音楽放談 pt.2

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小休止79「毎度」

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今週末は例によってフェスな週末であった。

まず土曜日は今年初めていたのだけど、ていうか去年がどうだったかしらないが、Craft Rock Fesという奴へ。

出ているアクトはポスト系バンドが多数であったが、コアなラインナップでなかなか渋い。

お目当ては友人から借りて気に入ったFox Capture Plan、LITE、そしてZazen Boysである。

その他は知らないのや、Envyとかも出ていたけど私はこのバンドダメなのでね。

で、このフェスはビールフェスと銘打っているだけあって様々なビールが出店していた。

あまり酒に強くない私は3杯くらいしか呑めなかったけど、なかなか面白かったですよ。

ライブに関しては、上げた3組はいずれも外れなし。


Foxについては初ライブであったが、非常によかったね。

特にドラムが凄まじかったね。

叩き方も様々で、動きも多彩、力強くタイトで、そしてイケメンだった。

ちなみにベース、キーボードの3人編成なのだけど、ベースの涼しげな感じがドラムとの対比でなんともよかったね。

ラストにYMOのカバーの”東風”をやったのは嬉しかったな。

それにしても、彼等の”衝突する粒子”はいい曲だ。


次いでLITE。

彼等が出ていればとりあえず行くというくらい一番回数見ているバンドかもしれない。

最近セットリストが固まってきた感はあるけど、とはいえ何時聴いてもやっぱりいいですね。

鉄壁のアンサンブルというか、なんというか。

昔のハードな曲も、前作のオープンな感じも、新作の透明感も、どれも素晴らしい。

同じバンドでこうも異なるカラーを示せるのは一重に彼等の実力を物語っているだろう。

外人さんもノリノリでした。


そして最後にZazen Boys

ライブは2回目なのだけど、こちらもさすがだよね。

独自の世界観を示しつつ、演奏はどっしりと、時にコミカルもありつつ、素晴らしかったです。

そして、カシオメンがやっぱりキュート。

思ったよりも早い時間に終わったので、家に帰って少し呑んで、早々に寝ました。


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で、昨日はサマソニへ言ってきました。

例年ラインナップの方向性がわからなくなって行きますが、今年は見たいのがある程度固まってあったのでね。

とはいいつつもせっかくなので昼過ぎには行って、気まぐれにあれこれ見て回ったけど。


1発目はCirca Wavesという、ツードアも絶賛の新人バンド。

音楽的にはアークティックとツードアの影響を感じさせるもので、要するにわかりやすいポップである。

やっぱり一定のスパンでこういうバンドはちゃんと存在しないとね。

それにしても、ヴォーカルのアレックス感がすごかったな。


ついで見たのはCharli XCXという人。

ガーリーなバンド女子に続いて出てきたのはやたらパワフルな女の子。

女の子、なんてかわいらしいものではない。

パンチラ上等の激しいパフォーマンスと歌唱にいつの間にか周囲の女子率も上がって行く。

こういうフェスではやはりただでさえ汗臭いので、男ばかりよりは女の子に囲まれる方が嬉しい、などとささやかなスケベ心を覗かせつつ、この子はロック好きの女子には指示されそうだ。

ライブは良かったですよ。


そして次に見たのはRobert Grasper Experimentsという奴。

ジャズ畑の人らしいのだが、一体どんなものかしらと思った訳ですが、これが良かったですね。

ちょっとTv On The Radioをイメージしていたけど、それよりももっと実験的な印象。

そしてドラムがすごい。

細かなフレーズをズーーーッと叩き続けてなお全くだれることもなく最後までやりきっていた。

一体どんな練習してんだ、と思いつつ、グラスパーのサドっぷりに驚かされた。

一方でキーボード兼ヴォーアルのおっさんが人懐っこくニッコニコして歌っているのが印象的であったがね。

ともあれいいものを見ましたよ。

今度CDも買ってみよう。


実験が終わった後はぱみゅぱみゅを横目にチラ見して通り過ぎて、miwaを観にステージ移動。

かわいい子を生で見ておこうというスケベ心であった訳であるが、たどり着いて、少し聴いて、う~ん、興味ないと気づいてしまったばかりにきびすを返した。

そしてMetronomyを待ちながら少しく飯を食べる。

その間にサイドステージでゴージャスが出ていた。

こういう一時期テレビに出ていて最近観ない芸人でも、こうしてステージを観るとなかなか面白い訳でやっぱりテレビというのは必ずしも実力を移すものではないのだ。


なんてことを思いつつ、Metronomy。

ライブは2回目であって、前回は2ndが出てまもなくの頃であった。

あの頃は胸元に電球を掲げてのライブであったが、今回は既にそれがないのは少し残念であったが、ステージングはやっぱりコミカルで、チープながらそれはそれとして完成度を誇る見事なものであった。

