
先週の話になってしまうが、すっかり恒例となったHostess Club Weekenderへ行ってきた。
前日はアナログフィッシュの単独だったので、先週末はライブずくめで楽しかったですね。
翌日は非常に体が重かったですが。
それはともかく、イベントとしても定着して、チケットはソールドアウトが当たり前になってきている。
会場は恵比寿ガーデンプレイスか新木場が多いのだけど、その程度なら定期開催で埋められるから、そろそろスケールアップも検討される時期かもしれないが、もう2回くらいはこれくらいでやった方がブランド力があがるだろうか。
さて、今回はベルセバがトリの1日目、2日目はSt.Vincentがトリであったのだけど、私は2日目のみ参加。
このアーティストが大好きだから、と言う訳ではなかったが、今話題のTemplesやレディへのドラマー、更にはサーストン・ムーアも出るから色々観とこうと言う訳。
少なくともイベントとしての信頼感は高いので、ちょうどいいのです。
ライブの話の前に、今回は入場も結構時間がかかったのだけど、待っている時にドリンク代の500円玉を持っていたら不注意でそれを落としてしまい、あろう事か側溝の中に入ってしまった。
転がった先が金属網の部分だったのですね。
無惨にもこちらを見て側溝の中で輝く500円玉、結構周りも土が挟まっていて持ち上げるのにしんどいな、と思ったので諦めようとした矢先、近くにいた日本人の兄ちゃんがよいしょ、と側溝の蓋を持ち上げてくれて、空いた隙間から外人の兄ちゃんが拾ってくれた。
なんていい人たちなんだ!
あの時拾ってくれた人たち、ありがとう。
世間の優しさに触れたときであった。
さて、ようやくライブに付いて。
全部書くと長いのでダイジェスト的に流すけど、まずはトップバッターはレディへのドラマー、フィリップのソロであった。
バンドの中では存在感の非常に薄い彼であるが、一体どんな音楽なのだろうと思ったけど、耳心地の優しい曲で、所々レディへ的なエッセンスも加えつつ、総じて穏やかな曲達。
彼もドラムではなく、ギターを抱えてのびのび歌っている。
意外と透明感のある声。
あまりステージ慣れしていないのだろう、しばしばあっちこっちしてせわしないが、なんだか微笑ましい。
世界的バンドメンバーでも緊張するらしいのは、彼の人柄なのだろう。
思っていたよりも全然いい感じだったね。
続くはイケメン尽くシのバンド、Real Estate。
このバンド名を観ると、どうしても不動産会社を思い出してしまうが、曲は非常に穏やかで優しいフィーリング。
春先にこんな音楽を聴きながらぼけーっと過ごしたいですね。
アッパーな曲が少ない分、ややメリハリに掛けるかな、というか個人的な好みの問題なのだけど、ライブでは今少し弾けた曲が1曲でもあるともっと楽しそう、などと思ったものだ。
ちなみに初めて聴きました。
続くは今注目のTemples。
ノエル兄貴も大絶賛のサイケバンド、私もCDを買って聴きましたが、それこそ60年代とか位のサイケ臭がなるほど、若いくせに渋い。
そしてライブはもっと渋かった。
インプロを結構挟んでいたので、彼等のポップな部分やビジュアルに引かれた人たちには少し敷居の高いライブになったのではないだろうか。
こいつら若いくせにやってくれる。
ただ、音源で聴くよりも骨太で真っ当なロックンロールという感じもしたね。
もっと空間を歪曲させるようなグルーブ感というのかな、そういうのが付くともっと良くなるんじゃないんかな、とか思ったりしてね。
それにしても、ヴォーカルはマーク・ボランに似ている、ていうか絶対意識してるよね。
続くは御大サーストン・ムーア。
Sonic Youthは活動休止中なので、自信のオリジナルバンドでやってきた。
実は彼のライブは2~3曲しか聴いていなくて、ちゃんと観ていないのだけど、曲とかギターはSonic~を彷彿とさせるところがあり、やはり彼にはスタイルがキチンとあるんだな、と言う事がはっきりわかるものであった。
ラストの方で強烈なノイズパレード状態だったので、アレに完全に浸ると気持ちいいんだろうな、と思いつつ、既に肉体疲労の最中にあった私は一歩引いていたのであった。
ここで少し長めのインターバルがあって、最後はトリ、St.Vincentであった。
