音楽放談 pt.2

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The Novembersがもっと発見されてほしい

自分自身の中に物事を図るものさしを持っている人というのは、得てして魅力的である。

 

それは自分の軸があるということなので、その判断には常に理由があるし、何かあるときには頼りたくなるのもそういう人だろう。

 

アーティストと芸能人の違いも、同じことをやっているようで違いはそうした軸があるかどうかだと思っている。

 

私が好きなのはもちろんアーティストで、いわゆる信頼できる人というのはその軸がまあブレない人である。

 

私がNine Inch Nails = Trent Reznorがずっと好きなのもその軸があるからだし、The Mad Capsule MarketsのUeda Takeshiもやっぱりそういうものを持っている人だと感じるのである。

 

その時々のフィーリングで音楽自体は聴いていたりそうでなかったりはあるけど、新譜を出せばチェックして、その活動を追いかけている。

 

 

さて、最近そんなことを感じるのはThe Novembersである。

 

音楽的にはざっくり言えばオルタナと呼ばれるわけだが、要はいろんな要素をふんだんに盛り込んでいるものの、独自の音楽を展開しているというわけだ。

 

私が最初に彼らを知ったのはライブの現場で、振り返るとちょうど10年くらい前である。

back-to-motif.hatenablog.com

なかなかコアなバンドを集めたかなり濃いめのイベントで、Bo Ningenを観たくて足を運んだものだ。

 

ただ、記事を読んでもこの時は全然ピンと来てないんですよね。

 

その割にその風景は結構覚えていて、当時金髪に長髪だった小林くんの客席を睨みつけるような佇まいと、真っ黒な服に身を包み聴いているんだか聴いていないんだかわからない彼らのファンにちょっと引いてしまったというのが正直なところだった。

 

実際当時の彼らのライブについて、BorisのAtsuoさんがトークイベントで「誰も動かずに棒立ちみたいな感じでびっくりした」と話していたが、本当にその通りだった。

 

楽しみ方は人それぞれなので、別に悪いという話ではないけど、好きな音楽を聴いていたらついテンション上がってしまったり、体を揺らすくらいはしてしまいそうだが、そうならないのは何かの儀式なのかと思ってしまったのだろう。

 

 

しかし、その後私が行くライブで彼らとよく遭遇することになる。

 

多くの場合アウェーで、それが一番強烈だったのはBack Drop Bombのトリビュートイベントの時。

 

音楽的にも全然違う中でどんな接点なのか不思議だったが、アルバムに参加しているのである。

 

他のバンドがいわゆるメロコア系が大半なので、ライブも異彩を放ちまくっていたし、正直多くの客が休憩時間にしておりフロアはガラガラだった。

 

その中でKenKenが出てきてノリノリで聴いていたのがすごく良かったよね。

 

Mouse On The Keysとも対バンやったりして、とにかく精力的だった。

 

そうして何度も観ていれば必然音楽だって耳に入ってくるわけで、あれ?かっこいいじゃないかと気付き、その後音源を買うようになり今では大好きなバンドの一つだ。

 

音楽性も根本は変わらないと思うけど、表現のベクトルやより強く出てくる部分が変化しているように感じるのが近作だが、ライブのスケール感もパフォーマンスの強度もかつてと比べ物にならないくらい大きくなっていて、集客力と音楽が見合っていないのである。

 

昨年はフジロックでホワイトステージに出演して、ライブの評価は抜群だった。

 

あとは本当に発見されるだけだ。

 

もっと多くの人に聞いてほしい、現日本のオルタナロックの雄、The Novembersのキャリアを勝手にまとめてしまう。

 

メンバー

まずはメンバーだが、ここらはWikipediaを参照。

 

Vocal /Guiterで、大半の作詞作曲をしているのが小林くん。

かつては金髪で危ない文系青年のような佇まいだったが、今は好青年と化している。

 

元々喋り方も穏やかなので、変なトゲがなくなったのかもしれない。

 

最近ではBoom Boom Sattelitesの中野さんとThe Spellboundを結成しているが、元々他のアーティストとの課外活動も多く、先のBDBのアルバム参加も、ドラムの有松さんとバンドやっていた縁だったんだろうね。

 

どちらかと言えばハイトーン気味で、悲鳴のようなスクリームが得意だ。

 

ライブ序盤から結構激しく歌っているが、よく喉が持つなといつも唸らされる。

 

 

続いてBassの高松くん。

小林くんとは高校時代からの同級生で、バンドのリーダーは彼である。

 

