音楽放談 pt.2

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アメリカンインディの良心 ―The Shins

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最近アメリカンインディをよく聴いている。

派手さよりも渋さの方が際立つバンドが多いのだが、実に良心的でいい音楽をやっているバンドが多いのである。

それこそStrokesだってインディから名を成したバンドだし、Yeah Yeah Yeahs、Liars、Interpol、TOn The Radio、LCD Soundsystemなど、ニューヨークを中心にしたバンドや、Bright Eyes、Faint、Cursive、Velvet Teenといったオマハ周辺のバンド、更にはカナダにはなるがBroken Social Scene、Stars、Metric、Dears、バンドではないがFeist、Owen Palletといった良質なバンドが本当に多い。

私が最近聴き始めたものであればSpoon、Nationals、そしてShinsあたりである。

バンドキャリア自体はそれなりにあるが、陽の目を観るまでに時間のかかったバンド達という印象である。

ビジュアルも音楽性も劇的な発明でもなければ派手さもないし、コマーシャルな話題があった訳でもない。

しかし、じっくり聴いていると実に心地良く独自な音楽性も光るバンド達である。

Nationalは先回のホステスのイベントでライブを見て以来のファンである。

1stも聴いたが、この頃は正直パッとしない。

曲自体はやはりいい曲はあるけど、全体的に未完成の感は否めない。

その後のアルバムは『Boxer』以外は聴いたのだけど、いずれも素晴らしいアルバムだった。

こんなに化けるものかね、と。

それにSpoonについては、日本でも話題になるきっかけとなった『Ga Ga Ga Ga Ga』から入ったけど、このバンドの音楽は本当に渋い。

ざらざらとした乾いた音感にやや掠れたヴォーカル、ミニマルなリズムにシンプルながら味わいあるギターの音色のポリリズムが素晴らしい。

その後の『Transfer』も更にそれに磨きがかかったような印象であった。

7月に新譜が出るので、実に楽しみだ。


そして一番最近になって聴くようになったのがThe Sins。

名前は以前から知っていたけど、その音楽自体を聴く機会が中々なかったのだが、先日ふとCD屋で見かけて買ってきた訳であるが、これが実に良かった。

上記2バンドに比べて一番メロディアスで穏やかな音楽である。

最初に買ったのは『Wincing The Night Away』という、今のところの最新アルバムである。

ジャケットが実に気持ち悪いので、もっとエキセントリックな音楽かと思っていたら、なんと奇麗な音楽が流れてくるではないか。

いずれ劣らぬ良曲ぞろいのアルバムではあるが、中でも”Phantom Limb”は特にいい。

てか好き。

歌詞のテーマはレズビアンの女の子の苦悩という事のようだが、ある種の疎外感を感じる存在に対する優しさのようなものを感じさせる曲調が実に心地良いのである。

こんな良曲満載の音楽をやっているバンドがあったとは、さっさと聴けば良かったよ。


それにしても、最近こういう柔らかい音楽のバンドが好きですね。

と言っている一方でまたラウド系も一部聴いていたりする訳だけど。

自分を鼓舞しようと思うとやっぱり力強い曲が欲しくなるし、一方でゆるゆると癒しを求めるならこういう音楽を求める訳で。

最近はまたアホみたいにCDを買っている訳だけど、なんやかんやこんな発見はまだまだあるからね。

これからまた新譜も出るし、音楽はいいですね。