
昨夜は会社帰りに一緒に案件をやっているやつらと飲みに。
1人はよくいくやつ、もう1人は飲みにいくのは初めてというやつだったんだけど、彼がふと会社ですれ違った際に何か言いたげだったのでこの飲み会は組まれたのであった。
今期に入ったタイミングで、彼も昇格してもおかしくないくらいだったのにそうはならず、むしろなぜこいつが?というやつらが上がったことであちこちで波紋があった。
その昇格に疑問符がついている1人の下に彼は入ることになったんだけど、やっぱり納得いかない思いがあって、それでモヤモヤしていたらしい。
そんな話を聞きつつ、そのうち話は彼のバックグラウンドや現状のいろいろについての話にも及んだ。
何となく小耳に挟んではいたけど、彼の父親はいわゆるその筋の人らしく、家庭環境的には特殊であったらしい。
彼自身はとても大らかでいいやつなのは、ひょっとしたらその反動的なところからのある種の達観かもしれない、というのは彼自身の分析である。
彼の話を聞きながら、何となく思ったことをあれこれ話をしていたんだけど、思いの外共感できる部分もあったのには驚いた。
私と彼では生きてきた道筋も環境も何もかも違うんだけど、ある種の価値観みたいなものは不思議と通じるところがあるというのは、人間関係の面白いところである。
私にとってはいつものことだが、自分はどういう生き方が合っているのかということを今だに考えているところがある。
今の環境の中でそれに合わせてやっていることもあるけど、それをやるにつけ「これは自分には合ってないな」なんて思ってしまうことも少なくない。
人間嫌いということは別にないけど、ずっと一緒にいると疲れるし、1人でいる方が気楽であると感じることも少なくない。
ていうか、基本的には1人の方が気楽である。
もともと友達は少ないけどね。
そんな自分に比べて、彼はいろいろな人に囲まれて、信頼されているんだなというのは話を聞きながら思ったし、会社での振る舞いを見てもそれはわかるので、素晴らしいと思っている。
いろいろ彼も悩んでいるようなので、せめて前向きな結論と結果に至ることを願っているよ。
さて、そうしてあれこ人と話をしていると、ふと昔のことを思い出してみたりすることがあるんだけど、その時にふと頭の中に流れる曲の一つが、髭の”闇をひとつまみ”という曲である。
穏やかでドリーミーな曲調で、歌のメロディはどこか寂しげである。
その歌詞がとても秀逸で、「会いたい友人が僕にもいるさ」と謳われるその曲が、たまに自分の状況とすごくフィットして感じられる時があるのである。
彼らはデビュー当時はずっと不機嫌で苛立っているような雰囲気があったんだけど、近作ではよりマイルドというか、穏やかで優しい曲が多くなってきている。
この曲もそうだけど、ポップさ全開の曲は名曲が多くて、歌詞の世界観もすごくいいなと思える曲が多い。
作詞はヴォーカルの須藤がほぼやっていると思うけど、彼の描く歌詞はひねくれているが故にこうしたストレートな心情を吐露したような曲がとても良いのである。
ストレートといってもその言葉は単純じゃないし、ちょっとひねくれた感じがあるのが個人的には刺さる理由だろう。
基本的には他人の理解なんて求めてない、だけどたまにそれをどうしても欲してしまうこともあって、それをわかりやすい言葉では必ずしもないなりに表現されているかのようでね。
人生はいいことばかりではないし、人間は善人ばかりじゃない。
楽しいこと良いもしんどいことの方が多いのが実際だし、だけどたまにはいいことがあってもいいじゃないって。
そういうテーマの曲って基本的に好きだし、この曲はそれを極パーソナルな世界観で描かれているのがいい。
生きていくのはしんどいけど、それでも死ぬ理由はそんなにない。
会いたいと思える人がどこかにいるなら、それが人生の理由かもしれない。
”闇をひとつまみ”