バンド名は彼の誕生日が11月なので、それにちなんでなのかと思ったがそうではないらしい。

 

それはともかく、彼もあちこちでサポートでベースを弾いているが、私が大好きなLillies and Remainsではもはや固定のように弾いている。

 

彼らの音楽でもこのベースラインがかなり効いていて、曲をぐんぐんに引っ張っているので、ノイジーなギターが目立つが実はこのベースが肝なんだと個人的には思っている。

 

彼のベースラインはかっこいいんですよ。

 

特にインダストリアル風味の強くなってきたここ2作でも打ち込みと同期して奥行きを産んでいる。

 

ちなみに大のラルクファンで、小林くん曰く、彼はもはやラルクであるらしい。

 

なんじゃそりゃ。

 

 

続いてGuiterのケンゴマツモト。

このバンドの中で一番ロック的なイメージの見た目で、実際唯一の喫煙者で趣味は飲酒だそうだ。

 

ライブでも頭を分回しながらノイジーなギターをかき鳴らしつつも、実はマルチにさまざまな楽器ができるらしい。

 

自身のプロジェクトではアンビエント/ノイズな音楽もやっているという。

 

また、ギターをバイオリンのように弓でギコギコ引くようなトリッキーなこともしており、ギタリストとしてちょっと特殊な嗜好を持っているようにも思う。

 

見た目は怖いが話すと気のいいにいちゃんという感じだ。

 

 

そしてドラムの吉木さん。

ぶっきらぼうで無愛想に見えるが、実際はそんなことはないらしい。

 

彼はデイブ・グロールを敬愛しているらしく、そのプレイもダイナミック。

 

音楽的に一番ロックなのは彼かもしれない。

 

ちなみに小林くんに、ドラムの叩き方がかっこいいという理由で誘われたらしい。

 

それはともかく、音楽的にも肉体性が強いのはやっぱりドラムだと思うけど、そうしたパワーを持っているのは彼のドラムによるところが大きいだろう。

 

個人的に印象的だったのは、ドキュメンタリーで「俺は今の感じだと”こわれる”は演奏できない」といったことを言っていたという場面で、結構こだわりというか、頑固なところのある人なのかなという気もするが、他のメンバーが自由そうだから、実は彼がある種の要のようになっているところもあるのかもしれないと思っている。

 

そういえば、ライブのメンバー紹介で「バンドの良心」と紹介されていたな。

 

 

彼は2005年にデビューして、キャリアの本当に初期は違うメンバーがいたようだが、まもなく吉木さん、ケンゴさんが加入し、以降はメンバーチェンジも脱退もなく、この4人のままやってきている。

 

特に活動休止などもないし、音源もコンスタントにリリースしている。

 

似たところもある一方で、根っこの価値観だったりは色々違うところの方が多いらしが、それでもずっといい距離感でやっていて、その上で音楽的にはどんどん挑戦していくし、多分健全な野心を共有しているんだろうと感じる。

 

いいバランスでやっている稀有なバンドかもしれない。

 

 

1st EP『The Novembers』(2007年)

彼らのデビューEPはセルフタイトル、6曲というボリュームながら、既にこの時点でスタイルができている。

 

オルタナ的なギターが耳を引くが、一方で歌メロはポップ、ていうかラルク

 

代表曲の一つと言える”she lub luck”を収録、てっきりスマパンのオマージュかと思ったものだ。

 

この曲は特にヴォーカルメロディーはかなりラルクなので、そういう意味で受け入れやすい人もいるんじゃないだろうか。

 

しかし、歌詞にはシャルロット・ゲンズブールとか出てくるから、やっぱりちょっと文系オタク臭がするよな。

 

ジャギジャギ刻むギターがかっこいい。


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また鬱っぽさはキャリア随一な”最近あなたの暮らしはどう”も収録。

 

音源を聴いた時に、私が一番フックされたのは実はこの曲だったんだけど、実は先の引いちゃった感情って、同族嫌悪に近いものだったのかもしれないなと思ったものだ。

 

歌詞は耽美的というか文学的というか、オルタナ映画の一場面を描いたようなものが多い。

 

ちょっと表現が直接的すぎるというか、普遍性という意味ではそこまで消化できていない印象がある。

 

でも、世界観はしっかり出来上がっている。

 

1st フルアルバム『Picnic』(2008年)

翌年にはフルアルバムをリリース。

 

こちらも代表曲は先にも少し触れた”こわれる”という曲。

 

