音楽放談 pt.2

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予備実験作 -4 Plugs

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アルバムを時系列で追いかけるコーナーもすっかり放置になっていた。

久しぶりにマッドの音源をいくつか聴いていて、ライブ盤をまさに聞きながら書いているのだけど、やはりかっこいいですね。

デジタルフル導入になった『010』ツアーのライブ盤なのだけど、既にマッドとしては完成されているし、最も脂の乗っていた時期だろう。

イギリスのフェスなんかにも出ていたころじゃないかな。

元々向こうはデジタル系の音楽は人気が高く、その中で日本人っぽいポップなメロディセンスが受けた大きな要因だろう。


とはいえ、彼らは元々スターリン的なハードコアパンクな音楽でデビューしている。

既に記事を書いたけど、メジャー1作目はかなり挑発的な事もやっていて、とんがってるよなと思う。

しかし、当時は化粧をしていたことやXのhideが話に上げたことで彼らはヴィジュアル系とみられていたんだってね。

ちなみにhideは当時からインダストリアル系の音楽に興味が深くて、NINなんかの名前も挙げていたから、実はhideファンの多くは彼の音楽ではなくてただのアイドル的なファンでしかなったということだろう。

そんなもんだろうけど。


それはともかく、そんな彼らが大きく方向性を変え始めた最初の作品がこの『4 Plugs』である。

『Speak!!!!』あたりでも結構デジタル色は濃かったけど、このアルバムから思い切りそこにシフトしていったし、歌詞も断片的な言葉を並べるスタイルに変わりつつあった。

といってもこのアルバムではまだこれまで通りの歌ものも多く、1曲目もそう。

でも、内容は抽象化されている。

このアルバムで外せないのは、実質の解散まで代表曲としてライブでも演奏された”KAMI-UTA”だろう。

Takeshiのある種の宗教観というか、そういうのも感じ取れるし、スタイルでいえばラップを取り入れたいわゆるミクスチャースタイルの楽曲で、後のドラゴンアッシュなどの先駆けになっただろう。

歌詞そのものは深い意味よりも日本から世界へ!という彼らなりの意気込みや確信が見て取れるように思う。

アルバムよりもライブの方がアップテンポにアレンジされていて、非常にかっこいい。

でも、後期のスタイルに一番近いのはひょっとしたら"Crack"かもしれないね。

その他としては”Walk""ノーマルライフ"などベストにも収録された曲群は出来はいいが、全体としては正直いろいろ手さぐり感があって、楽曲としての完成度という意味では決して高くないように思う。

勿論かっこいいのだけど、寧ろ彼らの音楽的な変遷をたどるうえで興味深いアルバムかな、というのが個人的な印象である。

ファンの中にはこのアルバムをベストに挙げる人も多いようだが、それは”Kami-Uta”故ではないだろうか。

それくらいの力はこの楽曲にはあると思うし。


これまでこのアルバムを書くのに随分時間をおいてしまったのにはいくつか理由があって、一つにはバンド自体が解散してもう大分時間が経つこともあり、既にメンバーも個々の活動が板についてきて、マッドとしてのキャリアからは少し距離ができたことで、私自信の中でそちらを考えるようになったからというのがある。

勿論彼ら以外にもいろいろの音楽を聴いているから、単にそちらをいろいろ考えるからというのもある。

でも、実はこのアルバムはそれまでの攻撃的な歌詞からは一定以上の距離を取った作品ということもあり、その意味では音楽的だと思うのだけど、それについてうまく書く言葉が私にはないんですね。

音がこんな風に変わった、ということは言えるけど、どう変わったかというストーリーを書けないというか。

まあ、当時の状況などをもっと調べればそれもできるけど、基本的にそういうことはしないで好き勝手書こうというコンセプトなのでね。

ともあれ、本当に面白いと思うのはこの次に出た『Digidoheadrock』だと思っているので、このアルバムを経過した今、次はもう少し早く書くかもしれない。


それにしても時が流れれば時代は変わるもので、まさかこの曲を書いている人が”ギミチョコ”みたいなアイドル曲を作ることになろうとは当時誰が想像したであろうか。

あの曲が一つの契機でBabymetalは世界的に人気になったわけだけど、あの歌詞を見ると、Takeshiのせい一杯が見て取れてちょっと面白いけどね。

人って変わっていくんだね。

ちなみにがっかりとかそんなことは思ってないですよ、一応。