メンバーもあちこち動きつつ、時に踊ってみたり、背景に徹してみたり、歌ったり、もちろん演奏もするし観客を煽ったりと、とにかく楽しいステージであった。

そして曲を見て言っても、やはり「Nights Out」の曲はどれもポップでキャッチーで素晴らしい。

一方でそれ以降の作品についてもムード満点で、ライブで聴くとそれが際立って素晴らしい。

正直個人的には前作の『English Reviela』はあまりピンとこなかったのだけど、こうやって改めて聴くといいのでね。

また聞き返そうなんて思ったりして。

あっという間であったな。


それからこの日初めての邦楽バンド、Kana-Boomを観た。

以前別のイベントでも見たのだけど、せっかくなのでと思ってね。

さすがに若手再注目株の一人とあってライブは若いのに堂々たるものであった。

そしてこうやってみると、彼等にはある種の苦悩はない。

いい意味で自分達の成功を楽しめているのだと思う。

最近アジカンを今更ながらに聴いているのだけど、商業的にも成功したバンドの割には歌詞が影を負っている感じがして、少し意外な感じがしていた。

流行っていた当時は全く見向きもしなかったので、今になって冷静に聴いているのだけど、それだけにこの歌詞が売れたのかと思うのですね。

まあ明らかに鬱々としている訳ではないし、曲自体は激キャッチーなのでわかるけどね。

そもそも彼等を聴くきっかけになったのは、アナログフィッシュの下岡さんと後藤のインタビュー形式の対談を読んだ事だった。

内容も非常に素晴らしいのだけど、そこで彼の話している自分の理解されなさへの葛藤のようなものがすごく印象的で、それこそNirvanaのカートの苦悩もそういった類いのものだったのだろうと思うのだけど、最近の若手バンドにはそれがないんだよね。

いい意味で飄々としているところがあり、新世代って奴をい否応にも感じるのであった。


で、それが終わるとお待ちかねHorrorsである。

ホステスのイベント含めてアルバムリリースごとの来日はほぼ見ているのだけど、今回のアルバムでは一つの到達点だと思うので、ライブバンドとしてどこまで行ったかというのが焦点である。

結論からいうと、素晴らしかったの一言。

1stからはさすがにやらないのだけど、2nd以降の曲のサイケ的陶酔感ときたら凄まじい。

個人的には彼等の2ndが今のところベストなのだけど、そこからの曲は演奏自体も堂に入っているし、アレンジも微妙に変えつつ音のバランスや音の出し方など、リリース当時とは格段にレベルアップしていて、聴いていてまあ気持ちいいこと。

その中でも"Scarlet Field""Sea Within The Sea"の2曲はもうヤバかったですね。

シンセの万華鏡のようなきらめきと一握の影の織りなすスペクタクル!などと意味不明な事をつい行ってしまったが、思わず涙が出そうな位に私は感動してしまったのです。

特に“Sea~”は彼等の曲全体で見た時にも圧倒的な曲だと思っている。

展開、アレンジ、曲そのもの、アウトロ、ムード、フィーリング、とにかく全部が別格過ぎるのである。

この曲を中盤早々に投下するものだから、それからしばらく戻ってくるのに苦労した。

とはいえ他の曲がダメな理由は全くなくて、ライブ中ずっとポワットしていい気持ちにさせて貰いました。

こうしてライブに没頭できるのも久しぶりかもね。

本当に良かった。

デビュー当時、黒ずくめでBouhouseモロなゴシック満載のヴィジュアル系な感じだったHorrorsがこんなことになるなんてね。


すっかりやられた私はこのまま帰ってしまおうかとも思ったのだけど。せっかくなので最後まで観る事に。

次にはオルタナの伝説、Pixiesである。

すっかり太ったフランク・ブラックだが、そもそも彼等をまともに聴いたのは最近という私からすればそんなことは大した問題ではない。

Nirvana初め、Nine Black AlpsNumber Girlなども影響減上げる彼等だけあって、聴けば一発でモロじゃん!とか思ってしまうくらいのオリジネイター。