ギターはポストパンクっぽさもありながら、この頃は激情と呼ぶような展開が多いね。

 

歌詞はタイトルの通り、自身のアイデンティティが何かの力で壊されて、それに飲み込まれていく不安感を描いたような感じだろうか。


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彼らの楽曲は短音のギターメロディが儚くて美しいものが多いのだけど、”アマレット”という曲のイントロもそんな側面を表現した曲の一つだろう。

 

この頃は特に世界vs自分みたいな視点が多い印象で、音的には攻撃的で激しい反面、内向性が全開である。

 

でも、私のようなものからするとこの世界観が刺さるのである。

 

学生時代に出会わなくてよかったとちょっと思う。

 

下手すると抜けられなくなりそうだから。

 

フルアルバムということもあって、彼らの引き出しもふんだんに発揮されており、中にはシューゲイザーな曲も入っているので、音楽的な懐もしっかりと示していると言えるだろう。

 

 

2nd EP『paraphilia』(2009年)

 

非常に精力的に音源もリリースしている。

 

この頃のアルバムは連作的な印象である。

 

一つ一つの作品でちゃんと完結はしているけど、音や世界観は地続きな感じかなと。


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こうして改めて聴いていると、ギターリフはかなりオリジナルか感じだ。

 

ギターメロとかすごく綺麗だが、ヴォーカルは叫びまくっている。

 

映画的に描かれる描かれる美しい世界に対して、でも実際はそんなものはないと絶望するような視点が多い印象で、そこに悲観しているところから徐々に怒りを爆発させるような表現になっているような印象である。

 

ちなみに、アートワークも1人のアーティストが手がけている。

 

既に彼らなりの世界観、美的感覚が通底しているのが素晴らしい。

 

2nd フルアルバム『Misstopia』(2010年)

そして2ndフルアルバム、私が初めて買った彼らの音源はこのアルバムだったが、この頃は今改めて聴くと少し視点が変わり始めているのかなと感じる。

 

タイトルトラックでもありアルバム冒頭を飾る”MIsstopia”は、今に通じる美的感覚を表現した曲だったのかなと思う。


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音響的にもギターロック以上の要素を盛り込んでおり、シューゲイザー的なノイズの美しさもありつつ、歌詞はある種の理想世界へ突き抜けるような感覚があるように感じる。

 

この曲だけ聴いたら別に鬱バンドでもなんでもない。

 

正直曲調だったり全体的な作風で言えばこれまでの延長ではあるが、一つの完成形を示したようなアルバムだと思っているので、もしノベンバ未聴の人がいたら2番目に聴くアルバムとしておすすめしたいところだ。

 

個人的にも最初にこのアルバムを聴いたのは良かったよな。

 

3rdフルアルバム『two (melt into)』(2011年)

続く3枚目のアルバムも、前作からわずか1年後である。

 

この頃は表現をより先鋭化させていくような印象だ。

 

ライブでは一頃定番となっていたこの曲も収録されている。


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歌詞を改めて見ていくと、なんとなく慣習に倣って生きているような人たちに対する強烈な告発のような内容だ。

 

そのメッセージ自体はハードコアパンクである。

 

続く2曲目はギターワークの心地いい軽やかさがあってまたいいんだよな。

 

改めて聴いていると、結構ミニマルな曲も多いし、いわゆるJ-POPとはやっぱり違う音楽を奏でている。

 

またアルバムの完成度としてはますます上がってきている。

 

3rd EP 『Gift』(2012年)

こちらは全体的に静かというか、彼らの静の部分を表現したような曲が多くを占めている。

 

今改めて聴くと、”Herem”という曲は、まさに近作に近い感覚の曲で、歌詞の中にも「今日も生きたね」という言葉も出てくる。


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小林くんの歌詞は、理想的な世界と現実の世界のギャップに苦しむような感覚を描いたものが多いように思うが、この曲ではそれをだからなんなんだと一蹴して、そこから先にじゃあどうするかということを提示しようとしているような感じがする。

 

踊りましょうと繰り返し歌われるが、踊るという表現はある種伝統的なロック的スタンスだと思っていて、古くはソーラン節ですら同じアホなら踊らなにゃ損損というわけだから、時代を超えた普遍性のある表現なのかもしれない。

 

全体に穏やかな曲が多く、フルアルバムというよりはEPとしてリリースされた理由もなんとなくわかるが、彼らの静かな面が全面に出ているので、4枚目くらいに聴くのにおすすめかもしれない。

 

大きなお世話か。

 

