音楽放談 pt.2

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暗闇の影 -Broken Social Sceneとルノワール

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あけましておめでとうございます。

今年は戌年らしいですね、犬、好きです。

中でも柴犬とパグが可愛いと思うんだ。

年が明けて以降、本当のことを言うと年を開ける前からやるべき予定もなく友達もいない私は1人でぶらぶらしながら夜な夜な酒を飲んでいるけど、平生より規則正しい生活を送っている。

今日も買い物がてらぶらぶらしながらさして何をするでもなく1日が終わろうとしている。

ま、人生なんてそんなものだ。


そんな私は結構芸術関係のものを見るのが好きである。

音楽もさることながら、絵を見るのも実は好きなんですね。

昔から描いた絵を褒められることは多かったんだけど、本人的には得意意識とかは全然なくて、むしろ芸術生みたいなものは自分にはないことがすでにその頃からなんとなくわかっていた。

それに、正直絵の良し悪しはわからないし、芸術史みたいなものも全くわからないし、そこの部分にはあまり興味がない。

都内には美術館もいっぱいあるし、企画展もやっているので折をみて足を運んでいる。

今日も本当は見ようと思って出かけたんだけど、暇人どもが押し寄せていて行列をなしていたので断念んして、普通に散歩して帰ってきた。


よくわからないなりに何が面白いのかといえば、見ていてたまにやけに心惹かれるものがある瞬間である。

いろんな画家の絵が飾ってある場合もあれば、1人の画家に焦点を当てる場合もあるんだけど、いずれ問わず見ていてピンとくる瞬間とこない瞬間がやっぱりあって、それを見終わった帰りに物販コーナーで絵葉書とかを見ながら考えるのである。

実際見ている最中に気になった絵があれば、マグネットかポストカード買うのが楽しいんだけど、後から見ても画家の名前も絵の名前もわからないものがほとんどである。

それでもたまにやたら印象に残ると、少し画家のことについて調べてみることがある。

その中の一つがルノワールという人で、著名な画家なので知っている人がたくさんいるだろう。

都内にはその名を冠した喫茶店もたくさんあるので、今更と言われるかもしれないが、去年企画展があって見にいったんだけど、全体的にすごく印象的だったんだけど、中でも「ムーランギャレットの舞踏会」という絵が有名らしくて、その時の目玉の一つだったんだけど、この絵を見たときにすごく世界がパーっと開けるような明るさというか眩しさというか、そういうものを感じたのですね。

それがトップに載せたやつなんだけど、幸福感とかそういうものがものすごく絵の中から溢れている感じがして、それがすごく印象的だったのである。


私は芸術を直感的に理解できる感性がないので、割と分析的に見ようとしてしまうんだけど、芸術というのはすべからく見えている世界、感じている世界を違う形でアウトプットする作業だと思っていて、イメージで表現すれば絵画になるし、音にすれば音楽になるし、文章にすれば文学になるんだろうと思っている。

いまだに彫刻だけはどう楽しんでいいのかまだわからないんだけど、いずれにせよその人には世界がどう見えているのかというのを知る一つの手段として、とても面白いと思うのである。

私が好きな画家だと言えるのはマグリットなんだけど、彼の絵は全体的に暗い。

その背景には幼いことに母親が自殺して、その遺体を彼自身が目撃していることが影を落としている、というのが定説らしいんだけど、元々彼はそういう性格だったんだろうし、だからこそシュールレアリズムの表現手法と言われるデペイズマンのようなひねくれた表現を好んだんじゃないかと個人的には思っている。

またこの間ゴッホと浮世絵の企画展にもいったんだけど、ゴッホは多分精神症傾向が強かったのかなと思った。

だって、あの絵は尋常では描かないだろう。

今度実際のところを調べてみようと思っている。


で、ルノワールなんだけど、この人は多分世界平和とか本気で考えてた人なのかなと勝手に思っていたんだけど、ちょっと調べて見ようと思って暇だしアマゾンで彼についての本を1冊買ってみたんだけど、その本には知りたいことは書いていなかった。

とはいえいろんな絵の描かれた時代背景をキャリアを追って書いているのはそれはそれで面白かったんだけどね。

まあ、ネットで調べたほうが早いんだけど、なんだかこういうのを調べようと思うと、本で読みたいと思うのは趣味趣向の世界である。

いい本ないかな、とアマゾンを回遊している。


そんなルノワールと近い感性なのかなと感じるのがBroken Social Sceneかなと思っている。

私は基本的に暗い音楽が好きだし、それこそJoy Divisionの音楽はマグリットに感性が近いと思っている。

その対比で考えてみたんだけど、BSSの音楽はそういう仄暗さみたいなものはほとんど感じない。

ソロ作を聴いてもそうだし、昨年リリースの新譜やその制作の背景について見ても彼らは根本的に世界に絶望していないし、明るい希望というものをちゃんと抱いていて、それを心底願っているような明るいフィーリングを感じるのである。

私の性格からすると不思議なんだけど、一方で実は世界平和を割と本気で願っているところがあって、やっぱり人生は幸せなほうがいいと思っているし、痛ましい出来事はできれば聞きたくないと思っている。

それは多分実現できないことはわかっているんだけど、そのほうがいいじゃない。

彼らもそう思っているのかなと思っていて、だから彼らの楽曲にはキラキラしたものを感じるんだけど、特に彼らはそれを諦めていない感じがして、そこになんていうか、輝きを感じるのである。

昨年リリースされたアルバムはそもそものモチベーションがそういうところだしね。


現実はどうしたって暗いことの方が多いし、なんのために生きているんだと思うことの方がはるかに多いのが実際である。

だけど、そうはいっても続いていくものだしね。

絵を見るにしても音楽を聴くにしても、そういう自分の普段意識されない側面に図らずも触れる瞬間があって、それが面白いのである。

今年もいい1年になるといいですね。

"Halfway Home"