尺でもある。

元々ソングライティング力のあるだし、変な気負いもなくなって純粋に楽しんでいるから、それが音楽にも反映されているんだろうね。

書評的にはもはや誰も評しようともしないようで、アマゾンレビューも寂しい事だ。

だけど、これがスマパンという名前でなければもっとよかっただろうに。


この頃はこのアルバム絡みで雑誌にも出ているが、すっかり肥えている。

デブ、ということはないけど、いい感じの中年太りだ。

顔つきも穏やかだが、先日のグラミーでのKanye Westの発言に対して「僕なら殴ってた」なんて発言する当たりをみると、体はともかく丸くなった訳ではないらしいね。

本人が楽しそうだし、曲そのものもクオリティは一定上だと思うし、何より元気だからこのままマイペースに音楽キャリアを積んで行くのも一つの在り方だろう。

ある意味では純粋な音楽家だし、このまま死ぬまで音楽を作り続ける人をみるのもいいかもしれない。


引き続き音楽を作り続けてほしいですね。