4th EP 『Fourth Wall』(2013年)

この頃からまた少しずつ模索期間に入っているように感じる。

 

ややメタリックというかエレクトリックというか、ハードさを増していく。


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今に至るもライブ定番曲の一つがこちらdogma"である。

 

小林くんのスクリームも全開だが、音的にはエフェクター噛ませまくりのノイジーなギターがかっこいい。

 

音楽的にはギターバンドとはちょっと違うことに色々トライしている印象だ。

 

彼らはEPも多いのだけど、その時々で色々模索しつつ、しかしちゃんとクオリティ出してくるから小まめに出すとこういうリリーススタイルになるんだなと図らずも思うところだ。

 

4th フルアルバム『Zeitgeist』(2013年)

このアルバムはあのdowny青木ロビンがプロデュース。

 

その影響というわけではないと思うが、彼らのキャリアにおいてもかなり特殊な印象の作品となっている。

 

downyっぽさもあるので、彼らのやりたいことを考えた時に出てきたのがそういうことだったのかもしれない。

 

全体的に重たいし、これまであったJ-POP的なわかりやすさが一番薄いアルバムかもしれない。


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この曲はライブ定番の一つだが、構造的にはdownyっぽいよな。

 

この曲には個人的な思い出があって、先に書いたmotkとの対バンの時に確か1曲目に演奏された曲で、会場にいた白人の女性客がこの曲のスクリームを聴いた瞬間に吹き出すようなリアクションを取っていたのだ。

 

その時点で私はこのバンドのことはそんなに好きというわけではなかったけど、なんかよくわかんないけど悔しいような気持ちに見舞われたんですよね。

 

その手前で彼らのライブは見ていたし、それでちょっと気になり始めていたし、こいつらあちこちで見るな、なんか頑張ってんなとか思い始めた頃だったので、なんか悔しかったのかもしれない。

 

それはともかく、音楽的な幅も広がり始めた頃である。

 

まあ、引き続き位か明るいか暗いかで言えば暗いんだけどね。

 

でも、そもそもNINが好きな私ですので、本質をなんとなく感じ始めた時点で彼らは気になる存在でしかなかった。

 

5th フルアルバム『Rhapsody in beauty』(2014年)

冒頭からギターノイズ全開で、インタビューや各種の評にも書かれているが、マイブラよろしくシューゲイズなノイズ全開だ。

 

しかし、やっぱりこのアルバムではこの曲だ。


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この”Xeno”のベースラインがどうしてもBoom Boom Sattelitesの”Dive For You”

のように聴こえるが、それは置いておいても単純にかっこいい。

 

シンプルの曲としてかっこいい。

 

しのごの言うなという感じだ。

 

ここのあたりは何かを掴もうとしているのかなと今にしては思うところだが、続くEPもそんな彼らの何かを表現しているように思う。

 

5th EP 『Elegance』(2015年)

続くEPでは土屋昌巳がプロデュース。

 

前作に引き続き実験的な作品だ。

 

こうやってみると、あえてEPという形でリリースする価値みたいなものを感じるよね。

 

曲そのものの骨格が変わるわけではないが、アレンジなんかは明らかに彼らのこれまでとは違うものを示している。

 

音楽的な影響源が、小林くん1人でも多様な上、メンバーそれぞれの影響度も見えいくとべらぼうに広いので、やりたいこととバンドとしてやるべきことの焦点が絞りにくかったのかなとさえ思える。

 

しかし、こうしたあれこれが彼らの最高傑作へと結実していくのだから面白いところである。

 

6th フルアルバム『Hallelujah』(2016年)

個人的に目下の最高傑作だと思っているのはこの6枚目のフルバム『Hallelujah』である。

 

曲自体も、アルバムとしての構成も、テーマ性だったり彼らの今の活動を見るにつけ、これが一つの到達点だったのは間違いないだろう。

 

美しさ、というのが彼らの表現における一つの大きなテーマなんだと思うが、それをしっかりと形にできたアルバムはこれなんじゃないかと思っている。

 

実際このアルバムのツアーの模様はドキュメンタリー&ライブDVDとして作品化もされている。

 

曲そのものの粒の揃い方もすごいし、アルバム全体としての完成度も素晴らしい。

 

そして彼らの表現しようとしていたことってこういうことなのかなという伝わりやすさという面でも、ある種完璧な1枚なんだと思う。

 

本当にいいアルバム、すごいアルバム。


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祝祭感みたいなものを含めて、冒頭のタイトルトラックから完璧だ。