そんな伝説を観ない訳には行かないというわけさ。 

のっけから爆音でポップなギターが鳴り響く。

そういえばこの一つ前の時間帯ではギターを否定した今をときめくセカオワがライブをやっていたかと思うとなんだか面白いね。

ギター1本でこんなに多くの人の心をふるわせる事が出来るのだから。

それはともかく、ぶっちゃけ曲はどれも似たようなものといえばそうかもしれない。

元々テクニカルな要素で打っているわけではないし、そもそもそういうまっすぐさが魅力なのだから否定されるべくもないが。

とはいえ、私はKraftwerkも見たかったので、30分ほど彼等を見た後はステージ移動。

この日最初にして最後のかぶりである。


で、Mountainへ付くと結構な人だかり。

現在彼等は映像を駆使した3Dライブというのを行っているのだけど、会場ではその為の眼鏡も配られると言う周到さ。

それをゲットした人が多くいた訳だが、一方で早々に立ち去るものも。

音楽的には既に多くの人に模倣されたものだから、正直新鮮みはないだろう。

でも、それは彼等がオリジネイターなのだから、これだけテクノが普及した今となってはそれこそが彼等のすごさを物語っているのである。

とはいえ、彼等は彼等でアップデートされており、ライブもさすがであった。


ステージ中央に4人が横一列に並んで、演奏機器は無機質な台座上のもののみ。

衣装も前身タイツみたいな奴であくまで彼等は彼等のコンセプトを明確に、そして現代的な表現でもって示してみせる。

ライブはアルバムごとにいくつかの区切りを持って演奏されて行った訳であるが、こうして改めてみると彼らは社会派だった事がよくわかる。

『Man Machine』『Computer orld』『Europian Express』『Radioactive』『Toured France』『Out Burn』等々、実は当時の最先端などと言われるものがその題材になっていて、総じて文明への警鐘になっている。

何かのインタビューだか記事で読んだのだけど、『Computer World』がリリースされた当時、制作を始めた頃はまだPCが家庭用になる前だったと思うが、ようやく存在が世間に知れ渡り始めた程度の段階で彼等はそのコンピュータとの関わりについて曲にしようとした訳であるが、リリースされる頃にはあまりに急激な普及により彼等の問題意識を越えてしまっていた、なんて話もあったそうだ。

それこそ『Man Machine』なんてロボットと人間の境目についてのようなアルバムだし、『Radioactive』はまさに今日本が直面している原子力に付いてである。

この曲をやる前に、「さかもとさん、一日もはやい回復をお祈りしています」という盟友へのメッセージが投げられ、反原発を明確に示したMVと共に曲が演奏された。

それはテクノポップと呼ぶにはあまりに重たくシリアスな調べで、とても踊る為の音楽ではなかった。

ある意味ではAphex Twinとかの精神性に近いようにも個人的には感じたね。

まあ、スクリーンに映し出されたメッセージについては、言いたい事はわかるが表現の仕方として一部反感を買うかも、と思いつつ。


とはいえ、ステージ自体は映像がヒュンヒュンとんでくるような効果は非常にアトラクション的で見ている方は面白かった。

でも、あくまでそれは飛び道具的な演出だから、元々音楽自体に興味がある人以外は早々に飽きてしまったのも事実だろう。

実際多くの人がすぐに会場を後にしていたし。

だけど。そうしたメッセージ性、演出、最先端を取り入れるどん欲さ、バンドコンセプトを明確に示したセルフプロデュース力、全てにおいて彼等の現役っぷりが思い知らされたことだろう。

彼等のアイデアには本当に敬意を表するよ、なんて偉そうに。


と、まあこんな具合に、当初はラインナップ微妙やな、とか思っていたけど、蓋を空けてみれば一日中飽く事なく、新しい音楽にも触れられて非常に充実した一日を過ごせましたね。

今日は今日で忙しく過ごしていたのだけど、短い夏休みは充実していたのでした。