音楽放談 pt.2

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小休止120「Hostess Club All-Night 2016」

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昨夜は2年目となるサマソニ枠でのHostess Club All-Nightであった。

ラインナップは安心のホステス印、ヘッドライナーとしてDinosaur Jr.とAnimal Collectiveを加え、定番ラインのMatthew Herbert、TemplesにDeerhunter、初登場のSavagesとJohn Grantという8組での開催であった。

私は今年もこの枠だけ参加。

今日のRadioheadはやはり1度は見ておきたいと思いつつも、体力的、気力的な懸念と、その他のラインナップの訴求力で断念した格好だ。

とはいえこのラインアップである。

期待値と凝縮度はそのステージよりも素晴らしいと言える。

そんなわけで昨日の振り返り。


会場に着いたのは10時半ちょっと前くらい。

開演ぎりで行こうかと思っていたけど、せっかくなら少しぶらぶらして雰囲気も味わおうと思ったのですね。

到着するとどえらい行列ができていて、昨年とだいぶ具合が違うので一瞬面食らったが、どうやらホステス券のみの人は別の入場口があったようで、その行列は2日目のみの人の列らしい。

やっぱりスムーズに入場して、ちょっとフラフラ。

といってもさして見るべきものもないので、ビールを買ってとりあえず1杯。

飲み終わる頃に開演となった。


1組目はいきなりお待ちかねのDeerhunter。

惜しくもキャンセルになった昨年からのリベンジということもあり、期待値は大きかった。

私が彼らを以前見たのはホステスのイベントで、前作『Monomania』の頃。

その時のライブについては以前書いているけど、一言で言えば突き放されるようなものだった。

ところが新譜のムードもさることながら、直近のライブ映像を見ても明らかにその時とはベクトルが異なっているので、その意味でも期待値は高い。


で、ライブについてだが、よかった。

その一言で十分だ。

新譜の曲を中心にしたセットリストだが、数曲昔の曲も挟んでいるものの、全体的に行ってフワフワした多幸感というか、包み込むような音像になっていてびっくり。

"Living My Life"もアルバム収録の静かな感じではなくややラテンっぽいアレンジの入ったヴァージョンで演奏されたわけだが、まさにこの曲に今の彼らが表されているといっていいだろう。

ヴォーカルのブラッフォードの出で立ちも、変な意味ではなく男っぽいというか、たくましいというか、そういうところにも心境の変化みたいなものが現れているのかもしれないね。

わずか40分ほどのセットリストだったけど、聞いていて非常に心地よくて、もっとやってほしかったよ。

改めて単独公演が望まれる。


次に見たのはDinosaur Jr

グランジの代表格にして、数少ないずっと解散も休止もせずに活動し続けているバンドである。

私は実は未だ彼らの音源は聴いたことがない。

何度か聞こうかと手に取ったけど、別の方に行ってしまったので、ここで初というわけだ。

さすがにかなり人が集まっていたね。

ステージ上にはものすごい数のアンプの壁ができている。

彼らの代名詞といえばやはりJマスシスの爆音ギター、私の大好きなBroken Social Scene(新譜制作の報が・・・涙)のKevin Drewのソロ1stでもギターを客演していたので、なんとなくイメージはあったけど、実際に聴いたそれはまさにその通りだった。

こうして3ピースのシンプルな編成で奏でられる爆音ロックには、それこそPixiesもそうだけど、すごくシンプルなロックはそれだけで魅力的である。

なんていうか、パッと聴いた瞬間にかっこいいなと思える。

別に難しい事しているわけでもないし、ポリリズムがとかいうテクニカルな音楽ではないと思うけど、これは彼のギターだとわかるだろう。


これがロックだよな、なんて思いつつ、私はJohn Grantのステージへ。

今年4月に初来日して、非常に好評だったようなので、そんな噂を聴きつつ何よりアルバムジャケットの怪しさに惹かれてしまったのである。

おっさんがテーブルに腰掛けて、頬杖つきながらニヤリとしながらなぜか目が光っているのである。

PVはホステスのイベントで見たのだけど、これまたおっさんばっかり出てくる暑苦しいPVなのだけど、確かこの人ってゲイで、そういうものも表現のテーマとして扱っていたはずで、それを知ってなるほどと思った記憶がある。