 

かつての観客棒立ちが当たり前だった頃とは比べ物にならないスケールに一気に到達したようだ。

 

面白いのは、そうはいってもこのアルバムの他の曲でも、既存のダメなものを全てぶっ壊して新しいものを作っていこうぜというような意思表明みたいなものが全編に渡っていることだ。

 

彼らのパンクスピリットみたいなものも出ているのである。

 

でも曲はどれもキラキラしてとても希望に満ちいていて、時にハードにクソみたいなものをぶちのめしていくような感じもある。

 

私はこのアルバムを聴いた時、ちょっと痺れすぎてしまった。

 

私が単独に足を運ぶようになったのはまさにこのアルバムがきっかけなのである。

 

ハードな曲から耽美的に美しい曲まで、これ一枚でベスト盤みたいな佇まいで、彼らを初めて聴く人にお勧めするなら間違いなくこれである。

 

このアルバムツアーの模様はライブ/ドキュメンタリーDVDにも収録されているが、そちらも必見である。

 

私は純粋は音楽的な好みで言えばLillies and Remaindsの方が好きなんだけど、アーティストとして見た時にこのアルバムは明らかに頭一つ以上飛び出たと感じたのよ。

 

このアルバムをきっかけに、明らかにスケール感が増していった。

 

美しいと言う言葉も、今では彼らの代名詞のような表現になっている。

 

本当に素晴らしいアルバムだと思っている。


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アルバム全編通じて幅の広さだけでなく歌詞そのものも素晴らしい。

 

このアルバムは本当に好き。

 

彼らの表現のベクトルは、このアルバムでより鮮明になったのではないかと勝手に思っている。

 

 

この作品以降、何かに目覚めたようにさらにアグレッシブになっていく。

 

7th フルアルバム『Angels』(2019年)

ここでは書いていないが、彼らは毎年何かしら作品をリリースしており、そのクリエイティビティにも舌を巻くが、どんどん進化していく様は本当にかっこいい。

 

この『Angels』は、これまでもちらほら見せていたインダストリアル風味を全開に見せ始めているし、キャリア随一にアグレッシブを発揮している。

 

イントロからやばい”Tokyo”は、あの映画AKIRAの世界観を彷彿とさせるようなまた異色の高揚感を醸し出す1曲だ。

 

どこへいく気かNovembers!

 

そして爆裂かっこいいのがこの"Bad Dream”だ。


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2022年のフジロックの映像だ。

 

客は正直多くはないが、そんなこと問題じゃない。

 

次のフェーズに彼らが移行してきたことを示すような1曲だと思う。

 

ちなみにこのアルバムにはあのSuicideのカバー"Ghost Rider"も収録されている。

 

ライブもどんどんスケール感が増してきているところだ。

 

8th フルアルバム『At The Beginning』(2020年)

1年と待たずにリリースされたこのアルバムは、前作をさらに推し進めた作品だ。

 

これまでならEPを挟んで色々試していたようなのがこれまでだっただろうが、フルレングスでこのスパンのリリースなので、表現欲求が爆発しているんだろうな。

 

前作と地続きな作品だが、インダストリアルな打ち込みをふんだんに盛り込んでいて、ただかっこいい。

 

そのくせ1曲目からいい曲すぎる。


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前作同様とにかく充実感みたいなものが溢れていて、ひたすらかっこいいゾーンに入っている。

 

それぞれの持っている音楽的趣向やプレイヤビリティも発揮されているので、全部聴きどころだ。


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ケンゴさんの弓弾きのギコギコギターも炸裂しまくったこの曲も是非聴いてほしい。

 

充実度という意味では随一なアルバムだと思っている。

 

いやほんと、もっと広く発見されてほしいバンドだ。

 

まとめ

彼らにはきっとやりたいことが明確で、今は環境的にもそんな境地に立っているのかななんて思う。

 

ライブはどんどんスケールアップしていくし、パフォーマンスはかっこいいし、曲はそもそもいい。

 

万人受けするかといえばそうでもないと思うけど、アイドルポップスがオリコンとかいう1企業のランキングに乗らないだけで日本の音楽は終わったとか言っている奴らに知らしめていやりたい。

 

まあ、本質的にはそんなことはどうでもよくて、何を表現したいのか、そのために何をやるのか、それが彼らなりには明確なのかなと思っている。

 

この先どこまでいくのか、それが楽しみなバンドだ。

 

いやでもほんと、もっと多くの人に発見されてほしいバンドである。


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