ここ数年で急激に認知が高まった印象で、かのデイヴィッド・バーンとの共作でも話題の女性シンガーソングライター?である。
私は最新アルバムだけ買って聴いたのだけど、音楽性はかなり独特である。
それまでよりも聴きやすいと評判だったので、多分相当変わった人なのだろうなと思う。
とはいえ、ライブ前にサイン会で観たのだけど、小柄で上品な感じの人だったね。
ただ、そこはかとなく尖った感じはあったけど。
さて、ライブについてなのだけど、ステージには3段ピラミッドのお立ち台のようなものがあって、その上でやるのか?と思ったのだけどほとんどは普通のステージでパフォーマンス。
バンドメンバーは女性のキーボード/ギター、シンセ、ドラムの男と計4人で現れた。
女性メンバーは彼女と対比的な立ち位置にいて、しばしば振りつけなんかもシンクロさせていて、非常にエンタメ性の高いステージでしたね。
St. Vincentも足を細かに動かして、腰から上だけ観るとあたかも横スライドしている観たいに見えたりして、なんか独特でしたね。
基本的には彼女もギターを演奏しながらなので、純粋にヴォーカルのみではないのでなんか変わったステージングだなと思った。
ちなみに彼女の奏でるギターは普通のメロディをなぞるとかではないので、それだけでもかなり面白かったね。
たまにシンセのおっちゃんもややぎこちない動きで振り付けをシンクロさせたりしてね。
ライブ中盤ではついにピラミッドも使ったりして、ややセクシーなパフォーマンスも。
途中MCも挟んだのだけど、正直何を言っているのが英語なのでわからなかったけど、会場の反応を観ていると何か冗談も行っていたようだ。
「Hello, ~ = ==,& Geeks」とか言っていたから、多分普通にニッポン大好き!みたいな話じゃないんだろうね。
ともあれ、この日のベストアクトは間違いなく彼女であったね。
彼女のライブを観ながらふと思ったのだけど、私は普段バンドのライブばかり行くからそう思うだけなのかもしれないけど、総じて女性アーティストのステージの方がエンタメ性は高い。
日本でいえば安室ちゃんとかもかなり凝ったステージだ、とは言うが、世界的にはなんと言ってもBjokeなんかは凄まじいチケット代に見合うだけのステージだと言う。
昔観たのだと、Yeah Yeah YeahsのカレンOもすごく華やかなステージングだったのを覚えている。
ある種そうした魅せるという殊自体、やはり女性の方が日常的な分意識的だろうし、感性としてもそういうのにたけている側面はあるのだろうな。
男性アーティストでそういうところで有名というと、ボウイやQueenのフレディ、あるいはGenesisのピーガブとかかなと思うけど、やはりある種の女性性を打ち出すような印象もあるし、それでなければ演劇的というか、そういう方向だものね。
もちろんライブに置けるパフォーマンスはそれがベストと言う訳ではないし、純粋な楽器の演奏で魅せるという在り方だってカッコいいから私はバンドのライブへよく行く訳だし。
でも、こういうエンタメ性の高いライブもこれはこれで楽しいな、という発見があったというのが一番大きいかもしれないな。
最近全く別な事案で女性的な感性とか価値観というもんを考える機会があったのだけど、やっぱり男の観たり感じたりする世界とは違うものを観たり感じたりしているのだろうし、仮に同じ結論に至ったとしてもその道程は違う様相を呈しているようで、そういうものがこうした芸術面での表出にもサガ出るのかな、という気はするね。
総じて女性の作り出すものってポップさであったり丸さというか、そういうのが多いから普遍性も持ちやすいように思うし。
女性は共有という価値観が強い、ともいうから、ひょっとしたらそれがこういうところにつながっているのかもね。
ともあれ、今回もしっかり楽しませてもらったし、全部ライブ初めましてだったので、やっぱりこのおベントはありがたいですね。
ただ、今回は次回の開催予告がなされなかったので、ひょっとしたら次回は少し趣向を変えるのか、あるいは先回キャンセルと言う事態になったので、それを慮ってある程度固まってから出そう、という方針になったのかもしれないけど。
次回も楽しみにしておこう。