開演は機材トラブルがあったようで10分弱遅れて始まったのだけど、序盤はピアノ弾き語りながらのアコースティックな曲からスタートであった。

今回は日本人のトランペッターとの共演も一部話題となっており、そのコラボライブという側面も。

私は知らなかったのだけど、世界的に有名な人らしい。

3曲くらいやったのだと思うけど、そこから打ち込み主体のアッパーな曲へ。

なんだこの振れ幅。

実は準備押しのタイミングで少し飯を食ったので、2杯目のビールを飲みながらゆっくり見ていたけど、いい塩梅でしたね。

彼のヴォーカルも綺麗に響くし、ステージ上での動きも含めてエンターテイナー精神全開である。

終盤は再びアコースティックに戻って、ラストはPVで見たあの曲であった。

曲もいいし、楽しいしで、今度アルバムを買おうと思いました。


Johnが終わると次はSavages.

先般出た2ndアルバムも好評、さらに今のバンドの中では数少ないロックバンドという評価も。

私もなんやかんやアルバムを2枚とも買って聴いているけど、確かに女性バンドにしてはストイックだし、かなり攻撃的。

ヴォーカルのベスの声やベース音が押し出された音などからいかにもポストパンク的な言葉で括られるので、音楽的にはかなり好きなジャンルながら、正直1stってあんまりピンとこなかった。

