音楽放談 pt.2

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好きな温度感 -These New Puritans

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ここのところ仕事が忙しいので、つい休日も趣味の時間よりもだらだらと力を使わない過ごし方をしてしまっている。

仕事もしないと、などと思うが、結局あまり稼動できていない。

ていうか、結局平日にガッと集中してやった方が早く、休日はアイデアを練り直したり見直す程度がせいぜいだなと気がついた。

なので今は酒を飲んでいる。

先週もその前も、気持ち的なゆとりもなかったのでついだらだらしてしまったのだけど、これではいけないと今日は久しぶりに少し出かけてきた。

私は美術館が好きなのでよく行くのだけど、今日で終わる展覧会があったのでそこへ行ってきたのだ。

本当は人気がない美術館が大好きで、できれば平日に行きたいと思っているのだけど、そこはまあ仕方ない。

ただ、思ったよりも人もそこまで多くなかったので割と快適だったんだけど、そんな中で美術品を眺めながら歩き回っているうちに、ふと私はこの美術館という空間自体が好きなんだなと気がついた。

うまく言葉にできないけど、整理された空間とどこかカビ臭い感じもある。

全体的に静かで落ち着きがあって、とても配慮されているその感じが心地いいのだ。

できればそこに人がいないともっといいんだけどね。


そんな風景を思い出すアルバムがあって、リリース当時は地味だし暗いし、よくこれ出したなと思ったが、気がつけば多分かなり好きなアルバムになっているのがThese New Puritansの『Feilds Of Reeds』という作品。

今年久しぶりにアルバムをリリースしたが、気がつけば兄弟二人だけになっていた。

このアルバムの当時から確か女性メンバーは離脱状態だったが、結局他のメンバーともうまくいかなかったのだろうか。

1stから呪術的な音楽を展開しており、その独自の美学を感じさせるものは一部では賛否を読んでいた。

実は結構来日もしており、単独は多分2回とかせいぜいそんなものだろうけど、サマソニ、ホステスなどでちょくちょくきていた。

私はできるだけ足を運んでいるくらい好きなのだけど、ここ数年は来ていない。

また来て欲しいアーティストの一人だ。


それはともかく、彼らの音楽の特徴はいわゆるゴシック的な色合いが強いと思うが、このアルバムにおいてはそこにある重たさを一切排除しており、虚ろですらある。

このアルバムのイメージこそが、まさに老人が営む人気のない美術館よう、という感じなのだ。

名も知られていない、独特の感性によって描かれた、しかし美しい絵を整然と並べているような感じ。

きっと見終わった後に残るの感覚だけで、気がついたら出口に立っているような感覚を味あわせてもらえるようなそんなところ。

このアルバムの曲って、正直シングルカットできる曲あるか?ていうくらいの感じなんだけど、折に触れてよく聞いている。

一聴して暗いけど、実は暗いんじゃなくて、ただ明るくないだけである。

感情がどこにあるのかわからない世界の温度感が抜群だ。

まあ、100%売れないと思っていたがやっぱり売れなかっただろう。


今年出したアルバムは、またその前までのゴシック風味満載の彼ららしさのあるアルバムだと思うけど、改めて彼らのキャリアの中では異彩を放つ作品になるだろう。

もともと異彩しか放っていないのにどうしたいのだろうという問題はあるが、ともあれ人にはオススメしないけど、密かに心に残る作品である。

"Fragment Two"