音楽放談 pt.2

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小休止170「場の力」

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東京に住んでいて嬉しいなと思うことの一つが、音楽イベント、ライブが方々で開催されていて、そこへふらりといけることである。
 
私は音楽を聴く専門なので、こういう環境はとても嬉しい。
 
大きな会場も小さなライブハウスも、電車1本で行けてしまう。
 
大学から関東に住んでいるんだけど、実はライブへ足繁く行くようになったのは社会人になってからだ。
 
理由は簡単で、金がなかったから。
 
高校生の頃はそもそも聴く音楽も少なかったし、その時現役でない人の音楽ばかりだったし、田舎なのでライブハウスとかライブ会場というものが遥か遠くのものに感じていたから、そもそも興味がそこへ行くと言うことがなかったんだよね。
 
勿体無いことしたないと思うところもたくさんある。
 
 
そうして方々へ行くと、好きな会場、そうでもないところなど、会場自体についても色々と目が向くようになる。
 
スタンディングの会場ではまずまずのStudio Coastなんかはどこからでもステージが見やすいし、音響も良いのでとても好きな会場だ。
 
駅から大きな橋を渡っていくのもなんだかいい。
 
都内では代官山UNIT、恵比寿Liquidroom、渋谷www、www X、duo music exchange、ツタヤO界隈あたりは割とよく行く会場だ。
 
渋谷にはたくさんライブハウスがあって、club asia、womb、chelsea hotelなど小規模会場も盛りだくさんで、いったことのないところもたくさんだ。
 
ちょっと毛色は違うが、Bunkamuraオーチャードホールなんかも大物がしばしばやってくる。
 
下北沢界隈はそうした小さなライブハウスのメッカで、比較的大きなところでFeverとかになるのかな。
 
日々インディバンドが街のどこかでライブをやっているようなエリアである。
 
新宿ではLoftやNine Spiceなど、意外と中規模でもライブハウスってない気がする。
 
池袋のライブハウスも考えてみればいったことがないんだけど、確か池袋界隈はビジュアル系が盛んだった気がする。
 
それぞれのライブハウスがどんなバンドをブッキングするかということもあるので、自ずとカラーが出てくるのが面白いところだ。
 
 
で、そんな会場の中でも聖地というか、特別感を持っていろんなアーティストにとっての憧れにもなっている会場もいくつかあって、代表的なのは日本武道館だろう。
 
Beatlesがライブをやって以来、バンドマン達にとっても一つの到達点として目標にされていることが多いし、今だに武道館までいったバンドは一定の成功を納めたな、という目を向けられる。
 
若いバンドもデビュー数年でたどり着くことも多いから、半ばマーケティング的な意味合いの方が強くなって来ている気がしないではないが。
 
ちなみに私は武道館でライブを見たことって、ないな。
 
 
また、ちょっと違う形で特別な場所と言われるのが日比谷の野外大音楽堂である。
 
都会の、それこそ官公庁のビルもひしめくど真ん中にある非常に得意な野外会場である。
 
親子連れが遊ぶ公園の一角にあって、普段は雨風に吹きさらしの、昔ながらのイベントスペースみたいな場所なんだけど、普段のライブと異なる趣向や、記念的な興行の場所として好む人も多く、また見に行く人たちも普段のライブとは違うし、いわゆるフェスとも違う、ある種独特の場所として存在している印象だ。
 
野音のライブは夕方少し早めに始まることが多い。
 
17時とかね。
 
ライブハウスではないのでドリンク代を払うということはないし、なんなら持ち込み可だ。
 
会場内にも小さな売店は出ているんだけど、みんな近くのコンビニなどで買って行くのである。
 
この辺はプロレスに近いものを個人的には感じている。
 
日よけもなにもないので真夏はかなりきついものの、夕暮れから日が沈み、徐々に暗くなって行く風情はとてもいいものがある。
 
会場のごく周辺は木々があるので少しだけ隔離されているんだけど、その向こう側に夕日に照らされるビルが見える景色、そこで轟音の音楽が鳴り響いている感じって、やっぱり不思議な感じがするのである。
 
日々の仕事で目にする景色は、木々の向こう側にあるビル群なんだけど、そこのど真ん中でゆったりと酒飲みながら音楽を聞いている感じが、非日常感を強めるのかもしれない。
 
ひょっとしたら、この会場は都会に住んでいる人にこそ感じる風情かもな、とたまに思う。
 
 
とか言いながら、私がこの会場に行ったのは都合3回。
 
昨年5月頃のROVOのイベントが初めてで、あとは先週のOgre You Assholeと昨年のThe Blue Herbの20周年記念ライブだ。
 
先週もゲリラ豪雨に見舞われ、TBHの時は台風が直撃したので、どっちもゆっくりビールを飲みながら、なんていう風情ではなかったね。
 
まともな環境だったのはROVOの時だけなんだけど、そのときもOgreが出ていて、D.A.Nも出ていたんだけど、彼らの時間帯がまさに夕暮れどきだったので、音楽性も相まってとてもよかったね。
 
それこそフジロックのフィールドオブヘブンとか、あの辺の空気感に近いものを感じた、個人的には。
 
TBHの時は、本当に大変だったな。
 
足元もびちゃびちゃ、10月末なので服装に迷いつつ雨のせいでかなり寒かったし、カッパを着ていたけど安物だったからフードが小さくてちょっとずつ顔も濡れるし。
 
ていうか台風だし。
 
だけど、だからこそかとても印象的なライブだったし、DVDも買ってちょいちょい観ている。
 
ていうか今も見ているんだけど。
 
この時のライブ自体がとてもよかったのはもちろんあるけど、こんな環境でライブを見る経験自体がそもそもないからね。
 
フジロックに行った時もずっと大雨だったけど、ちょっとまた違うんですよ。
 
環境そのものが非日常のフジロックだから、最初からお祭り気分というか、それ覚悟だったけど、野音って思いっきり大都会のど真ん中、終わったら普通にいつもの地下鉄に乗って帰るわけだから、その瞬間だけが特異点なのである。
 
そういう体験も含めて、とても楽しかったんだよね。
 
 
弘法筆を選ばず、という諺があるが、筆を選んでこそ素晴らしいものを生み出すことができるのも事実である。
 
音楽それ自体の魅力は前提として、それを引き出す機材、スタッフ、そして時には会場も体験を強化する手段なのである。
 
やる側も、この会場には思い入れがある、好き、というのはあるというので、リスナーだけの話ではないだろう。
 
いろんな会場へいくと、それぞれの違いも見えてくるから面白いので、おすすめである。
 
tha blue herb 野音ライブtrailer