
この頃日本のアングラシーンのバンドもかなり新しいバンドが多く紹介されるようになってきた。
ヒップホップでもKOHHという22歳のアーティストが同業からも高い評価を得ている。
私はこの中ではYogeeとKOHHは聞いてみたのだけど、前者は適度な緩さと若さに似合わず渋い音楽が気に入っているが、後者は正直あまりピンと来ないところがあった。
声というか、歌い方がややクセがあって、それがまだ耳に馴染まないのである。
とはいえ、こうして若いバンド、アーティストが評価されるのは素晴らしいことだよね。
雑誌でもそうしたアーティストが紹介される事も増えたし、タワレコなんかでもポップなんかあって、こうやって下支えする環境があれば、彼等が音楽で飯を喰う環境につながっていけばより豊かになるのではないかと思うよね。
で、先にもちょっと触れたけど、割と回帰的というか、昔の音楽を参照しているバンドも多くて、曲自体が渋かったり、海外のバンドが高音ヴォーカルが多い中で中域というか、淡々とした落ち着いた声のバンドが多い気がするのも面白い。
ん?でも売れている鵜奴はやっぱり声が高いバンドが多いのかな?
まいいや、それはともかく、聞いていて其の感性は面白いよね。
そんな古き良き時代(知らんけど)を彷彿とさせるようなバンドの一つが、本日休演という変な名前のバンドである。
名門京都大学の学生らによるバンドらしいのだけど、音楽的にはサイケっぽい色が一番強いかなと思いつつも、60年代~70年代くらいの空気を強く感じる。
もちろん録音というか、ちょっとレトロな音質も手伝っていると思うけど、その音触りが非常に心地良い。
音楽自体も密度低めでちょっと緩さもあって、これが非常に良いのである。
ジャケットのデザインも怪しげでいいではないか。
私が買ったのは『けむをまけ』という2ndアルバムらしいのだけど、前半は日本の60年代とかのフォーックっぽさを感じつつ、怪しげな空気はいかにも日本っぽいと感じる。
一方後半だとベルベッツとか、その辺と似た空気というか、ちょっと気怠さみたいなものが強くなるのでそれもまた面白い。
”青空列車”という曲はちょっとノイ!!の"Haorogaro"みたいだ、とか思ったりね。
相変わらず世間で流行っているとされる音楽は派手目な所謂J-POPと呼ばれる一群で、それはそれで必要なんだろうけど、一方でこうした日本の音楽、必ずしもメインストリームでもエンタメ業界のど真ん中でもない音楽として脈々と受け継がれているような本当の意味でも文化的な音楽も、やっぱり必要な訳である。
ちょっと奇天烈でジャンクなポップが面白がられて売れる事は最近では大分増えてきて、そこを入り口にこういう音楽に触れる人もきっといると思うから、そこからまた大きくなっていくと良いよね。
メジャーと呼ばれるような大きな力が関わると、そこには音楽には興味のないビジネスマンが出てきて彼等に干渉するような自体も起こりうる訳だけど、そんな事にはならないよう、ちゃんと評価されていってほしいですね。
”青空列車”