音楽放談 pt.2

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毎日8時にあれをやりこれをやる顔 -おっさんとおばはん

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この間テレビを見ている時に、あるCMがなんとなく気になった。

それは口紅のコマーシャルなんだけど、出ているのは今をときめく欅坂46のセンターの子、平手さんだったかな、この子が一人で出ていて、曲もその子はソロで歌っているものらしかった。

その曲自体は全然記憶にないんだけど、キャッチコピーがなんだか気になったんですね。

ざっくりだけど「大人の作った世界なんて云々」といった、いわば尾崎豊的なメッセージ。

気になった理由はいくつかあるんだけど、一つは今の時代でもそのメッセージって有効なんだなという妙な感心と、いまひとつはえも言われぬ違和感である。


私も高校生の頃は変にこじらせていたので、気がつけばパンク方面の音楽に共感を覚えていた。

とはいえ学業成績はまずまず優秀、非常に真面目に過ごしていたので先生からの評判も非常によかった、比較的優等生だったのですね。

それでどこがパンクや!と言う人もあるかもしれないが、当時はひねくれまくっていたので、そう思ったとて典型的なパンクス、あるいは不良像というものがかっこいいと思わなかった。

今考えてもなぜそんな思考になったのか不思議なところはあるけど、気に入らないやつがいたらまずそいつの土壌に立って、その上で真正面からねじ伏せてやる、みたいな思いがあったんですね。

それはもっぱら非暴力的なところにあったので、私はとてもいい子だったんですね。

それに、家が狭いこともあって両親の苦労している話も聞くともなく聞いてしまう環境にいたので、親とか大人への反抗っていう形では私は反抗期を迎えなかった。

ではどこへ向かったかと言えば、そうした典型的な反抗の仕方をする、同世代に対してであった。

かといって喧嘩もしないし、割と粛々と「俺はお前らとは違う・・・」とか思っていたのであった。

大人になってから知ったんだけど、それは中二病と呼ばれる病らしい。

私も普通の文化系少年だったわけである。


それはともかく、それでも大人の作った世界なんて・・・みたいな見方は私の時代にはすでにしていなかったと思うけど、改めてこんなことをいうことがあるのかという単純な驚き、そして今日の焦点は違和感の方なんだけど、これって化粧品のコマーシャル、しかもテレビのCMという点である。

欅坂のファン層は、どこがコアなのかはわからないけど、多分10代だろう。

もっと言えば中高生ではないかと思う、アイドルだし。

マーケティング的な観点で見ても、彼女らをアイコンにするからには10代がメインターゲットになる商材を選ぶだろうと思うのだけど、この商品て一体誰をターゲットにしているのだろうか。

20代も網羅しているのか?

もし仮に20代も網羅してのキャスティングだとしたら、先のメッセージってどうなんだろうと思ったのだ。

なにせこの商品もCMも作っているのはまごうことなき大人であって、商業の最たる形式であるTVCMである。

これって、一体何がしたいCMなんだろうか。

もっというと、そもそもアイドル、ことさら彼女らにはとても賢い大人である秋元さんがいて、大人によってプロデュースされた世界観を作っている子達であろう。

そんな彼女に大人の作った世界なんて・・・と言わせることにどうしても違和感があるのである。

多分、これってこのCMのプロデューサーがしくじったのではないかという気がしないではないが。

だいたい今時の10代20代(前半)の子って、TVCM見るのかな。

まあ、他のキャンペーンも走らせているのかもしれないけど、少なくともこのCMを見た人って、何を思うのだろうか。


そんなCMを見ながらふと考えたんだけど、私はいわゆるアイドルに夢中になったことがない。

それ自体が珍しいことではないと思うんだけど、時代はモー娘。つんくの全盛期、それに端を発してまさに世間では集団アイドルが活況を呈し始めた時代である。

アイドリングとかDreamとか、チェキッ娘とかもいたな。

AKBも、当時は変わったアイドルがいると言って取材されているくらいの頃で、当時は傍流も傍流であったのだ。

しばらくしてデビューしたんだけど、その時は「なぜこんなに可愛くない子たちが?」と散々言われていたが、すっかり彼女たち(というか秋元)の完全勝利である。

そんな環境なんだから聞いていても良さそうなものだが、全く引っかからなかった。

まあ、ミスチルすらまともに聞いていないやつがそんな方向に行く由はないのだけど、今改めて考えて見ると、ひとえに彼女たちがプロデュースされた存在である、という点が大きいかもしれない。

単純にパフォーマンスとか、演劇みたいな視点で見ればなるほど確かに頑張っているし、すごいものだと思うものもある。

だけど、根本にはやっぱりエンタメとして面白いだけで、私自身根本で刺さるのは生身の部分だったりするから、アイドルには私はそれを感じることができなかったのかもしれない。


ちなみに私はプロレスも好きでよく見るんだけど、いわゆる一生懸命キャラやっている、というレスラーを見るとなんとなく恥ずかしい気持ちになるし、単純にすごい技、サーカスみたいな動きもすごいなと思うけど、感動はしないんだよね。

それよりも、何かその人の根本というか、剥き身の部分が出てきた時に面白いと感じる。

それが見えない限りは、別に見たいとも思わないし魅力も感じないのである。

私にとってはそれが何より重要だということだろう。


話を戻すと、一生懸命彼女は与えられた役割や、キャラクタを演じている。

その演技力というか、なりきり感はすごいなと思う。

中性的な外見も相まって、女の子にも人気な理由はわかるように思う。

だけど、それゆえにこそメッセージを間違うととんでもなく違和感しか生まないのである。

無理して大人はどうとかいう必要はないだろう。

周りがどうだろうが、自分でやってやるという気概がいつでもどこでも重要で、彼女に言わせるメッセージとしてはむしろそういう方面が正解な気がするし、その方がより深い意味でメッセージ性もあると思うけどな。


いずれにせよ、子供は大人に歯向かうもの、年長者に対しては反抗的に振る舞いたいものである。

でもそれだけでは何も変わらないし、時代を変えるのはそういう態度ではないと思う。

実はおっさんとおばはんも結構頑張って生きているし、なんなら世の中が安定していて、そうして呑気に反抗していられるのも、おっさんとおばはんの頑張りのおかげだったりするわけだ。

毎朝の通勤電車、くたびれているのは伊達ではないのである。


・・・・結局なんの話なんだろうか。

自分でもよくわからなくなってきたが、私ももうおっさんと呼ばれても仕方ない年齢に差し掛かってきた。

日曜日の夜は酒を飲みながら書いているので、ロクでもない内容になるのである。

もしアイドルファンに攻撃されたら困るから、一応弁解だけ最後にしておこう。

欅坂の子は悪くない!悪いのは、その背景にいる大人たちだと。