面白くてなんとなくで楽しんでいるのももちろん面白いわけだけど、そこから先に一歩踏み込んでみるとまた違った見方とか捉え方ができて面白くなる、というのはよくあることである。
私は絵を見るのは昔から好きなんだけど、有名な画家がなぜ有名なのか、なぜすごいと言われるのかと言ったことはさっぱりわからなかった。
もともと芸術的素養もないこともあるけど、そこについてことさら調べたこともなかったからである。
しかし、最近何を思ったわけでもないんだけど、簡単な絵画の本とかをちょっと読んで勉強していると、なるほどそういうことか、ということがわかって面白いということに気が付いた。
それを知らなくても、自分の好きだと思うものを好きでいればいいし、知ったところで何かが変わるわけでもない、本質的にはね。
ただ、例えば自分が好きだと思う絵とそうでない絵の違いみたいなことについても、そういうことだったのかなと改めて確認するような場面や、あるいは自分なりの解釈がやっぱりか!みたいなことを裏付けられるような瞬間も面白いので、やっぱり知らないよりは知っている方がいいこともあるなと思うわけである。
その延長で改めて絵を見ることの面白さもあるしね。
私の場合はある程度見方がわかればそれ以上掘り下げないんだけど、ともあれ色々と背景を知ることは面白いことに変わりない。
そんな私であるが、音楽についても要所要所で聞くだけではなくてたまに背景を調べたりする。
それこそJoy Division関連はドキュメンタリーとかもちゃんと見たぜ。
しかし、すべてに関して調べているほどの時間もなければ気力もないのでそこまではしないんだけど、タイミングを見て調べようかなと思っているのがいわゆるブラックミュージックについて。
何かと参照されることも多いし、昨今では何より重要なトピックの一つでもあるだろう。
アメリカの音楽のメインストリームは、今はブラックミュージックばかりだし、そもそものロックンロールの起源もブラックミュージックである。
その魅力というのは一体どこにあるのか、なんていうことを語れるほど私は詳しくないんだけど、最近新しく聞くようになるのはそちら方面のアーティストが多い。
ロック界隈でも話題なのは大きく分けると2つあるのかな。
一つはRobert Glaperの周辺、今一つはOdd Futureの周辺だろう。
まあ、個人的に聴いているのは、ていうだけなんだけど。
そのうちでグラスパー周辺と言われるJazz系のミュージシャンでは、昨年リリースされたThundercat
、Kamachi Washington、数年前からテクノ的な界隈で大注目のFlying Lotus、先日アルバムをリリースしたChris Daveなど、およそ主役ではない楽器を繰る人たちのソロが素晴らしいのである。
楽器て、みんな主役になれるんですね。
一方のOdd Future関連では、ドンのTyler The Creatorはヒップホップど真ん中で出す作品がいつも公表を博しているし、近年の音楽シーンでは何と言っても世界各誌で年間ベストをさらったFrank OceanはR&Bかな、そして先日来日したばかりのThe Internetと、それぞれの作品にお互いに参加しながら上質な作品をリリースしまくっている。
私が最近特に好きなのは、そのThe Internet。
SydとMattの二人組で始まって、今ではバンドになったのだけど、曲もメロウで聴いていて心地いいし、ヒップホップ的なビートというのかな、そういうのも心地いい。
見た目に強面なSydも歌うととても美声、彼女のソロ作も含めて実にいいんですね。
最初に聴いたアルバムは最新作『Ego Death』であったが、それはすでに3作目だったということで遡って過去作も聴いた。
1st『Purple Naked Ladies』はもっとアンビエントというか、そんな空気もある全体に穏やかな感じで、これはこれで素晴らしい。
そしてこの間ようやく2nd『Feel Good』を買ってきたんだけど、これはアップテンポな曲も多く、彼らの作品の中では一番ポップな感じかもしれない。
と、言って実はまだ1回しか聴いていないんだけど、聴いていると思わずにやけてしまうような感じで、個人的にはとても好みなのである。
どちらかといえば気だるくてしっとりした雰囲気が彼らの売りだと思っていたし、Sydのヴォーカルもその方が映えると思っていたんだけど、アップテンポな感じもいいですね。
思わず聞きながらにやけてしまった。
ちなみにChris Daveのアルバムも買ったんだけど、これはこれでいいですね。
まだ全然聞けていないけど、これからじっくり聴きます。
音楽に限らずなんでもそうだけど、興味が出たときにあれこれ調べると、その瞬間の理解が変わるし、一度覚えれば以降は結構身についてしまうから根本から変わることになる。
趣味に限らず、それが成長という瞬間だよね。
なんてことは本質的にはどうでもよくて、要するに楽しくなるならそれが一番である。
それにしても、ライブ行きたかったな。。。