音楽放談 pt.2

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揺らめきの向こう側 -Ogre You Asshole

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今日はOgre You Assholeの日比谷野音ライブへ。

正直彼らの音楽は室内のきちんとした環境の方が映えると思っているし、なんなら天気も心配だったのでどうしようかと思ったんだけど、久しぶりに彼らのライブが見たかったし、今回はかなり音響面で面白いことをやるという触れ込みだったので、それであればというわけだ。

3連休最終日の天気予報は、見る場所によって違うという困った有様であったのでカッパを持って入場。

彼らの目下の最新作『ハンドルを放す前に』リリース以降もちょこちょこライブは見ているし、そのすごさは知っている。

3部作の頃には、『homely』収録の”ロープ”がライブのハイライトになっていたんだけど、くだんのアルバムリリース以降はセットリストも少しずつ変えており、ハイライトをあえて変えてきているところに彼らの気概を見るんだけど、どっちにしても素晴らしいのですよ。


彼らの楽曲は、初期はUSインディ、それこそModest Mouseなんかにもろ影響を受けた感じの楽曲で、ポップながらエキセントリックなギターが耳を引くものだった。

今日も演奏された『フォグランプ』収録の”ヘッドライト”もそうだしね。

最近では後期ゆら帝と比較されるような世界観と、D.A.Nにも影響を与えるミニマルメロウという独自の世界観を追求しており、いずれにせよ唯一無二だ。

音源は音の密度も低めで、全体にゆったりした曲も多く、ヴォーカル出戸くんの少年的な声も相俟ってチルな印象が強いんだけど、ライブではシューゲイザーも真っ青なギターノイズ満載の轟音の渦で、とにかく気持ちしい。

だからこそ音響のいい環境で聴きたいバンドでもあるんだよね。


ライブは17時から、開始時刻までは「もつか?」という期待感もあったんだけど、1局目が終わる頃には見事に降り始めて、それから程なく大雨に。

まじかよ・・・と思いつつも彼らのライブには雨が不思議とよく似合う。

暗いわけでもセンチメンタルなわけでもないけど、音像が雨にぴったりだ。

といって鮮やかな夕景にも映えるから、素晴らしい音楽はその瞬間をよりよく演出してくれる、ということかもしれない。

それはともかく、今日の注目の一つが音響。

ステージ脇のスピーカー以外にも後方にそれらしきものが配置されている。

通常のライブハウスでも渦巻くような彼らの音像が一体どんな体験に変わるのかとかなり期待していたんだけど、結論から言うとまだまだこれからかな、という感じだった。

1曲目はメンバー全員がつまみをいじってバンド演奏とは異なるものを見せる。

ここで今回のライブの趣向が示されるわけだけど、私のいた場所の問題かもしれないがそんなにうまくいっている印象はなかった。

その後もライブ中はおそらくその後方スピーカーが働いしている曲があったのかもしれないが、雨のせいでずっとカッパを着ており、しかも雨脚はかなり強かったこともあって、彼らの思った通りのライブだったかどうかも疑問である。

とはいえ、ライブはやっぱりめちゃくちゃよくて、彼らのライブは時間を忘れさせてくれる。

ベース、ドラム、ツインギターという基本的なロックバンドの編成でありながら、空間を支配する音の揺らめき。

これだよこれ、と思ってずっと目をつぶって聴いていたんだけど、正味2時間ほどのライブは本当にあっと言う待っただった。

ラスト前に演奏した曲では後方スピーカーも全開で、ちょっとずれた音像がこれまた絶妙なゆらぎを生んで死ぬほど気持ちよかった。

メンバーも楽しそうだったのが印象的だったね。

ちなみにラストは『フォグランプ』という3部作前のアルバムのラスト曲だったんだけど、今の曲と遜色なくなっているのが素晴らしい。

音源ではややエレクロなノイズも入った曲だけど、ライブではよりギターのゆらぎと、それに反するようにベース、ドラムの安定感が素晴らしい。

ラストに向かってバーーンと爆発するような瞬間があるんだけど、それが本当に最高なんですよ。

彼らの本質は変わっていないと言うことかもしれないね。

大前に降られて足元はビチャビチャだったけど、来てよかったね。

ライブが終わったら綺麗に雨は止んでいました。


私は変わらず音源も買うしライブにも足繁く通っている。

来週も予定満載だ。

ライブの何が楽しいって、音楽が耳だけはなくて全身に感じられることだ。

ベースの重低音や、ドラムのパァンっとした弾けるリズム、ノイジーで空間を切り裂くようなギター、全てが気持ちいい。

彼らの音楽にはそれがあって、時間を忘れさせてくれる。

ちなみに、彼らはデビュー当時は今をときめくサカナクションともイベントを共催するくらい仲が良かったらしい。

今はそれぞれの道を歩んでいる2組だけど、それぞれに素晴らしいキャリアを歩んでいるよね。

活動の規模でいえばサカナクションの方がすっかり大物になってしまったけど、かといってオウガが彼らの劣っているとは全く思わない。

むしろ世界でも指折りのオリジナリティとライブ力を身につけている。

海外でも多分余裕で戦えるはずである。

日本で売れるかといえばそうでもないかもしれないし、ふと彼らがテレビで演奏しているような姿を思い浮かべてみたけど、ちょっとしっくりこなかった。

いろんな価値観があるなと改めて思うとともに、今後も唯一無二の音楽を作り続けて欲しいよね。

今日は新曲も披露されたけど、次の作品にも引き続き期待だ。

やっぱり彼らのライブが素晴らしい。