かっこいいけど、何か足りない、みたいな。

しかし2ndはいい意味で各方面に触れており、攻撃的な曲はさらに激しく、ミドルな曲はさらに深くと、文字通りの進化を感じさせるものであった。

盟友Bo Ningenとのツアーや様々なコラボも含め、まさに脂ののった状態なので、そのライブは楽しみであった。


彼女たちは4人組なのだけど、正直いわゆるビジュアルで話題になるタイプではない。

女性性を感じさせるよりはやや中性的なイメージである。

そのためか女性ファン密度も高かった。

全員黒で統一した衣装で、特にヴォーカルのベスはさすがにスタイルも良くて、かっこよかった。

ステージングが誰かとすごくオーバーラップするのだけど、誰か思い出せずにモヤモヤしたけど、終始力強く全体を持ち上げていくような動きはよかったですね。

声もやや低めの独特なものなのだけど、ダークな曲調と相まってよかったですね。

終盤で客席に半ば乗り込むように入ってきたときに近くで見たのだけど、すごい目が綺麗な人だったな。

なんていうか、音楽的にはもっと荒んでいるのかと思ったけど、めちゃくちゃめちゃくちゃ澄んだ目をしていてそれが印象的だった。


他のメンバーについても、ベースはかなり大きめに鳴っていて、こういうところにJoy Divisionの影響かなと思わせる。

軽快なベースラインで曲を引っ張っていく感じも含めて、そこに共通点を見出す思いだ。

激しく頭を振り乱しながら弾く姿は一番グレッシブな印象であった。

対照的なのはギター。

フィードバックノイズを奏でるその姿はメンバー1クール。

割と淡々と演奏しているけど、曲のムードを作っているのはギターの音でもあるから、かっこよかったですね。

そして一番印書的だったのはドラム。

跳ねるように叩くその姿はちょっとジョン・マッケンタイアを思い出した。

音楽性とかなり印象が異なるけど、すっごい楽しそうなんだもの。

全体的にすごくいいバンドだなとライブを見て改めて思ったね。

ラストの曲ではBo NingenのTaigenが飛び入り参加。

ベースを例の調子で弾きまくる。

面白いのは、ステージ上で唯一の男であるにもかかわらず、他のメンバーの方が男らしさを感じる点である。

それにしても、白Tの彼を始めてみた気がする。

昨年はアクトとして登場したが、今年は客演。

とはいえ2年連続でオールナイト出演である。

ちなみに今回のバンドTはBo Ningenのメンバーがデザインしたという事で一部では話題であった。

仲良いのである。

また近いうちに単独公演もありそうな感じなので、ぜひ一度見ておく事をお勧めする。


ところでWarpaintというこれまた女性4人のポストパンク系バンドがあるが、彼女らとはまたかなり表現は違うのも面白い。

いつか共演したら、それはそれで面白いんじゃないだろ。

音楽的にはWarpaintの方が女性的な感じがするけど、どちらも下手の男のバンドよりもよほどかっこいいしロックな佇まいである。

ホステスのイベントとかで見れたら嬉しいな。

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唯一明らかな長髪がTaigenだ。


Savagesが終わると急いで今日のハイライト、Animal Collective

すでに始まっているので急いで向かうと、ステージ上がえらい事に。

いろんな造形物の上をライティングと映像で様々なアーティスティックな映像が流れているわけだが、キュビズム的なビジュアルが音楽と相まって奇妙な空間を作っている。

ステージセットはシンセ等の宅がフロントに3列あって、うしろには唯一の生楽器、ドラムがあって、それにより非常に肉体的なライブでびっくりした。

ライブ演奏は音源で聴くよりもはるかにポップで楽しい音楽である。

奇妙奇天烈な曲はもちろん変わらないけど、それがこんなに楽しい空間を作るとは正直驚いた。

あのよくわからない歌?も、2人の掛け合いがこれまたなんとも気持ちいのである。

これをコーラスワークと呼んで良いのかわからないが、この掛け合いが見事。

打ち込み主体の音楽ながら、こうした生の要素ってやっぱり重要なんだなと思わせるとともに、そのバランスも絶妙。

一体どういう頭の構造をしていたらこんな音楽を作れるのか不思議で仕方ない。

静かめな曲になると一気に高揚感から恍惚感とでもいうような感覚にさせられる。

おそらく曲は新譜からのものが多かったのだと思うけど、改めてアルバムも聴いていこう。

こんなにライブと音源で違うのも久しぶりである。

良いライブでした。

単独みたい。
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ちなみにこんなステージでした(終演後の風景)。


最後はTemples。

すでに2回くらいライブは見た事があるけど、若いくせに落ち着きもあるし音楽的にもまんま70年代とかそんな空気感を持っている。

すでにライブは終盤ながらライブはさすがでしたね。

まだアルバム1枚しか出しておらず、しかし新曲も披露されたらしいので、そろそろアルバムの報もあるかもしれない。

3曲くらいしか聞けなかったけど、最近の若手バンドってすごいよね。


と、こんな感じで一部かぶってしまうところもあったものの、概ね目的のものはしっかり見れたし、改めて魅力発見となったバンドもあって、今年も満足度は高かったですね。

これから単独でくるものもあるだろうし、アルバム未聴のものもまたちょくちょく手を出していこう。

それにしても、夏フェス恒例の死体のごときフロアで眠る人々だが、大概は隅っこの方で寝ているのにたまに人の通るところで朽ち果てている人もいて、邪魔だったな。

それくらいのマナーというか、配慮というか、身につけてほしいものだ。

また、こんなところで下手すれば女の子も1人で寝ていたりするわけだけど、つくづく日本って平和だよなと思う。

一応警備員みたいな人とかもその近辺をうろうろしていたけど、それでもみんな彼らの荷物にも手をつけないし、当然襲ったりもしないだろう。

外人さんたちびっくりだろうね。


ま、ともあれ私の夏フェスはこれにて終了。

朝方帰ってきて洗濯をして飯を食ったら昼過ぎまで寝て、それからまた飯を食って録画したテレビを見ながらこの記事を賞味3時間くらいかけて書いている。

あれこれしながらなのでね。

年々足腰の疲れるのが早くなってくるし、気力が持たなくなってくるのが切ない。

それに今年は足も痛くてね。

もっともこれは前日に電車が無くなって自宅まで革靴で夜中に1時間半も歩いたせいだけど。

金を惜しんで体ががたついてしまった・・・。

空いた時間に休憩しながらすこしぼーっとしていたのだけど、これから数年後にはこんな風に来る事もなくなく日がいつかくるのだろうか、などと思うとちょっと切ない気持ちにもなったけど、ともあれ今日はしっかり休んで、明日からまた、がんばらないとね。