音楽放談 pt.2

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求められても困るもの -Suchmos

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最近の若者たちには一体どんなバンドが流行っているのだろうか、ということを知ろうと思ったらとりあえずロッキンオンジャパンをペラリとめくればすぐにわかる。

多分3ヶ月分くらい見ればなるほどなとその動向は一目瞭然だ。

加えて夏と年末のフェスのメンツを見れば完璧だ。

ただ、不思議なものでどうもそのあたりのバンドはピンとこないことが多い。

なぜかわからないんだけど、ピンとこないんだ。

多分、根暗な私にはその陽気でキラキラして、自分を含めた世界を真正面から肯定しているようなそのポジティブさに当てられてしまうのだろう。

悲しい性だ。


さて、そんな若者たちの間で少し前爆裂な人気だったのがご存知Suchmosだ。

ジャミロクワイ的なオシャレさと、どことなくとんがった佇まい、何よりみんな横浜出身で見た目もオシャレときたもんだ。

曲もクールでかっこいい。

いわゆる日本の歌謡曲ではなく洋楽的、歌詞も英詩を交えているのでそりゃ飛びつくわな。

さらに彼らを一躍お茶の間に広げたのは"Stay Tune"という曲。

ギターイントロも印象的な1曲だが、この曲を聞いた中高年どもにも刺さったとか。

ちなみにあの曲をフルで聴いたことある人はどれくらいいるんだろか。

実はキャッチーなのはCMで流れたあの部分くらいで、あとは結構大人しめというか、ましてカラオケで歌って盛り上がる類の音楽ではない。

もともと彼らはシンガロングな曲はあんまりやっていないし、静かに身をくゆらすのに心地いい音楽だから。



私は2ndが出る手前くらいの時に1stアルバムをようやく聴いたくらいだったんだけど、1stのわりになかなか渋い曲揃いで、ポップでキャッチーな曲もあるにせよ、とにかくクールだぜ、と思った。

歌詞に目を向ければ、やっぱりどこか冷めていて、なんなら彼らを「オサレ!!」とか言ってもてはやすような連中を皮肉っぽく切り取るようなものが多い。

アルバム2曲目の"GAGA"という曲も、「並ぶためにパンケーキ食べて」みたいな歌詞もあってね。

でも、根っこでいやらしさというか、いやみったらしさみたいなものはかけらもないのが素敵なところだろう。

チャラさみたいなものがないのも不思議なんだけど、そんなだから私も素直にかっこいいなと思ったものだ。

個人的な好みとしては、かの"Stay Tune"の入った2ndよりも1stの方が好みだ。


そんな彼らが今年、だったと思うけど、ワールドカップのタイアップ曲をやったんだってね。

さっきYahooニュースで出ていて知ったんだけど、そのことで紅白確定か?なんて記事が出ていたわけだ。

私はサッカーに興味がないので、試合結果を世間話程度に見た程度だったので知らなかったが、どうもその曲の評判が良くなかったらしい。

サッカーっぽくない、盛り上がらない、センスがないなど言われたい放題だ。

一体どんな曲なんだろうと聴いてみたんだけど、彼ららしいかっこいい曲じゃないか。

ベースラインもドスが効いているし、全体に静かで重心が座った感じは別に悪くないじゃないか。

しかし、どうやらサッカーファンにとって期待していたのはもっとアゲアゲで、それこそDragon Ashの"Fantasysta"とかSuperflyの曲らしい。

まあ、言っていることはわかるし、ウワーッと盛り上がることは、この曲ではないだろうね。

だけど、今回の日本代表って、大会前はボコクソに叩かれてて、30前後の選手も多かったとかでそれも批判されていたわけじゃない。

その中でも粛々とやるべきことやって結果につなげていったそのストイックさというか、静かに燃える感じというか、そういう状況を照らして見ればとてもしっくりくると個人的には思ったけどね。

私はサッカーファンじゃないから、サッカーファンの気持ちはわからないけど、こういう曲も全然ありだと思うけどな。

それでも「サッカーの曲なんだからサッカーっぽい曲を作るべき」「こんな曲作るなんてセンスない」など散々な言われようで、なんだかなと思ってしまったものだ。


Suchmosは、ヴォーカルラインが派手な曲はほとんどないし、実際カラオケで歌って盛り上がる曲は多分ない。

私もたまに歌うけど、聴いていて心地いけど歌って楽しいかと言われれば、そういう音楽ではないかなというのが正直なところだ。

それが悪いとかいう話では全くなくて、単純にそれが音楽性とかの違いだろうし、好みの問題でしかない。

ただ、今回こうして彼らが批判を浴びる結果になったのは、結局サッカーファン、ていうかこの手のイベントで騒ぎたい奴が欲しているのはみんな一緒にわーってなる感じなんだろうね。

その曲に込めた想いとかテーマとかそんなことはどうでも良くて、サビでわかりやすく盛り上がれればOKて。

お祭りだから当たり前っちゃそうなんだろうけど、ちょっと違う面から音楽ってやつを捉えてみて欲しいなとも思うよね。

そもそも彼らの魅力ってそのクールな感じなんだから、情熱を求めるのはちょっと違うだろうと思ったけど。

まあ、この曲についてのサチモスのインタビューとか見たわけじゃないから、実際どういう思いで作ったのかは知らないけど、私が聴いて思ったのは上記のようなことでした、というだけなんだけどね。


ともあれ、やっぱり売れるっていうのもバンドにとっては大きなストレスの原因にもなるんだろうななんて思ったよね。

実際サチモスもいっときの勢いはなくなった気がするし。

単に流行り廃りを追いかけるだけの奴らに飽きられただけなんだろうけど。

でも、彼らの音楽はかっこいいのを相変わらずやっているから、めげずに頑張って欲しいよね。